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解析学#2

証明が要らないほどの簡単な命題について述べていきますね。

命題1.2
(1)定義1.1(2)の零元は唯一つだけ存在する。
(2)$${\forall a\in\mathbb{R}}$$に対して、定義1.1(3)の逆元は唯一つだけ存在する。また、$${-(-a)=a}$$が成り立つ。
(3)定義1.1(6)の単位元は唯一つだけ存在する。
(4)$${0}$$でない$${\forall a\in\mathbb{R}}$$に対して、定義1.1(7)の逆元は唯一つだけ存在する。また、$${(a^{-1})^{-1}=a}$$が成り立つ。

また、定義1.1から差と商を導くことが出来ますね。

命題1.3(定義)
(1)任意の$${a,b\in\mathbb{R}}$$に対して、$${x+a=b}$$を満たす$${x\in\mathbb{R}}$$が唯一つだけ存在する。この$${x}$$は$${x=b+(-a)}$$で与えられ、これを$${x=b-a}$$と書き、差を定義できる。
(2)$${0}$$でない任意の$${a\in\mathbb{R}}$$と任意の$${b\in\mathbb{R}}$$に対して、$${xa=b}$$を満たす$${x\in\mathbb{R}}$$が唯一つだけ存在する。この$${x}$$は$${x=ba^{-1}}$$で与えられ、これを$${x=\frac{b}{a}}$$と書き、商を定義できる。

いかがでしたでしょうか?
証明は簡単なので付けませんでしたが、「やばい、わからん。。」って人のために方針は言っておきましょう。
「〜が唯一つだけ存在する。」の証明パターンは決まっています。それは満たすものを2つ用意してそれが一致することを示せば大丈夫なんです。

例として命題1.2(1)だけは示しますね。
定義1.1(2)の零元を$${0,0^{\prime}}$$とする。
この時、$${0}$$が零元であることから、$${0^{\prime}+0=0+0^{\prime}=0^{\prime}}$$が成り立つ。
また、$${0^{\prime}}$$が零元であることから、$${0+0^{\prime}=0^{\prime}+0=0}$$が成り立つ。
上式より$${0=0^{\prime}}$$となり、一意性が示された。

是非、手を動かしてみてくださいね。

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