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Andreas Floerについて

Andreas Floerという人

現代幾何学の発展に大きく貢献した、若き天才です。

フレアーが活躍した位相幾何学という分野は、ユークリッド幾何学のように”カチッと”決まった図形を扱うものではありません。より抽象化された図形を扱い、その図形がどのように繋がっているか、どのような構造を持っているか、他のどの図形と”同じ”形なのかを考える分野なのです。現代では宇宙の構造を解明するための道具として幾何学を用いたりするなど、他の分野との関係性を強めています。

現代の幾何学ではフレアー・ホモロジーという道具は非常によく使われています。フレアー・ホモロジーと言っても、幾つかの似たようなモース・ホモロジーの無限次元のアナロジーのフレームワークがあるので、それらをまとめてフレアー・ホモロジーと言っています。

難しい話はさておき、34歳という年齢でこれだけ影響力のある道具を導入したフレアーはとても偉大です。若くして亡くなってしまったガロアやリーマンに並ぶ、そんな人がどういう人柄なのか、どんな考え方をしていたのか、人物に対しても関心が深まるばかりです。

年表

1956年8月23日 誕生
1982年―――― 数学のディプロムをルール大学ボーフムで取得
1984年―――― Ph.D.をルール大学ボーフムで取得
1988年―――― カリフォルニア大学バークレー校に就職
1990年―――― ドイツに戻り、ルール大学ボーフムの教授に就任
1991年5月15日 没(34歳)

主な著書

The unregularized gradient flow of the symplectic action , Comm. Pure Appl. Math. 41 (1988), 775–813.
An instanton-invariant for 3-manifolds , Comm. Math. Phys. 118 (1988), no. 2, 215–240.
Morse theory for Lagrangian intersections- , J. Differential Geom. 28 (1988), no. 3, 513–547.
Cuplength estimates on Lagrangian intersections , Comm. Pure Appl. Math. 42 (1989), no. 4, 335–356.
Symplectic fixed points and holomorphic spheres , Comm. Math. Phys. 120, no. 4 (1989), 575–611.
Witten’s complex and infinite dimensional Morse Theory , J. Diff. Geom. 30 (1989), p. 202–221.

参考文献

http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/Biographies/Floer.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Andreas_Floer


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