Vol.1 何故、分数の分母はゼロ以外の値をとるのか?
分数の分母はゼロではいけないのか?
「分数とは、分母の値を掛けると分子の値になる数である」として話を進めてみようと思う。
まずは、分子のみが0の場合
例えば $${ \displaystyle{ \frac{5}{3} } }$$とは「3を掛けると5になる分数」と言える。
これに倣えば、例えば $${ \displaystyle{ \frac{0}{3} } }$$ は、3 を掛けると 0 になる分数という事になる。
0 以外の数を掛けて 0 になる分けだから $${ \displaystyle{ \frac{0}{3} } }$$ の値は 0 という結論となる。
つまり、分子が 0 で、分母が 0 以外の分数の値は、必ず 0 となる。
次に、分母のみが0の場合
次に、分子が 0 以外の数で、分母が 0 のときを考えてみる。そんな分数を仮に考えてみるのである。
例えば $${ \displaystyle{ \frac{5}{0} } }$$とは(これが分数であるならの話だが)「0 を掛けると5になる分数」という事になる。
しかし分数は勿論、数であるなら、どの様なものでも 0 を掛けると 必ず 0 になるのであり、0 以外の値をとる事は無い。
故に $${ \displaystyle{ \frac{5}{0} } }$$ という分数とか数と言うものは無いことになる。つまり、分子が 0 以外の値の時に分母が 0 となる、分数(を含む数)は無い。
$${ a \ne 0 }$$ のとき $${ \displaystyle{ \frac{a}{0} } }$$ については、その値が「計算できない」とか「計算不能である」という意味において「不能」と言えると思う。
誰かに「何故、分数は(分子が0以外のとき)分母が0ではいけないのか?」とお尋ね頂いたら、こんな風に答えてみようと思っている。最善の回答では無いかもしれないので、より良い説明を検討していきたいとも思う。
では、分母と分子の双方が0の場合は?
またまた仮の話であるが、分子と分母が共に 0 である $${ \displaystyle{ \frac{0}{0} } }$$ という状況を考えてみよう。仮にこのような分数を考えてみるという分けである。
これ迄の考え方を用いると $${ \displaystyle{ \frac{0}{0} } }$$ は、0 を掛けると 0 になる分数であるという事になる。
どの様な数や分数でも、必ず0 を掛けると 0 になる分けで、これは、すべての数を意味することになる。
故に $${ \displaystyle{ \frac{0}{0} } }$$ は、すべての数である事を意味することとなる。どれか特定の値とはならない。
これを、定まらないという意味において「不定」であると言えると思う。
(本稿は、拙WEBサイト「ささやかなる探究生活 WEB」、拙ブログ「心穏やかな日々のために」(双方とも、2024年4月8日現在で公開中)に掲載したものに加筆修正して再掲載致したものです)
問題
私の出題にお付き合い下さい・・・
問題その1
脳トレに、簡単な分数の計算問題をどうぞ・・・
$$
\begin{array}{ll}
&(1)\ \ \displaystyle{ \frac{5}{3} \times 7 }\ \ \ \ \ \ \ \
&(2)\ \ \displaystyle{ \frac{5}{3} \times \frac{1}{7} }\ \ \ \ \ \ \ \ \
&(3)\ \ \displaystyle{ \frac{5}{3} \times \frac{11}{7} }\\ \\ \\
&(4)\ \ \displaystyle{ \frac{5}{3} \div 7 }\ \ \ \ \
&(5)\ \ \displaystyle{ \frac{5}{3} \div \frac{1}{7} }\ \ \ \ \ \ \ \ \ \
&(6)\ \ \displaystyle{ \frac{5}{3} \div \frac{11}{7} }
\end{array}
$$
相変わらず気の利いた出題とも思えず、なんだか申し訳無いのです。答えは次回に掲載予定です。
問題その2
休憩しましょう。
次回も宜しくお願い致します。
初稿 2024年 4月 8日
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