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ジャニーズ好きにおすすめする歌舞伎 2021年4月 東日本(というか『桜姫』の話)

こんにちは。ジャニーズと歌舞伎が好きな在京アラサー、マチルダです。

なんだかんだと続けている、毎月おすすめの歌舞伎の現場を、ジャニーズ好きに向けて紹介しているnoteですが、今回は、『ジャニーズ好きにおすすめする歌舞伎 2021年4月 東日本』です。

というか、『桜姫』の話です。

[イントロ] 中身だけ知りたい人は飛ばして

なんで、こんな事はじめたかというと、理由は2つ。

1つは、最近、「松竹歌舞伎会のカード作ったから、歌舞伎も観てみようかなー、おすすめ教えて」って言われる事が増えたからです。私の周り以外にもそういう方がいるかもしれないので、せっかくならインターネットに載せてみようかと。


もう1つは、私が、おばあちゃんになるまで歌舞伎を観たいからです。少し説明しますね。
アラサーになると、世の中に自分より若い人達が増えてきます。美容室でも、お洋服屋さんも、カフェでも、自分より若い方に会います。話しかける時、おねえさん、と呼んでいいのか少し迷います。まぁ、呼んでしまいますが。

(ジャニーズの現場なんて、どんどんと若い子がくるので、だんだんと、平均年齢より上だなと感じる機会が増えてきました。)


対して、歌舞伎の劇場はというと、圧倒的に年上の方が多いです。20代の頃はどこに行っても若い側だったので、そんなに気にしていなかったのですが、30才をすぎてくるとそういう空間が減ってくるので、おや?と思います。そして、同世代や自分たちより若い世代が通わないと、劇場埋まらない時代がやってくるのでは?とちょっと危機感を抱きはじめました。
2020年は、コロナの影響で少し事情が異なりますが、基本的に、東京の歌舞伎座では毎月、公演があります。ふと、「そうだ、歌舞伎みたいな!」と思って観に行くことができます。しかし、今後、あんまりにも埋まらないとかが起きたら、もしかしたら隔月とか、3ヶ月に1回とかになってしまうかもしれません。分からないけど。でも、そうなると、私のQOLはすごく下がってしまいます。(確約されている現場があるって、素晴らしい!)


という事で、歌舞伎ちょっと興味あるけれど、何から観たらいいか分からないなー、と思ってる人が、一回でも劇場に足を運ぶきっかけになればいいなと思ってます。
なぜ、ジャニーズ好きにだけ向けて、おススメするかと言うと、個人的にジャニーズファンと歌舞伎ファンは、めちゃくちゃ親和性があると思っているからです。だから普通の人より、魅力に気づきやすいと思うのです。また、ジャニーズでいうとこんな感じ、という説明をすることで、語彙力の乏しい文でも行ってみようかな?というきっかけになれるかもと思ったからです。(ちなみに文章の中で、カッコ書きで書いているところは、私のジャニヲタとしての心の声です。)

四月大歌舞伎の発表は人をバカにした

四月大歌舞伎の演目が発表されたのは、二月大歌舞伎の千秋楽(2/27)だったのですが、もう歌舞伎好きの間では大変なさわぎでした。TLで見かけたものをニュアンスで引用すると、

「にざたまの桜姫東文章を観ないと死ねない」と言い続けて来たが、遂に死ねる。
夢見ることすら諦めてた再演が叶う。あれ、もしかしてまだ夢?
ちょっと早めのエイプリルフール??

などなど、とにかく大騒ぎです。

にざたま、というのは、仁左衛門さんと玉三郎さんのことです。(しめしずとか、みちきょへだと思ってもらえたら。)

仁左衛門さん玉三郎さん。今、最も熟練された歌舞伎俳優のお二方です。お二方とも人間国宝です。お二人のコンビは若いころから大人気で、仁左衛門さんが本名の孝夫(たかお)さんとして舞台に立っていたころは、たかたまと呼ばれていたそうです。

しかし、最近では、仁左衛門さんと玉三郎さんが共演する機会が減っていたのです。まぁお二人ともそれぞれ、お客様を呼べる役者さんですし、座長もできる方を一度に舞台に出す必要がなかったのでしょうか。体感としては5年に2回くらいの頻度での共演だったように思います。

そんな中、二月歌舞伎の第二部では贅沢に、「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」と「神田祭」と二幕とも共演されていたので、歌舞伎ファンは、腑抜けながらひたすら、つぶやいてました。

「尊い、、、」
「国宝級いちゃいちゃ、、、」
「歌舞伎の最高峰、、、」

(嘘だと思ったら、Twitterで「神田祭」で検索してみてください。きっと見つけられるはず。)

ジャニーズにも顔面国宝くんがいますよね。コンサートで拝見したことがありますが、確かに両手を合わせてお顔を拝みたくなる「顔面国宝」を実感しました。ちなみに、仁左衛門さんも、玉三郎さんも、おそらく所作で「人間国宝」と認められているのだと思うのですが、お顔立ちも「国宝級」です。いや、全く、文化庁が顔担の可能性も捨てきれないくらい、綺麗なお顔立ちです。)

ということで、あと2年くらいは観れないかな、と思いながら、二月大歌舞伎を堪能したところに発表された、仁左玉の『桜姫東文章』(さくらひめあずまぶんしょう)。仁左玉なだけでもすごいのに、なんとこの演目での共演は、36年ぶりなんです。(前回は、1985年の歌舞伎座公演です。私、まだ生まれてない。)先ほど言った通り、ちょうど、お二人が「たかたま」っと言われていたころの舞台です。

(ジャニヲタだったらみんな、これ絶対再演して欲しいと思いながら、再演がなかった舞台があると思います。ちなみに私は『蜘蛛女のキス』ですが、みなさんそれぞれの舞台を思い描いてください。そして、それが、36年ぶりに再演すると想像してみてください。当時観た人は、絶対行きたいでしょ。観てない人も噂だけは知っているから、絶対観たくなるでしょ。)

(『蜘蛛女のキス』は最近すぎて、36年ぶりがピンとこないかも、、、。1997年の、相葉ちゃん、ニノ、松潤、斗真の『スタンド・バイ・ミー』はどうでしょう。2033年、あと12年後に、あの時のメンツで『スタンド・バイ・ミー』やったら、、、、?ゲキアツすぎませんか??)

(ということで、TLが「エイプリルフールなの?」「夢なの?」みたいなゆるふわ天然キュートな呟きで埋まってしまうのも仕方がないことなのです。)

ということで、チケットは激戦

ということで、チケットは超絶激戦です。正直、書きながら私も取れるか全く分からないです。ですが、一応、発売日は3/14(仁左衛門さんの誕生日!)。松竹歌舞伎会の方は3/13です。

歌舞伎会で取れなくても、各種プレイガイドや、クレジットカードのチケットサービスなどでは取り扱いがあることもあるので、観たい気持ちが煽られた方は、ぜひチェックしてみてください。

あと、今回は上の巻とあるので、近いうちに、下の巻(もしくは、中・下の巻)をやってくれるのではないかという期待があります。(でも、本当だったら去年、明治座で桜姫をやるはずだった中村屋がやる可能性も、無きにしも非ずかな、と。)

他の部のオススメは、第一部Bプロ

ちょっと、本当に桜姫はチケットの様子が分からないので、もう一つオススメしておきます。

それは、第一部。「猿翁 十種の内」というた澤瀉屋(おもだかや)の舞踊劇の中から「小鍛冶」と、「勧進帳」をやります。

舞踊「小鍛冶」は、舞踊の天才 猿之助さんが踊りますし、みんな大好きカマキリ先生、香川照之さん(歌舞伎では中車さんというお名前です)もでます。左團次さんという、すごく大きくてどっしりとした俳優さんもでます。(確か身長180cmあったと思います。80才という年齢を考えると、とても大きな方です。)

そして、「勧進帳」。the 歌舞伎という演目だし、私の学校では習わなかったけど、教科書で習ったりもするらしいし、有名だと思います。正直、Aプロでも、Bプロでもいいんですけど、私だったらBプロを観に行きます

(超ざっくりいうと、Aプロは弁慶が白鴎さんで、Bプロは幸四郎さんです。)

というのは、歌舞伎にハマったきっかけの一つ*が、2014年11月に歌舞伎座で幸四郎さん(染五郎さん時代)の「勧進帳」初舞台だったからです。

(*なんか、こないだからずっと、歌舞伎にハマったきっかけの演目の話をしている気もするけど、長いこと中村屋だけが好きだったのから、歌舞伎全般が好きになったのが、2014年で、その年はなぜか神がかった舞台がたくさんかかったのです。)

幸四郎さん(プライドでキムタクとチームメイトだった方)は、高麗屋(こうらいや)という歌舞伎の名門のお家に生まれ、2才の時には、勧進帳の弁慶の真似をしていたそうです。

2才の可愛かった藤間照薫さん(幸四郎さんの本名。ちょっと、名前が変わるとややこしいので、本名で書きます。)も、金太郎、染五郎と名乗りながら、歌舞伎役者道を突き進みます。しかし、他のお家の歌舞伎役者さんが、勧進帳の弁慶を演じる中、照薫さんは中々、弁慶のお役が回ってきません。

というのも、弁慶はお父さんの当たり役だからです。『ラ・マンチャの男』のドン・キホーテと『勧進帳』の弁慶は、確かにこう、これが「仁がある」ということか、と思わされます。

(仁がある、は説明しづらいので、というか私もちゃんとわかっているか自信がないので、気になる方は、これを読んでみてください。)

歌舞伎は、お家単位で演じることが多いので、お父さんの当たり役が、なかなか自分に回ってこないということは、まぁ、確かにありうるのかもしれません。

そんなこんなで、照薫さんが初めて『勧進帳』の弁慶役をやることになったのは41才!2才の時から真似していて、41才!!その時の喜びは日々ブログに書かれています。この当たりの日付の前後のブログを読むと、ぐっときます。

初舞台から、7年。それから何度か、照薫さんは弁慶を演じられていますが、何度観ても、弁慶を演じる喜びが滲み出ているのが、分かります。

Aプロは、何十年にも渡ってファンを納得させてきた勧進帳、Bプロは、演じる喜びに溢れた勧進帳だと思います。(そして、すっごい勝手ですが、ジャニーズ好きはBプロ派が多いと思うのです。)

ということで、第一部のBプロをおすすめしておきます。

第二部の『絵本太功記』と『団子売』もオススメポイントは、色々あるのですが、もう4000字超えたからね、やめとこうと思います。(のえまるよりは短いけどね!!でもまぁ、あれは、如恵留くんが好きな人が読んでいるわけだし、ここで素人が話しすぎて、歌舞伎が敬遠されてしまうのはよくない。)

チケット発売日

第一部Aプロ、Bプロ、第二部も、第三部もすべて、発売日は3/14 10時から。松竹歌舞伎会の方は3/13 10時からです。歌舞伎、ぜひ観てみてください。

サポートしてくださる方がいらしたら、そのお金は全額観劇に使って、舞台文化に貢献したいと思います。