【シリーズで見よう007】第7作目007 ダイヤモンドは永遠に

前作のジョージ・レイゼンビーが降板を申し入れた事から、ショーン・コネリー再びです。ボンド復帰のためにショーン・コネリーには多額の出演料が支払われましたが、彼は全額スコットランド国際教育基金に寄付したのだとか。その他に自分が出演を望む作品の制作費に興行の10%を出資するよう要求したとかで…優しいやらがめついのやら。


<あらすじ>
ブロフェルドを追うボンドは仲間を整形しブロフェルド替え玉を製造してる基地へ潜入。味噌状なものにつかる替え玉(ブロフェルド味噌漬け)を処分。ブロフェルド自身もホカホカのうんち状のものに落とされ死亡。MI6に戻ったボンドはMより休養をかねて地味な任務を依頼される。南アフリカで発掘される大量のダイヤモンドが何者かに盗難、密輸され闇市場にも出ず消失しているのだと言う。ボンドは運び屋になりすまし、仲介役のティファニーと接触。ダイヤを偽物とすり替え、ラスベガスへと運び、行方を追うのであった!誰が何のためにダイヤを集めているのか…ボンドは突き止める事が出来るのかぁぁ!

<感想>
ショーン・コネリーが戻ってきたことによって絵的な安定感はあるものの、どこかライトな感じ否めない作風となってます。
運び屋になりすまし、ティファニーとラスベガスへとやってきたボンド。まずはボンドが持ってきた偽物のダイヤの行方、、、偽物だとバレたら次は本物のダイヤの行方…ダイヤが色々な者の手に渡っていくところが描かれ、中盤まで全く全貌が見えません。
そう考えると、今までのボンドは大まかな敵の策謀が早い段階で分かってた気がするんよなぁ、そうでもないのかなぁ…。なんか、今回は分かるのが遅い印象でした。実はブロフェルドが生きてた!というのを溜めたせいかも。その間も、同性愛の殺し屋が関係者を始末していったりするのですが、なんか話が進んでる気がしません。

その後、ボンドはダイヤが行きつく先である、砂漠の中にそびえる秘密基地へと潜入します。どうやら、ダイヤを使い人工衛星を製造している事をつきとめましたが、それ以上の事は分からずに敵に見つかってしまいます。なぜか基地内に月面を模したステージがありそこで、宇宙服を着て何かの訓練をする人。ボンドと敵がなだれこんできますが、何故かスローで動き続ける宇宙服の人。自身でゆっくり動いて月面作業の何かのシミレーションになるものでしょうか…。ボンドは横においてあった月面車両に乗り基地を脱出、砂漠を走ってそのまま逃走します。車やバギーなど追ってがきますが、月面車両と砂漠の相性が良すぎるのか、追っては次々と勝手にスリップを起こし自爆。月面車両ボンドは悠々逃げ切ります。スリリングな瞬間は皆無です。

黒幕がホテル最上階にいることを突き止めたボンドは、外壁を登り最上階に…そこにいたのは何と実業家ホワイトになりすましたブロフェルドだったのです!しかも替え玉含め二人!冒頭、味噌とうんちに沈めたブロフェルドは替え玉でした。その場でボンドは機転をきかし、ネコの反応を見てブロフェルドを殺しますがそいつは替え玉でした。ネコも2匹用意していたのです。何のこだわり!?

ボンドは気絶させられ殺し屋コンビにボンドの始末を頼みます。
その場で撃ち殺せばいいものの、工事現場にある下水管内に放置。そのまま地中に埋められますが、案の定目を覚まし地上の蓋から「あ、どうもネズミの散歩させてたら迷っちゃいましてね」って余裕で戻ってきたし!そりゃそうなるやろ、何故とっとと殺さないw!?

実業家のホワイトが海沿いの高台にあるペントハウスに閉じ込められてる事が分かったボンドはペントハウスに向かいます。そこで、バンビとサンパーなる女ボディーガードと戦う事になります。水着姿で側転したりピョンピョンとやけに動き回る2人、めちゃくちゃキャラが強いですが何の説明もありません。羽交い絞めされるボンドの前で開脚を決め、くるっと立ち上がり拳を返しポーズを決める…その間、ボンドは羽交い絞めされたまま。何かとっておきの技が繰り出されるのかと思ったら普通のキーーーックなんやねんそれはー!その後、囚われたホワイトを発見するボンド一行「君たち誰?CIA?FBI?」とあっけらかんに聞くホワイト。イーロン・マスクみたいな感じでしょうか?人嫌いの設定からか、何かフランクな感じです。

その時、ボンドに作戦を感づかれた事を知ったブロフェルドはホテルから脱出し、作戦を実行しようとしますが…脱出方法が女装w!正気ですか!?ここら変も含めて、今作がコメディーと言われる所以です。確かに一線超えてる気もします。

ブロフェルドが計画していたのは、ダイヤモンドの羽で光を集め地上を攻撃する衛星兵器を製造していたのです。ボンドが突き止めるより先に、衛星は発射されていました。西洋諸国と交渉するためまずは脅しとばかりに、アメリカの核ミサイルや中国の兵器を破壊。コメディーテイストの多い今作ですが、こればかりは過去最恐の兵器です。次はワシントンを攻撃すると西洋諸国に脅しをかけます。

しかし、あっけなくボンドに居場所をつきとめられます。
ブロフェルドは海上油田を要塞化し衛星を操作していたのです。ここからは全員がアホ過ぎて何がなんやらです。ボンドは単身正面から堂々とやってきて速攻捕まります。そして、ブロフェルドもさっさと殺せばいいものの作戦をベラベラ話します

「そうさボンド君。衛星はこのカセットによって制御されている。そのカセットを偽物とすりかえようとやってきたのは分かってるんだぞ!」

誰への何の説明w!?
そして、案の定偽のカセットとすり替えられてしまいます。かと思えば、ティファニーのよかれと思った行動でまた本物のカセットがセットされてしまう。おいアホか!?最後はカセットうんぬんではなくてブロフェルドもろとも基地を爆破して終わり。

船で帰ってる途中で殺し屋コンビに狙われますが、ボンドのワインうんちくの罠にはまり、素性がバレて瞬殺されます。ここまで何の活躍もないティファニーが「レディーから言うのもあれなんだけど…」と、また甘い言葉を言うのかと思ったら空を見て、
「あの衛星からダイヤを取り戻せないかしらね」
www気がきいてる一言w。
この言葉に象徴されるように、今作は今までのシリーズの流れから完全にハズしてこようとしてます。

印象としては前半はちまちまとしたダイヤ捜索。
後半は説明ないキャラが乱立するキャラ合戦となってしまいました。

まぁ、それが嫌いじゃないというかw悪くないというか。
個人的にはなんやかんや言うて嫌いにはなれない作品でした。
これで、スペクター ブロフェルドは終了。ショーン・コネリーも本家007も最後となりました。次回からボンドを引き継ぐのはロジャー・ムーア。どんなボンドになるのか楽しみです。



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