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水辺の利活用について

こんばんわ。お疲れ様です。水戸市は中心に千波湖、桜川がありそして関東地方で第3の大河として知られる那珂川を有する水の都となっています。今朝も千波湖、桜川近くに行ってきたので今日のテーマは都市における水辺の利活用についてのメモ。

 都市において河川、海岸、湖沼、運河等の水辺はいまだに利用されていない地域が多く、市街地では見ることのできない特徴的な景観を備えていることから都市再生において活用が期待される空間として注目されている。歴史的に世界中の都市の多くは舟運や港湾物流とともに発展してきたという歴史があるために、都市の中心部には水辺がある場合が多い。また、水辺には遮蔽物が少なく、特徴的な景観を持っていることや都市の中心部にありながらもほとんど利用されていないことから都市居住の促進や産業の誘致にも結び付くと考えられている。日本においては現在首都高速道路の一部地下化により日本橋川沿いに広大な水辺空間を創出する事業が進められており、新たな文化やビジネスの起点となることが期待されている。
 

 日本においては江戸時代から戦前まで物資輸送の中心は河川や運河によるものが多く、海上輸送と関連して国内の沿岸と内陸のネットワークを形成していた。しかし、鉄道輸送や自動車の普及による道路整備が進められると物流の中心は河川から道路に移り、河川や運河和都市の中心ではなくなった。東京大学の高橋裕名誉教授によれば戦後の日本における河川管理は水害対策に追われた「治水」、水需要の拡大における水不足から水資源開発がなされた「利水」、水需要の安定から人間の水に対する意識の変化があった「水環境」の3つの時期に分けられるとされている。近年では都市再生の観点から河川空間のオープン化による利活用や「かわまちづくり」支援制度による河川空間の利用による地域活性化、官民連携による「ミズベリング・プロジェクト」などによる河川空間の利活用が進められている。
 

 河川管理公益財団法人リバーフロント研究所が令和元年に実施したアンケート調査によれば、一級河川及び二級河川に隣接する全国の1,614市区町村のうち42.9%が、河川空間を「活用できない」と回答しており、その主な理由として
・洪水等で危険であり、利活用を考えにくい」(51.9%)、
・そもそも、具体的な河川の利活用方法を思いつかない(55.1%)
が主な理由として挙げられている。地理的条件等から全ての河川を都市再生の起点とする必要はないが、一方で、河川空間の活用という発想が必ずしも浸透していない状況も垣間見える。さらに、同調査によれば、実際にかわまちづくりに取り組みながら、課題に直面している市区町村も少なくない。「かわまちづくり」支援制度の検討経験がある252市区町村のうち、構想・計画段階にある市区町村の8割以上が、整備・維持管理段階に入った市区町村においても6割以上が課題ありと回答している。構想はあるものの、なかなか計画策定まで至らない場合が多く見られ、その主な理由として、市区町村の予算・人員不足、多様な主体と連携可能なキーパーソンの不足、河川管理者との連携不足、地元調整の困難さが挙げられている。整備した河川空間の利用者数が増加していない理由としては、多様な主体と連携可能なキーパーソンの不足、情報発信不足、民間参入が困難であることが挙げられている。地域における連携、合意形成、企画・情報発信等を担う人材の確保が重要な課題となっていることがよくわかる。

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