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冬こそオススメ!奥多摩鋸尾根縦走〜鋸山・大岳山〜

冬の山のぼりは低山!
雪山に”まだ”のぼらない私が寒くてまだまだ日も短い1月大寒を過ぎたころ、選んだ山は奥多摩の鋸山。
鋸山というと、千葉県の山をイメージする方が多いかも知れないが、今回私がのぼったのは東京都奥多摩町と檜原村の境にある鋸山で標高は1109m。
紅葉がキレイだから秋もいいと思ったけれど、休日は混むだろうし、奥多摩は熊がでるイメージがあって、平日だと人じゃなくて熊に出会うかもしれない、、、と妄想し冬まで待つことにした。

奥多摩は昨年の春に高水三山を縦走したが、東京都でありながらとても雄大で、山に入るとどこまでも続く木々に包まれているような感覚がある。
高尾山もそうだけれど、東京の山と思うと「なんだか近くて安心」と勝手に思ってしまう。

なぜ鋸山を選んだかというと、アクセスがいいのはいうまでもないが、ご存知の通り(いや、知らない人もいるから)私は岩好き鎖好き。
鋸山は低山だけれど、岩もあり、鎖もありアスレチック感覚を味わえそうだと思ったから。
そして電車で行けるので、スタート地点とゴール地点の違う縦走が愉しめるのも魅力のひとつ。車だとどうしても同じ場所に帰ってくるルートでないとなかなか難しいけれど、電車ならスタートとゴールが違っても問題はない。

ただひとつ心配だったのは累積標高。
私の日帰り限度は累積標高が1200mあたり。今回モデルルートで調べると1500mほどもある。
果たして私の膝はもつのだろうか、、、
前回の南高尾縦走でも少し痛くなったので、それがちょっと心配だった。
しかし!今回は
・トレッキングポールを最初から使う
・サポートタイツを履く
・帰りはケーブルカーを使う
これなら行けるであろうと挑戦をした。


ー ルート

JR青梅線奥多摩駅からスタートし、愛宕山を経由して鋸尾根をのぼり鋸山をまずめざす。鋸山から大岳山を経て御岳山のある御嶽神社からケーブルカー乗り場がゴール!

案内図
登山ルート

案内図と作成したルートマップの天地が逆なのでむしろわかりにくいかもだけれど、、、こんなルートを取りました。

ー アクセス

都心から近く、電車であっても朝早く到着できるのでアクセスはgood!
<スタート>
JR青梅線奥多摩駅→徒歩5分で登山道
登山道の向かいには氷川駐車場がある。
<ゴール>
御嶽神社→ケーブルカー御岳山駅で乗車→終点滝本駅まで6分
滝本駅から徒歩2〜3分で西東京バスのケーブル下駅→御岳駅まで8分
御岳駅バス停から徒歩数分でJR青梅線の御嶽駅

行きはよいよいだったが、帰りはなかなかつなぎが良くない。
ケーブルカーは1時間に2〜3本程度しかなく、バスは1時間に1〜2本。
とにかく待ち時間が長い。ならば歩いた方がと思うが、歩くよりは待つほうが早いかなというレベルだった。

御岳登山鉄道の時刻表
御岳山駅から滝本駅往復同時発車だそうです
(サイトからお借りしました。最新情報はリンクからご確認ください)
西東京バス時刻表
ケーブル下から御岳駅への時刻表です
(サイトからお借りしました。最新情報はリンクからご確認ください)

車の場合
行きは奥多摩駅近くの氷川駐車場に停め、縦走の場合帰りは御岳駅からJR青梅線に乗車し17分で奥多摩駅。駅からは徒歩5分程度で駐車場に着く。

ー 登山口まで

車にしようか電車にしようか散々悩んだ末、今回は電車を選択した。
朝5時過ぎに自宅を出発。外はまだ暗く東京の気温は2℃だったので寒かった。拝島駅で電車を待っていたときは気温は-3℃で手袋が手放せない。
まさに真冬だ。
新宿方面から2時間、奥多摩駅に向かう空いている車内で日の出をみた。
電車で日の出をみたのはいつぶりだろう。

7:45奥多摩駅に到着。駅を出て左手に綺麗なお手洗いがある。
途中お手洗いはあまりないのでここで必ず済ませておくのがいい。

JR青梅線奥多摩駅

駅を降りるとハイカーによく会うのだが、この日はほとんどいなかった。
駅から徒歩5分ほどで登山口に到着。

鋸山への登山口

ー 鋸山てっぺんへ

のぼりはじめから結構のぼるが、10分ほどで噂の階段がお目見え!

愛宕山に向かう階段

一直線!なかなかの迫力。気合いを入れてのぼる。
せっかくなので数えながらのぼってみると188段あった。
ちなみに自宅はマンションでトレーニングのために階段を使うが130段くらいはのぼっているのでそれほどしんどくはなかった。
ま、序盤だしね。
それよりすごく寒くて指がかじかんでいたので手袋を2枚重ねにした。

のぼりの道は急だったりゆるやかだったりを繰り返すが、冬の朝は太陽が低く空気も澄んでいて美しい。
何度も足を止めては朝日に癒される。

歩きやすい道が多い
木漏れ日は山のぼりの特権!
ため息が出る美しさ

休憩する場所は特にないので少し広めの場所をみつけて小休憩を取る。
のぼりはじめて1時間ほど、ようやくダウンを脱ぎ重ねていた手袋を1枚外す。こんなに長くダウンを着てのぼったのは初めてだった。
のぼりはじめから誰もいなかったので、きっと今日は誰にも会わないだろうと思っていたら、静かに抜き去る人が!
熊は1月だからいないと思うけれど、熊にかかわらず一人は怖いので私は熊鈴を鳴らしているが、この時期熊鈴を鳴らさない人は多い。
なので、急に人が後ろから来ると猛烈に驚いてしまう。

さらに10分ほどのぼると、天狗さまがいらっしゃった。

岩場をのぼっていくと
天狗さまがいらした

少しスペースもあったのでおにぎりを食べる。
朝食はスープだけだったので腹ペコだった。眺めもよくゆっくり休ませていただきました。

天狗さまのあたりからの眺望

天狗さまを過ぎてからは岩場がちょこちょこでてきて、ストックは1本にした。そうそう、これこれ。やっぱり岩はテンションがあがる〜。

ちょっとくだって
またのぼる

鎖はあったけれど、使わなくてものぼれるレベル。そしていよいよ!

鋸山一の鎖場が登場

鎖場コース!これは愉しみにしていた鎖場。
迂回もできるがもちろん私は右へ。

鎖場コース

正直、思ったほど大変ではなかった。。でも愉しかった〜。
鎖場を超えてからはまた樹林帯に入る。

綺麗なお花もいいけれど、木漏れ日を浴びた立ち枯れの葉っぱはとても好き
鋸山?と思われた山を見つけて力が入る

1時間ごとにベンチはないが、少し広めの場所をみつけて小休憩を取る。さらに1枚上着を脱ぐ。
てっぺん間近になるとのぼりが険しい。

鋸山てっぺん近く

そして天狗さまから1時間20分、登山口から2時間半ほどで鋸山のてっぺんに到着!!

鋸山てっぺん

鋸山のてっぺんは眺望はないが、ベンチがあり広くて休憩するにはもってこい。貸切のてっぺんで大好きな無印良品のバームクーヘンをいただく。

無印良品の新発売かな?ミニバウム

バームクーヘンって口の中の水分を持っていかれるから、夏はちょっとどうかと思うけれど、山の行動食にはピッタリ。このミニサイズはソロのときにはちょうどいいサイズだ!
疲労感もそれほどなくのぼれたので、おなかを満たして次なる目的地「大岳山」をめざしてどんどん進む。

鋸山まではくだりはほとんどなく、急坂・ゆるやか・急坂・ゆるやかの繰り返しだったけれど、鋸山を過ぎてから一気にくだる。くだってからは稜線歩きのスタートだ!
鋸山からの稜線はとても歩きやすい。たまにのぼるけれど、ゆるやかな道が多い。しかも!右手に富士山がみえて、ものすごく気持ちのいい稜線だ。

木々の間からチラ見えする富士山がテンションを上げてくれる!
気持ちのいい稜線ではシャッターも切る切る

葉っぱのない季節だからこそ、こうして山々が見渡せる。
冬でないとみれない景色がそこにはあった。
熊もいないし(おそらく)、暑くないし、虫もいないし、空気は透き通っているし、冬の山のぼりの魅力はたくさんある。

稜線そのものが優美
太陽が作るコントラストはまさにアートだ

「幸せだ〜」
稜線をひとり歩きながらずっとそう繰り返していた。

鋸山から1時間ほどで大岳山まで残り500mの分岐に到着。

大岳山まで残り500m

看板は結構たくさんあり道に迷うことはないかな。
ただ、お手洗いがないので冬は水分を取りすぎるとちょっと危険かなあと思ったり。といってとらないのはもっと良くないし。なかなか塩梅が難しい。

この分岐あたりからどうやらのぼりがまたはじまるようだ。

この階段はのぼりやすかった

大岳山のてっぺんに近づくと鎖場が出てくる。鎖を掴むほどの岩場ではないけれど、鋸山からのぼってきているから体力はそれなりに消耗しているので足元には気をつけたい。

ちょっとした岩場にも鎖がある
てっぺん近くはガシガシのぼる

そして鋸山から1時間半、ついに今回の縦走で一番標高の高い大岳山てっぺんに到着!!

ここを左にのぼっていくと
大岳山てっぺん!

大岳山のてっぺんは眺望がいいと聞いてはいたが、なにこれ!
最高なんですけど〜!!!
めちゃくちゃ綺麗!!
低山とは思えないほど見晴らしがよくこれは感動する。
しかも!!

貸切!!

またしてもてっぺん貸切!!
この眺望を独り占めできるなんて、なんという贅沢なのだろう。
大岳山のてっぺんは開けていてベンチはひとつあった。それが、、、

贅沢ベンチ
ベンチにてっぺんからみえる山が書いてあった

この景色を眺めてごらん〜、なベンチがひとつあるではないか!
きゃっきゃっと叫びながらここにてカップヌードルタイム。

冬の山はこれに限る

正直、カップラーメンは普段まったくたべない。が、山にくると欲してしまうのは何故だろう。
そして、カップヌードルに栄養を求めるのは意味がないと思いつつ、高タンパク質と書かれてあると買ってしまう広告に弱い私。。
おいしかったです。

この先は基本くだり。現時点で膝は痛くないし、結構元気。
サポートタイツとストックのおかげかなあ。
景色とカップラーメンを堪能し、いよいよ最後の目的地御岳山へ。

下山は最初こそ結構急なくだりがあったけれど、そのあとはなだらかな道。
くだりはじめて20分ほどで大岳神社を過ぎると大岳山荘があった。(閉鎖中かも)お手洗いがあるようだったがそこには寄らずに進んだ。

大岳神社
大岳山荘

滑落事故が多いのか看板がやたらとある。鎖が多いのもそのせいかな。

岩場には鎖がある場所が多い
危険な感じはないけれど、狭いので足を滑らせると滑落してしまうのだろう

くだりはじめて1時間ほどのところに休憩場所があった。

ロックガーデン近くの休憩所

ここからロックガーデンはわずか30m。ロックガーデンを経由し七代の滝方面からで行こうか迷ったけれど、七代の滝にいくとのぼり返しが結構あると書いてあったので、膝が心配な私は今回はロックガーデンを諦め近道の林道を進んだ。

穏やかな林道がつづく
奥の院へののぼり口かな?お手洗いがあった

そして大岳山から1時間40分、御嶽神社の下に到着〜!!

御嶽神社の下

御岳山のてっぺんは神社の上にあるのだけど、ちょっと膝が怪しくなってきたのでのぼらずにひたすらケーブルカーをめざして進む。
御嶽神社から先は民家に囲まれた通りを進む。
ロックガーデン行けたかなあと思ったけれど、今回はのぼりもなかなかあったので無理をしないのが一番!

途中、工事現場のおじさまに「ケーブルの下まで歩いても40分だよ」といわれたのでちょっと迷ったが、5.7kmという標識をみて「いやいやここから5.7kmは無理よ」と顔に出ていたのか、もうひとりのおじさまが「やめとけやめとけ」と助言してくれて、すんなり後者を受け入れた。
まるで天使と悪魔の囁きだ。
実際、YAMAPを見たら徒歩55分とあったのでやめておいてよかった。

御嶽神社の下から30分ほど歩いてケーブルカーの乗り口に到着。
行ったばかりだったのでここで最後の休憩。
先日旅の駅で購入した干し芋を食べる。
美味しい〜!!干し芋って行動食にあうね。

旅の駅で買った干し芋

今回は初めてのぼりの累積標高が1500mを超えるということで、ドキドキしていたがなんとか無事に降りてこられてよかった。
しかし、蓋を開けてみると、なんとのぼりは1379mだった。
あれ?何故減った?
御岳山の階段をのぼらなかったから?
七代の滝はもともとよる予定ではなかったので関係ないと思うけれど、なぜか少ない。
とはいえ、これまでの日帰り山行ではもっとものぼった一日だった。
くだりはケーブルを使ったので、ケーブル使っていなければ膝は痛かったかもなあと思う。
筋肉ってすぐ落ちてしまうのね。まだまだ修行が足りません。

それにしても奥多摩は雄大で優美で好きだなあ。
ロックガーデンにも行きたいので、また春ごろのぼりにこよう!!


距離:11.5km
累積標高(のぼり/くだり):1379m/883m
タイム:6時間30分(休憩1時間含む)



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