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岩のぼりから桃源郷まで〜日和田山ハイキング〜

4月下旬。
このところ少しずつパワーアップしてきた山のぼり。
ちょっとここらでひと休み、ではないけれどゆったり山のぼりをしようと、初心者でも岩のぼりを楽しめる日和田山に決定。岩好きの私には魅力しかない。

日和田山は埼玉県日高市にある奥武蔵の山のひとつで、奥武蔵にはいろいろなルートで楽しめるハイキングコースがある。
今回選んだルートは、西武秩父線の高麗駅からスタートし、日和田山(標高305m)〜物見山(標高375.3m)〜花の集落ユガテ(標高290m)を周り、西武秩父線の東吾野駅にゴールする9kmにわたるルートだ。
そう、ゆったりといいながらちゃっかり距離を伸ばして鍛えちゃおうという作戦。

日和田山ハイキングルート

ハイキングだし軽装備で思うが、カメラに自炊セットがあるのでザックは普通に重い。
でも私にはテント泊という夢があるので、このくらいの重さでへこたれていてはいけない。
結局今回もゆったりとはいかない山行になりそうだ。

8:30高麗駅に到着。近くのコンビニでおにぎりを買って出発!
と、その前に駅の写真を一枚パシャリとカメラで撮影したら、
「あれ?嘘でしょ、、、SDカードが入ってなーい!!」
こんな凡ミスするなんて、、、今日は張り切って交換レンズまで持ってきたのに、、、
完全なる油断。
低山ハイキングでうっかり気が緩んでいた。
痛恨すぎる。

いや、待てよ。コンビニに売ってるのでは?
一縷の望みをかけて駅近くのコンビニにより、それらしき売り場へ一目散に向かう。

ない。。。

仕方がない。今回はiPhoneにがんばってもらうか。
そう割りきり、おにぎりをひとつ買ってコンビニをあとにした。
使わないならと、腰にぶらさげていたカメラバックをザックにしまい、日和田山登山口へGO!

駅から登山口までは道路を歩いて10分少々。
歩き始めてほどなく、セブンイレブンを発見!ダメ元でいってみると
「あった!!」
セブンさん!ありがとう、こんな私のためにSDカードを用意しておいてくれて。
とっても安くて大丈夫なのか??と一瞬迷ったが、とにかく今日写っていてくれればと、しまったカメラを再び腰にぶらさげ、いざ日和田山へ!!

出だしからこの調子で予定より20分ほど遅れて山のぼりがスタートした。
「遅かったわね」
登山口にはいると新緑の森が私にそう声をかけた。

春の若い緑に癒される
わかりやすいルート案内

日和田山のてっぺん間近に金刀比羅神社があり、鳥居は2ヶ所にある。
一の鳥居は登山口から10分ほどのぼったところにあり、鳥居をくぐると男坂、女坂の分岐だ。

一の鳥居
男坂と女坂の分岐

男坂が岩のぼりを楽しめるルート。もちろん迷わず男坂。
いまか今かと岩がでてくるのを待ちうけながら進んでいく。

男坂のスタート

そして待望の岩キター!

岩のぼりの始まり

私のように岩にテンションがあがる人ばかりではないから、ちゃんと迂回道も用意されてある。

左が岩、右が迂回道

岩をつかんでのぼっていくのが、どうしてこんなにワクワクするのか。
自然がくれたアスレチックに興奮が止まらない。

次から次に岩まつり
木漏れ日アート

ニコニコしながらのぼっていると、ほぼ壁の岩がお目見え。

ほぼ壁の岩

この壁の岩の前で迷うこと1分。
手をかけそうになったけれど、私はまだ初心者。
さすがにここはやめておこう。右にあった安全な方の岩を掴む。
思っていた以上にたくさんの岩があった。

つづく岩にテンションは上がりっぱなし

20分ほど岩のぼりを愉しみ、ふと後ろを振り返るとパーンとひらけた絶景が広がっていた。

男坂てっぺん風景

低山とは思えない美しい風景のお目見えだ。
上をみると二の鳥居がドンと構えている。

二の鳥居

二の鳥居をくぐり石碑のあるところへ。

石碑からみえる風景

岩が終わってしまってちょっと寂しかったけれど、この風景はたまらない。
想像以上の愉しさと絶景にすっかり時を忘れた。

岩肌
二の鳥居越しの風景

石碑のすぐ後ろに金刀比羅神社がある。

金刀比羅神社

そう、ここで終わりではない。お参りをしててっぺんへ。

もう岩ではない
日和田山てっぺん
蜂がいて標識に近づけなかった

眺めはてっぺんより、金刀比羅神社からの方が私は好き。

日和田山てっぺんからの景色

登山口からてっぺんまでは35分ほどだったので、軽い休憩ですぐに出発。
高指山のてっぺんはよらずに物見山をめざす。

美しい直線

途中一般道を経由して同じく35分ほどで物見山てっぺん到着。

一般道から再び登山口へ
木漏れ日アートがあふれている

ベンチがあったのでここで休憩を取ることにした。
いつものアルコールバーナーでお湯を沸かし、無印良品のオニオンスープとコンビニおにぎり。

アルコールバーナーでお湯を沸かす
ハマっている無印良品のスープ

この定番から脱却しようと思いつつ、実はこの組み合わせもまんざらではない。
30分ほど休憩して次に向かうは北向地蔵。

木漏れ日に選ばれた緑たち
こちらも一般道から再び
北向地蔵

北向地蔵とは、

野州岩舟地蔵の分身といわれ、この岩舟地蔵と向き合う形に置かれている。丁度きたを向いて立っているので北向地蔵の名で親しまれている。

毛呂山町のサイト

とある。マスクはコロナの頃からしているのだろうか。。

最後の目的地はユガテ。現在は2軒の民家が残る集落で、春には多くの花が咲き”桃源郷”と称されていると聞きどうしても尋ねてみたかった。
ユガテまでの道は細い山道が多く、すれ違う人もほぼいない奥深い森をひたすら歩く。

細い山道をひたすら進む

木漏れ日が照らしてくれたおかげで明るかったが、曇りの日だったら一人だとちょっと怖いかも。

案内板がかわいい
渡るとちょっとしたスリルがある橋
光が降ってくる

物見山から1時間ちょっと、北向地蔵からは40分ほど歩くとひらけた場所にでた。
そこは花と緑の楽園だった。

ユガテの入り口

なんて美しいのだろう。
民家と畑の中にお邪魔させてもらう。やさしくて緑に包まれた空間だった。
桃源郷といわれるのがよくわかる。
「ずっとここにいたい」

とても好きな色の花
案内板がやはりかわいい
このセンスはとっても好き
おうちの表札みたいだね
山にのぼっていたことを忘れる瞬間
幸せな時間

ユガテを満喫し、ゴールの東吾野駅をめざす。

ユガテからは最初は林道だったが、しばらくいくと細道になり、秘境を歩くような気持ちだった。

秘境を歩いている気分

道は緩やかだけれど細いので、気をつけて歩く。
45分ほど歩くと福徳寺に到着した。

福徳寺
阿弥陀堂は国指定重要文化財だそう

福徳寺の入り口付近に立てられた看板に、地主さんのご厚意で福徳寺裏からユガテまで古道を復活したとあった。
地元の方々が整備してくださった道だったのか。
素晴らしいユガテに足を伸ばすことができたのも、こうした活動のおかげだ。

福徳寺入り口付近にある看板

福徳寺の目の前には美しい川と緑に溢れていた。

福徳寺の目の前の風景

川の水は澄み切っていて、たくさんの魚が泳いでいる。

色がわかりにくいけれど魚がたくさん泳いでいた
どこをみても緑が眩しい

福徳寺から東吾野駅まではのんびり一般道を歩いて10分ほど。
奥武蔵の豊かさを感じる山行だった。

岩のぼりからはじまり、緑あふれるユガテで心洗われ、想像以上に素晴らしいハイキングだった。奥武蔵には他にも訪れていない場所がまだまだある。
心の豊かさを育てにまた訪れたい。
守っている自然の美しさに感謝と敬意を込めて。


距離:9.4km
累積標高(のぼり) 671m



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