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驚異の成長 中国ラッキンコーヒーに OMOを成功させる秘訣を学ぶ

おはようございます。ドドルあおけんです。

さて、DXの木曜日。今日は中国で流行りのラッキンコーヒーがどのようにネットとリアルを融合し、新しい価値を生み出しているかをご紹介したいと思います。

参考図書は、元マッキンゼー・Googleの尾原さん共著のアフターデジタルです。IT系に携わる人には尾原さんのサロンおすすめです。


DXとは?

そもそものDXの意味を簡単にご紹介。デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation: DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念で、 2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したそうです。

Transを英語圏でXと略すことがある、ということから、DTでなく、DXなんですと。わかりにくい。

DXが中国で進む背景 1: スマホ社会

最近の記事によると、日本のスマホ普及率86~87%、一方、中国の都市部は99%だそうで、中国はとにかくみんながスマホを持っている。そしてみんながスマホで決済している。

昨年、仕事で深センに行った時、空港で拾ったタクシーに乗って、ホテルに着いたものの、現金しかないというと、オイオイ現金は困るなー、おつりないわー、的なことを言われ、ホテルも両替してくれないので、近くのお店で何か買って、お釣りではらう、みたいなことがありました。

アリペイ、とか、ウィーチャットペイで払うには、中国国内に銀行口座がないとなので、基本外国人は支払いが難しいので、そこはなんとかしてほしいものですが、とにかく都市部はスマホ持ってない人がいないわけで、財布を持っていることよりスマホとモバイルバッテリーを持っていることの方が大事なんですね。物乞いもQRコードで要求してくるらしいので、もうスマホは道具じゃなくて、人間として生きるために必要な権利です。

DXが中国で進む背景 2: デリバリーの発達

ここ何年か中国では、「ウーラマ」や「メイトゥアン」といったデリバリーサービス=ドライバーネットワークの発達が急速に進んでいるようです。

昨今のコロナ非常事態下で、外に出るとUber Eatsの人を見ない日はない感じですが、いったらUber Eatsみたいなデリバリーサービスが北京など中国の都心部では何年も前から一般化していて、みんなとにかくなんでもカジュアルにアプリで買って、デリバリーで届けてもらう、が普通のようです。

このスマホ✗デリバリーの掛け算が、飲食店のビジネスモデルが大きく変えています。専門の配達スタッフを雇わなくてよくなり、デリバリーが当たり前なのでイートインのスペースを店舗で確保しなくてよくなるのです。

そのため、本当に駅の立ち食いそば屋的なカウンターとキッチンだけあればいいため、狭い店(=コスト↓)で、とにかくオーダーを作ることに集中(回転率↑、生産性↑)するというビジネスモデルで成長するIT系の飲食店が活躍する下地ができていたのです。

ラッキンコーヒーってなんだ?

では、ここからラッキンコーヒーの話に入りましょう。

不正会計で上場廃止という残念なニュースを発見。大丈夫ですかね。イケイケで成長していたので、オラオラが過ぎたんでしょうか。おごれる者なんとかです。

いったん、そのことは忘れてこの会社の概要とDX的に素晴らしい部分にフォーカスして見ていきたいと思います。まずはWiki情報。

・設立:2017年
・店舗数:4507店(2020年1月)※中国のスタバの数より多い
・資金調達:2018年にシリーズAで220億円規模

2〜3年前にできた会社が、200億円以上集めて、4500店営業開始するって凄まじいスピードです。ちなみに店舗はこんな感じ。鹿さんマークです。

スタバを脅かす「ラッキンコーヒー」に日本人が学ぶべき教訓:日経クロストレンド

20年かけて3600店まで増やしたスタバが2年で店舗数で抜かれ中国では劣勢に立たされているといいます。鹿というよりバッタ的な増え方です。すごい。

実際の味は、そんなにうまい!ってもんでもないらしいのですが、アフターデジタルの著者の藤井さんが毎日飲んでるということなので、普通の人にとっては十分な味ということなんでしょう。

それでは、次にどんなふうな営業をしているのかを見てみましょう。

コーヒーの頼み方

ラッキンコーヒーはアプリで注文して届けてもらう、もできるのですが、店舗に取りに行くというのもできます。自分で取りに行くときは、アプリで購入した後に発行される番号付きQRコードを見せて店舗スタッフがそれをスキャンしてコーヒーを渡すだけ。とっても簡単。とってもドドル。

参考:ちなみにドドルの仕組みも基本同じです。ECで買う際に店舗を指定するとQRコードが送られてくるので、それを見せるとお店の人がスキャンしてくれて荷物を渡してくれます。ドドルですね。(Doddleという言葉はイギリスで、かんたんの意味で、アメリカでいうEasyです)

支払いは、モバイルで払う、もあるのですが、コーヒーチケットを買ってそれで払う、というのもあります。以下動画1分以内なので興味がある方はちぇけらっちょしてください。

シンプルオペレーション

とにかくデリバリーが中心となると店員さんの爽やかな笑顔とかホスピタリティはそんなに大事じゃないわけです。ひたすらオーダーが入ったものを作る、それを受け取るのはお客さんのこともあれば、配送サービスの人の場合もあります。

でも基本作るほうは同じオペレーションで、ひたすら作ってQRコードをキーに受け渡しを行うだけ。このシンプルなオペレーションも事業開発的にとても重要ですね。やり方次第では無人オペレーションにも持っていけそうな雰囲気を感じます。すると更にコストが下げれられ収益力が高まります。

マーケティングも優れたラッキン

さきほど、コーヒーチケットで買うという方法もあると書きましたが、ここに継続性を高めるちょっとおもしろい仕掛けがあって、このチケット2枚買うと1枚タダ、5枚買うと5枚タダなんですって。5枚券買い続けると常に半額で飲めるってことですよね。前払いの仕組みよってキャッシュフローをよくしたり、継続率を高められます。

さらに購入すると取得できるQRコード(購入した証拠)は人に送ることができるので、コーヒーをおごったり、代理で誰かにコーヒーを取りに行ってもらったりがドドルに(Easyに)できるため、ターゲットユーザであるオフィスワーカーに対して職場単位での利用が活性化する仕掛けを搭載しているのです。なかなかの商魂です。

気づき・学び

・先行者として市場を作っていたスターバックスの居心地の良さを売るの真逆を行くスタイルで市場を取りに行くこの振り切れた感じはとても大事

・スマホ✗デリバリーサービスの発達という大きなうねりをきちんと捉えて、その環境変化を最大限に活かす戦い方を見つけているところはとても勉強になる。特に店舗を小さくして回転を上げることで、固定費を抑え、収益力を上げるモデル構築は秀逸。

・コーヒーを飲む人だけでなく、それを奢るとか取りに行かせるとかそういった人のコミュニケーションも想定してサービス設計しているところ、続けてしまいたくなるチケットの価格設定など、マーケティング的にもなかなかいけている

・OMO(Online merges with Offline)で成功モデルをつくるには、単にECと店舗どちらでも買える、受け取れる、というだけでなく、それに加えて、✗デリバリー、✗ローコスト運用、✗クーポン、などいくつかの要素を掛け算することで他にない価値を作りださないと競合との差別化をはかるのは難しい


ということで、今日は中国のラッキンコーヒーをご紹介しましたが、QRで荷物を受取れるというドドルとも類似点があり、こういった事例で学びながら日本のパートナーの皆さんとDX加速させるというところでドドルも色々仕掛けていけたらなと思いました。

日報

備忘録的に昨日やったこと。その前の日飲みすぎて半日ぐらい使いものにならず。

・Justinから日本のECのUX調べて、と依頼があったので少し調べもの
・全社開放されている会社の共有フォルダ内を色々探索、UK、USでの提案資料など参考になるものをいくつかピックアップ、後日読み込もう
・夕方、パートナーとプロジェクト進捗会議(5PM)


明日はグローバル・未来の金曜日。いまのところノーアイデアです。

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは、今日もよい一日を。

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