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【#hitucb 講義ノート】アフォーダンス

 アフォーダンスということばを聞いたことありますか? アメリカの心理学者のギブソンさんが考えたことばだそうです。ある環境が動物に与える意味のことだそうです。例えば、ドアにドアノブが付いていれば、誰かに説明されずともドアノブを回してからドアを押すか引くかします。平たい板が付いていたら押してみようとします。このようにデザインが特定の行動を導き出すのは、まさにアフォーダンスの一例です。皆さんはスマホを操作するのにいちいち説明書を読みませんよね。これはスマホのユーザーインタフェースが適切なアフォーダンスを実現する優れたデザインだからです。詳しくは、ノーマンさんの『誰のためのデザイン?』を読んでみて下さい。

 ところで、アフォーダンスということばはどうやって覚えたら良いでしょうか。ひとつの方法は、ダジャレです。ほら、アフォーダンス、アホーダンスに見えませんか。似たようなことを考える人はたくさんいるようで、約24,200件、Googleでヒットしました。アホがダンスしている光景を思い浮かべたら、このことばが想起されるに違いありません。

 しかしよく考えるみると、アホーダンスにはいくつかのパターンがありそうです。大学生なんだから、言われたことを受け止めるだけでなく、それについてより深く思考を巡らせる必要があります。

 まずアホという主体とダンスという行為に分解してみましょう。すると、1)アホがアホなダンスをする、2)アホが非アホなダンスをする、3)非アホがアホなダンスをする、4)非アホが非アホなダンスをするの4パターンに整理できます。それぞれを検討しましょう。

1)アホがアホなダンスをする。いやーこれは徹底したアホ加減です。どこに出しても恥ずかしくないアホーダンスです。

2)アホが非アホなダンスをする。たとえダンスがアホでなくても踊る主体がアホなので、これもアホーダンスでしょう。

3)非アホがアホなダンスをする。非アホが踊るにしても、その踊りがアホであれば、しょうがない、これもアホーダンスと解釈せざるを得ませんね。

4)非アホが非アホなダンスをする。うむ、これはアホーダンスではありえません。

 以上の整理は、アホという主体とダンスという行為に関する2×2のマトリックスに基づくものです。二分法の二分法は、複雑なことを整理するときに便利だということを改めて学びましたね。また皆さんはひとつ賢くなりました。おめでとう。

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