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夢を描き、信じ、伝えられる~受身・自発・可能・尊敬~

高校時代、ガチガチ理系人間の私は、古文の助動詞の多義性にとても違和感を感じていた。

つ・ぬ・たり・り=【過去】と【完了】の意味が近いことはわかる。現代語の「た」が「たり」「り」の末裔で、厳密には現代語の「た」は完了を表してるのだろう。でも【完了】と【存続】が一緒の助動詞の意味ってどういうこと?真逆のように感じるんだけど…当時の私にはとても気持ちが悪かった。
る・らる=現代語の「れる」「られる」とほぼ一致しているのでさほど違和感はないのだが【受身】【自発】【可能】【尊敬】それぞれ全然意味に共通点がない。なぜこの4つの意味を表す助動詞なのかが全く分からない。
私が外国語として日本語を学ぶ非日本人だったら、確実にこの助動詞嫌いになっていただろう。
もっとも、フランス語の数字表現で91=4×20+11(quatre-vingt-onze)みたいな理不尽表現は好きなので、案外お気に入り助動詞になるのかもしれないが…

…というのが前置きで(長い!)、ここからが本題

時は流れて二十数年、私は「ドリームマップ®ファシリテーター養成講座」というセミナーに参加していた。(急に話が変わるなあ…)
ドリームマップ®=夢の地図。自分の夢・ありたい姿・自分のワクワクできる未来像…そうしたものを写真や雑誌の切り抜きなどをつかってビジュアル化する取り組み。詳しくはこちらを参照を⇓
https://dream-map.co.jp/
※ドリームマップ®は一般社団法人ゆめのチカラの登録商標です。

そのセミナーの中で、こんな一コマがあった。
【ドリームマップ®で育む力】
①夢を描く力=夢を描くことで自分の現在地が分かる。
②夢を信じる力=夢が信じられると意識が変わる。
夢に向かうためのアンテナが立ち、情報が集まる
③夢を伝える力=夢を人に伝えることで、応援してくれる仲間が生まれ、情報が集まり、自分の想いが確認され、覚悟が固まる。
…この3つの力が備わることで夢の実現に向けた、主体的な行動が生まれる。

この話を聞いて、私は半年前に受けていた「KAIGO MY PROJECT」というプログラムのことを思い出していた(よくもまあ、あっちゃこっちゃのセミナーを受けること…)
「KAIGO MY PROJECT」についてはこちらを参照⇓
https://heisei-kaigo-leaders.com/projects/kmp/


@KAIGO MY PROJECT

 このKAIGO MY PROJECTとは、参加者がそれぞれ実現させたい「my project=“描いた夢”」を持ち寄り、夢が信じられるよう具現化し、人に夢を伝える練習を、3か月かけて行うものだ。
「中高生と認知症高齢者をつなぐサロンをつくりたい」そんなproject=夢を描き、私はこのプログラムに参加した。
 そして半年後、夢として掲げたサロンの実現まではまだ道のりは遠いものの、私の夢を応援し、一緒に進めていこうと言ってくれる仲間を見つけ、夢の実現に向けて少しずつではあるものの歩き続けていけている。
 夢を夢のままで【完了】させることなく、実現に向けて【存続】できているのはなぜだろう…振り返ってみると、私の夢の価値を認め、肯定をしてくれた人たちの存在が頭に浮かぶ。

“KAIGO MY PROJECT”の中では、各参加者の伝える夢に耳を傾け、その価値を肯定し、実現に向けてどう行動したら良いのか、自分ごととして考えてくれる存在があった。それは運営メンバー、メンターと呼ばれるOBOGを中心とした支援者、そして~これがとても良い関係性だと思うが~参加者同士お互いが、その役割を担っていたのだった。

私が実現したいと思う、若者と高齢者との関係づくりを認めてくれる人“そんな関係ができたら素敵だよね”、“私の住む町でもそんな場所が欲しい”…そんな風に言ってくれる人達の存在が、私の背中を押してくれている。セミナー期間を終え、半年経った今でも。

夢を描き、信じ、伝え、そして実現していくために


 現在45歳である私くらいの世代になると、そもそも夢を描くということ自体、少し高いハードルがあるように感じる。いや、若い人にとってもハードルは同じかもしれない(ここで「~かもしれない」と言ってしまうことに老いを感じてしまう自分を発見…)
夢を描ける、信じれらる、伝えられるため、支えとなってくれる他者の存在。それは絶対必要かどうかはわからないが、ハードルを越えるための大きな力となるように思える。

実現したい“夢”に対して、“それって素敵だね” “かっこいいね” “実現したら更にこんな良いこともあるよね”…そう肯定し“夢”の価値を認めてくれる人。
そんな存在が近くにいることで、“夢を描いて良いんだ”そう思える。夢が描ける。その安心感から夢を伝えられる。肯定されることで夢を信じられる


…お、この「れる(eる)」「られる」は【自発】であり、かつ【可能】だ。
自発的に夢を描くことが可能になるんだから。


そんな人から夢を伝えられる【受身】人。人の夢を【尊敬】できる人。
今、対人支援職に必要とされるモノってそういうことなんじゃないかな…ドリームマップ・ファシリテーターのセミナーを受けながら私はそんなことを考えていた。

ソウイウヒトニワタシハナリタイ(宮沢賢治のパクりで)

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