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【随想】 ウルトラマンの帰還

 なぜ、ウルトラマンは地球に留まったのか?

 長年の疑問である。
 地球で怪獣(或いは宇宙人)と闘うコトは、彼(ウルトラマン)にとってどんな利益があったのだろうか?
 地球に留まる理由について、ウルトラマンはゾフィーに「地球人が好きになったから」みたいコトを示唆していたけど、それは本音だろうか? なんか取ってつけたような感じがしないでもない。

 老生思う。ウルトラマンは「地球に留まった」というよりも「光の国に帰れなかった」のではないかと。
 なんせ、ウルトマランが地球に来た理由は、護送中に逃げられた宇宙怪獣・ベムラーを追跡していたからダ。「ヤバい! 始末書モンだ」とウルトラマンは思ったに違いない。
 子供の頃、「他人ひとを見掛けで判断しちゃ不可いけない」と親によく注意されたが、それでも、あまり敏捷はしっこそうには見えないベムラーに、どうやって逃げられたのだろうか? 記念すべき『ウルトラマン』第1話を観て以来の大疑問なのじゃ。
 その挙げ句、追跡中に科特隊のビートルと衝突して、ハヤタ隊員を死なせてしまう。「ヤバい! 始末書モンだ」とウルトラマンは思ったに違いない。
 ベムラーは本当に“悪魔のような怪獣”だったのだろうか? これも事故を起こしたウルトラマンの自己弁護のように聞こえてならない。
 そんな風にして失敗に失敗を重ねるってコトは、ウルトラマンって、かなりの、

 ドジっ子!?

 そう思うと、最終回、ゾフィーと一緒に光の国に帰ってゆくウルトラマンの姿は、何となくゾフィーに付き添われて出頭しているようも見えなくもない。もしかしたら、光の国には、『こち亀』の大原部長のような怖い上司が待っているのかも知れない。

「ウルトラマン、もう観念するんダ。神妙にすれば、お上にも御慈悲はあるゾ」(byゾフィー)

 それにしても、ベムラー逃走からビートル衝突事故に至る一連の不祥事を、ウルトラマンはどう弁明したのだろうか? 光の国帰還後のウルトラマンの身の処し方も気になるトコロ。きっと始末書の山と格闘していただろう。
 だから、地元(光の国)で“始末書のマンさん”と呼ばれているウルトラマンを、つい想像してしまうのだった。

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