NH110便 アンカレッジ上空にて
2022年9月12日火曜日
日本時間17時40分頃(現地アンカレッジ時間24時40分)
ANA羽田発JFK(ニューヨーク)行きの機内から私はオーロラを見たのです。
この便に乗るまでのいきさつ
こんな円安の時期に、くわえて止まらないインフレで物価高のニューヨーク。
「なんで今の時期に!?」と思われるでしょう。
特典航空券(ANAマイレージ)で発券できる1番早い便が9月中旬だったのです、仕事を辞める決心をした5月時点では。
社会情勢や経済情況が気になるところですが、限られた有給休暇。
有休終わったら新たな仕事を見つけて働かないと……なんて考えていたら
ここしかない!
こうしてこの旅は有給休暇をつかった自分へのご褒美旅行となりました。
飛行機の神様
33A。
オーロラ特等席だったこの席は機体左列3席の1番窓側の席です。
飛行機に乗る時はいつも癖のように左列窓側をとる私。
それは私の住む岡山から羽田に向かう朝(昼)の便で左列窓側の席から
富士山がとても綺麗に見えるのです。
そして非日常的なその美しい景色をいつも全力で楽しんでいます。
左列窓際の席を今回もとったのは「癖」だったのかもしれません。
でもいつも飛行機からの景色ではしゃぐ私に、きっと飛行機の神様が
「左で間違ってないよ」と背中を押してくれたのでしょう。
何かに起こされた?
羽田を離陸して3~4時間後、消灯時間がやってきます。
機内は完全に窓のシェードを下ろし、必要最低限のふんわりした灯りのみ。
強制的睡眠がはじまります。でもエコノミークラス、熟睡はやはり難しいです。
脳は眠ってくれません。目を閉じることにします。そこから体感的に3時間後……
窓からバチバチとまるで雨が激しくうちつけるような音が。
機内空調も離陸時に比べるとごうごう音をたてフル稼働しています。
そしてなんだかとても冷える。
寝ていたのかどうかも分からぬまま私は起きました。
飛行機の神様が起こした、とも考えられます。
「今どこを飛んでいるのかな?」スカイマップを確認。
アラスカ州アンカレッジ上空です。
どおりで寒いわけです。寒さは頑丈な機体さえも超えて伝わってきます。
雪をかぶった固そうでかっこいい山脈が下に見えます。
そして空には白いもやもやとした雲のようなものが。眼鏡をかけて確認です!
結局もやもやしたものは何か分かりませんでした。
でもなぜか窓の外の景色から目が離せなくなりました。
そして、緑色の何かが……
見えているのはカーテンの裾のような部分、ひらひらしています。
写真で見たことがあるオーロラそのものです。
ちょっと目を離すと全く形が変わっていきます。
写真に残そうと必死でしたが、刻一刻と変わる姿。
自分の脳に、心におさめようとiPhoneを置きました。
体験したおそらく10分ほどの宇宙。
フィナーレは窓から見きれないほど上から落ちてくる緑のカーテン。
残ったのは自分の熱気で曇った水気の多い窓。
暗い機内を見渡すとほとんどの乗客が就寝中。
はちきれそうなほどの興奮を小さなエコノミークラスの席におさめ
強制的睡眠に戻ります。
the northern lights
英語でオーロラは「northern lights」というそうです。
帰国後、オンライン英会話で仲の良い先生達に
オーロラや旅の話を聞いてもらいました。
周りの反応を見ても、飛行機からオーロラを見たというのはなかなかの強運かと。
the northern lightsを思い出せば少し強い自分になれる。
こうして現在無職の私は謎に強く生きております。