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20240504 祭の性格と就業先 「神戸だんじりの歴史と神戸製鋼所」のつづき

 昨日,「神戸だんじりの歴史と神戸製鋼所」というタイトルで,灘区を題材に祭と地域の企業の関連について調べると面白そうだと書きました。

https://note.com/matsurishinri/n/n0c4049b76a68

 地域とその地域にある企業の関連の仕方が祭に表れるだろうし,それが祭参加者や祭の性質などにも関連しそうだなあと。
 どんたくや山笠のある博多の場合,商人の町と呼ばれることが多く,博多部で商売をしている人が祭の担い手として動くことが多く,それが企業と祭の関係を強くしていると思います。
 では,昨日「神戸製鋼所とだんじりにはほぼ関係がなさそう」ということを書いたので「その理由」を探ってみようと思いました。
 そこでみつけたのが,平成27年の国際調査の「従業地・通学地による人口・就業状態集計結果」を神戸市がまとめた資料でした。
 
【書誌情報】
神戸市 2023(?) 2015年(平成27年)従業地・通学地による人口・就業状態等集計.

 いちばん大阪に近いので当たり前ですが,「大阪で働いている率」が東灘区で21.5,灘区で14.6と多いなあと。また,住んでいる区で働く「自区」の割合も,東灘区で38.8,灘区で36.5でこれも少なめだと思います。そのため,東灘区も灘区も,他の神戸市の区と比べて「大阪などで働く人が多く自分の住む区で働く人が少ない」といえそうです。
 
 次のグラフは,各区に住んでいる人の従事している仕事の業種です。

 川崎重工がある兵庫区では製造業が25.2であるのに対し,神戸製鋼所がある灘区では9.4なのであることを考えると,川崎重工の従業員は兵庫区に住むことが結構あるが,神戸製鋼所の従業員は灘区に住むことは無く,他のデータからみると須磨垂水明石あたりに住むことが多いのかなあと思われました。
 
 ということで「神戸製鋼所のある灘区には従業員はあまり住んでいないのでは?」「そのためだんじりなどの祭に協賛などしないのでは?」と考察してみたのですが…冷静に考えると,自営業とかじゃない限り「会社のすぐ近くに人はあまり住みたがらない」のですよね。大学教員とかだと,近くに住めば近くに下宿している学生の目が気になるのでそこそこ距離をとったところに住む人が大半だと思いますが,それは別に大学教員だけじゃなく社会人全般だろうなあと。
 
 まあでもこういうことをデータでおぼろげに確認できたので,実際に神戸のだんじりに参加されている方々,特に長年中心メンバーとして活躍されている方の就業形態などを知ってみたいなあと思いました。

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