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20230919 灘のけんか祭とカニの関係

 学会大会参加を終えて,「やはり論文を読まねば!」と反省して祭関係の論文探しを復活させました。そして調べてみて目に入ったのが以下の論文。
 
原田和弘 (2013). 播磨灘で漁獲された雌ガザミの品質特性. 兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告(水産編), 43, 1 – 6.

 祭とカニに何の関係が??? 播磨灘で神戸に近いのであまり祭には関係なさそうですが目を通してみますかね~と思って目を通してみました。論文要約を以下に引用します。

播磨灘で漁獲された雌ガザミの身入り(体重に占める可食部重量の割合),肝膵臓(いわゆるかにみそ),卵巣(いわゆる内子)等の季節変化を指標として,ガザミの品質を評価した。播磨灘では産卵期である6~8 月頃には肝膵臓重量指数や卵巣重量指数が低い傾向にあった。また,脱皮後の10~11月は肥満度が低く,水分含量が高いことから身入りが良好でない個体が多いと判断された。一方,播磨灘におけるガザミの漁獲量は10~11月にそのピークを迎え,当地域では秋祭り時期である10月前後にガザミの流通量及び需要が多いことから,その時期は品質に見合った適切な価格設定が必要と考えられた。今回の結果から,播磨灘における雌ガザミの旬は,漁獲量および品質が比較的高い水準にある12月頃と判断された。

 農林水産技術総合センターの紀要に載った論文ですから当然水産学的な内容で全然心理学とは関係ありませんが,祭とは明確な関連があるのが記載されていました。身の入り方やかにみそや卵巣の数値を元にした客観的な旬は12月ごろであるが,秋祭りで需要が高い10月前後に漁獲がピークを迎えるので「味ではなく文化的な要因で漁獲量が決定する」例として面白いなと思いました。
 
 そして,実際に灘のけんか祭とガザミに関連があるのかな?と思って検索してみると,以下の神戸新聞の記事を発見しました。
 

 上の記事で紹介されていた3つの神社の祭ご飯の例を引用します。

〇松原八幡神社(同市白浜町)の秋季例大祭の料理例:コノシロずし、ワタリガニ、シャコ、マツタケ、大鍋の姫路おでん
 
〇魚吹(うすき)八幡神社(姫路市網干区):コノシロより『ツナシずし』。大ぶりのエビや五目いなり、巻きずし、コイモやレンコンの煮しめ、おでんなど
 
〇伊和神社(宍粟市一宮町):尾頭付きのサバずし,コノシロずし、栗おこわ
 
 ぜひともこのリンク先の写真を見てほしいのですがきれいにピンク色にゆであがったガザミのおいしそうなこと…そりゃこんな感じで「行事食」として定着しているとこの時期の漁獲量は増えるよなあと。
 
 まあでも正直一番おいしそうに見えたのは「コノシロ寿司」ですね~なんとか今年は灘のけんか祭を見に行ってこのコノシロ寿司を食べるぞ~~~!!!

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