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【体験レポート】江戸時代から続く伝統の祭りを地域と共に創る -マツリズムin小浜の紋付き祭り@福島県二本松市-

小浜の紋付祭りにマツリズム参戦

福島県二本松市「小浜の紋付祭り」に参加しました!今回、マツリズムは東京・大阪から5名のメンバーを集め、小浜の紋付祭りを活性化するため活動してきました。地域の人の温かみに触れ、小浜はまた会いたい人がいる、帰りたい場所になりました。

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塩松神社の鳥居と若連の皆さん

小浜の紋付祭りは、小浜の神社である塩松神社の例大祭です。その歴史は江戸時代にまで遡り、塩松神社が藩の支配下にあった時、天明の飢饉の村内の復興のための御紋章三箇所の使用と神輿渡御(みこしとぎょ)から始まりました。寛政元(1789)年から始まり、「若連(わかれん)」と呼ばれる地域の担い手たちに受け継がれています。この祭の正式名称は「塩松神社例大祭」ですが、本祭りに若連全員が紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)の正装をするところから「紋付祭り」と呼ばれています。若連は39歳以下の男性で構成され、今回は新町(にいまち)若連の取締を務める橋本さんと五十嵐さんにお世話になりました。


マツリズムメンバー5名が集合

5年越しの祭りで思いを遂げる、完全復活!

お祭参加企画は2日間にわたって下記のスケジュールで開催されました。10月7日と8日の両日とも素晴らしい天気に恵まれました。紋付祭りは台風で中止となった2019年、制限下の中での開催となった2020年〜2022年を挟み、5年ぶりの完全復活です!

1日目の午後にメンバーは小浜に集合し、宵祭りと呼ばれる夜の太鼓台運行に参加しました。小浜を構成する藤町、反町、新町、鳥居町の4町会がそれぞれの太鼓台を率いて、街を練り歩きます。提灯で飾られた太鼓台が練り歩く姿は、紋付き祭りの目玉の一つです!

メンバーの1人も
「町の提灯屋さんが作った約250個の提灯の提灯台を太鼓台に取り付け、一つずつ蝋燭に火を灯す。「せっかくなんで一緒にやりましょう」と、太鼓台の屋根に登らせてもらい、一つずつゆっくり火を点けさせてもらった。ゆらめく提灯の灯りは温かく、お囃子の賑やかさの中にあってもとても幻想的だった」
との感想を寄せてくれました。

宵祭りの提灯と太鼓台運行

2日目の午前中は、紋付き祭りの本祭り。若連の皆さんは紋付き袴に身を包み、御神輿と共にゆっくりと街を練り歩きます。午後の太鼓台運行で、子どもたちが奏でるお囃子はとてもパワフル!子どもたちの笑顔から、お祭りが楽しい!という強い気持ちが伝わってきます。その笑顔に、マツリズムメンバーも魅了されました。

「江戸時代から230年続く伝統を守りながら、よそ者を受け入れる温かさ、超昭和的な飲み会のはちゃめちゃぶりと祭り本番の凛とした姿のギャップに感動、そして子どもたちの笑顔いっぱいのお祭りで、最高の時間を過ごせました」


子どもたちの笑顔が弾けるお囃子


本祭りの午前中に塩松神社での神事に参加する各町若連の皆さま

日が暮れると、再び火を灯した提灯が4つの太鼓台を彩ります。
若連、小浜地域の皆さん、マツリズムのように外から来た人、様々な人の思いが一体となって、太鼓の音が響き渡ります。祭の終盤では太鼓台が四つ角と呼ばれる場所に一堂に会し、若連が口上を述べます。マツリズム参加者も新町若連の太鼓台に向かって「わっしょいわっしょい」と声をかけ、祭の最後を盛り上げました!

祭のフィナーレに4つの太鼓台が揃い、若連が口上を述べる

小浜の紋付祭りのこれから

今も人々を感動させ、素晴らしい魅力を残す小浜の紋付祭。しかし、フィナーレの口上でも声高に叫ばれていた通り、祭の継承は年々難しくなっています。
若連会員は人手不足が加速しており、新町では約8年前に15名ほどいたものが、今年度は8名に減少。このままでは今後もメンバーが減っていってしまうことが予想されます。そんな組織の中での大きな変化としては、「協力会員」という名前で、これまで運営の方には携わっていなかった若者や女性もメンバーに入ったことです。今年も20代女性の2名が積極的に運営に参加し、次世代への希望が生まれています。

今回のマツリズムは、小浜の皆さんの思いやりをたくさん感じる体験となりました。橋本さん、五十嵐さんをはじめ、若連の方々はとても丁寧にお祭りのことを教えてくれ、特別扱いせずメンバーの一員として同じ目線で場に混ぜてくれました。それだけでなく、太鼓台の上に乗せてくれたりとお祭りを楽しむ気遣いも沢山いただきました。

太鼓台の運行中も小浜の皆さんは「どこから来たの?」と話しかけてお祭りや町の歴史を教えてくれたり、「いっぱい歩いてお腹空いたでしょう」と、赤飯のおにぎりを渡してくれたりと、暖かく迎えてくださいました。
若連の橋本さんからも

「マツリズムの皆さんがずーっと笑顔だったのが…びっくりしました。あれだけ歩けば大抵の人間は疲れが顔に出るものだと思ってたんですが…笑。また是非お会いしたいのでよろしくお伝え下さい」

というお言葉をいただきました。

皆さんからもらった思いやりや温かい気持ちに恩返しができるよう、ぜひまた帰ってきたいという気持ちがマツリズムメンバーの中に芽生えています。今回のように祭りの力でつながった人と地域の絆が今後も続いていくよう、マツリズムの取り組みは続きます。

マツリズムメンバーと若連の皆さんとの記念の一枚


        

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