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「聴覚障害とひきこもり」

2020年12月12日(土)に「聴覚障害者の精神保健福祉を考える研修会2020」で聴覚障害とひきこもりについて講演。

斎藤先生の講演内容はどちらかといえば学術的な知見を網羅した総論的な内容でしたので、こちらは当日斎藤先生の話を聴きながら参加者がひきこもりの問題についてより深く理解していただくためにどうしたらいいか考えながら講演してみました。

先日、参加者の方々から感想を頂きましたが、幸いにもその通りにひきこもりの問題を深く考えていただくきっかけになれたようです。講演の内容を検討するためにお忙しい中快くご協力いただいた方々に感謝しています。

講演当日のプレゼンテーション資料が、主催者のサイトで公開されていましたので、ここにも情報提供しておきます。

http://www.jyoubun-center.or.jp/2020/12/6763/

今回の講演内容は、学校教育におけるろう・難聴・ろう重複障害の子どもたちのメンタルヘルスの問題とその支援を考えていくうえで重要な内容であり、教員養成や教員研修の場でも活かしていきたいと思います。

今後とも聴覚障害領域における「ひきこもり・ニート」に関する研究と支援の実践が共有され、支援ネットワークが広がっていくことを願っています。

以下、参加者の方々の感想(一部)です。

・ ものすごくわかりやすい講演だった。斎藤先生の話が難しくてなかなか理解出来なかった部分を関連づけて話してくれたことで斎藤先生の話もよくわかった。

・ 引きこもりのなかでも聴覚障害者が抱えている特異性について勉強になりました。

・ 親子が共通の言語を持つことの重要性を感じた。親への手話教育に力を注ぐことも、ひきこもりを防ぐ対策になると思った。

・ 斉藤先生の次に講話されたのが良かったと思います。マジョリティ社会との比較、マイノリティの意味と事例が紹介されたことでさらに理解を深めることができました。

・ 齋藤先生の後の内容から引き続き、聴覚障害児、者についての内容で対話の大事さが伝わってきた講演でした。重要な人との出会いが成長させるということが印象深く残っています。ありがとうございました。

・ 聴覚障害のひきこもりについて初めて聴講しましたが、松﨑さんの講演内容は、自身とも照らし合わせやすく、問題点などが見えてきました。

・ 教育機関で教鞭をとられている先生のお話を聞くことができ、大変有意義だった。聴覚障害を持つ学生の進路やコミュニケーションに係る課題がある中で、アイデンティティーを認識することや、ろうの学生には自己と家族、そして社会との葛藤が聴者 よりずっと大きくあるということを考えさせられた。ありがとうございました。

・ 私の周りにもろう者の世界にも聴者の世界にも、はたまた難聴者の世界にも入れず、引きこもっている人がいます。講師の事例を通しての説明に納得できる面が多くあり、いつか私の地域でも講演していただきたいと感じました。

・ひきこもりについて、聴者の状況とろう者難聴者の状況は、同じ「ひきこもり」という言葉を使っても違うのだと、よりじっくり考えることができました。事前に頂 いた資料を改めて読み返そうと思いました。

・ 講演有難うございました。斎藤先生のお話とリンクさせながらの展開、分かりやすく、飲み込み易かったです。私が今までもやもやと感じていたことが言語化された印象で、拝聴していてとても嬉しかったです。『自己対話』『ディスコース』『ポジション』確かにこれらの点が自分の中でうまく処理出来れば、生き易くなると思いました。私は聴覚障害児の生き方に関わる何かをしたいと思っています。先生のお話を元に考えてみます。今回は有難うございました。

・ 斎藤先生のお話をもとに、ろう難聴者の問題と絡めた非常に分かりやすいお話でした。事例をハーマンス理論に当てはめたお話は、当事者として胸が締め付けられるような気持ちになったり非常に共感しながら聞いて(見て)いました。松﨑先生がどのように関わり、当事者がどのように変わっていったか経過も分かりやすかったです。聞こえる親と聞こえない子どもは意思疎通できる言葉が確保されにくい状況にあること、非常に痛感しています。なかなか表には上がってきませんが 、ろう難聴者の引きこもっている方は少なくないと思っています。どのように支援に結びつけるか、これからも考え続けていきたいと思います。ありがとうございました。

・ 多くの事例から支援の経験の深さを感じました。支援者として当事者への見方を考えるよいきっかけになりました。是非、地元でもお話をしていただけると嬉しいです。