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「コミュニティ」とは何か。

コミュニティとは、共通の目的や関心を持った人間の集まりのことを言います。

「コミュニティ」を求める背景の1つに、今の自分自身の生活に「安定」や「安全」が不十分で、特にストレス状態にある時は誰かの支持を得たくなったり、誰かとのつながりを持ちたくなったりするからでしょう。

ただ、それだけでコミュニティに入ってしまうと、「自己肯定感」の充足のみが目的化してしまう危険性もあると思います。

ここで、心理学アドラーが主張している共同体感覚(ドイツ語でGemeinshaftsgefühlという)を参考に考えてみます。

これからコミュニティに入る者がこの共同体感覚を得るためには、先にその共同体にいる者は以下の4つの感覚が得られるような係わりをする必要があると考えられています。

①自己肯定感:自己の評価を高める。
②他者信頼感:他者への基本的信頼感を育てる。
③自己所属感:自分がその集団に属している感覚を持つ。
④自己貢献感:自分が貢献している感覚を持つ。

コミュニティを作ったり先にいる者が、これから入ってくる者に、①だけでなく②~④の3つの感覚も育つような係わりをしなければ、信頼感を壊されたり自分は貢献できる存在ではないのだとコミュニティから遠ざかってしまう危険があるわけです。

コミュニティに「近づける者」であるはずなのに「遠ざける者」になってしまっている。例えば、障害者組織や支援者組織などは、ある意味、ある社会的目的を共に遂行する(その目的が成就されれば消滅される)という点でアソシエーション(Association)と言えますが、一方で能力・成果・効率を重視する態度が先行してしまい、共同体感覚の崩壊につながりかねないでしょう。

その意味で、コミュニティの中心にいる、あるいは大きな影響を持つ者は、メンバー全員が少なくとも上記4つの感覚を得られるような状況を作ることができているのかを自覚して動く必要があるでしょうね。

それがコミュニティのありかたを問う視点になると思います。