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庭の花と野の蕾

例えば僕が生きる意味を見出せるとしたら、
白とピンクの色彩をまとった綺麗な君のためだろう。

その花は、
秋に種をまき、
冬に蕾を咲かせ、
春に大輪の花を咲かせるのだ。

あまりにも素敵な色彩に、
思わず目を背けそうになってしまったけれど、
その美しすぎる姿にいつの間にか魅了されていた。

少しばかりか不安そうではあるものの、
芯のある茎を従え、はつらつとした姿を見せている君は、
僕の目先を明るく照らしてくれている。

しかし僕は、君とは真逆の、深緑色をした只の蕾。

どう考えても君の足元にも及ばないけれど、
いつか僕にも足が生えたとしたら、
原っぱでも、野でも、山でもなく、
君がいる庭に花を咲かせることだろう。

それが僕の生きる意味。

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