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[読書] Joel on software 34

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43章. microsoft羽目を外す 349/489=89.7%

.NETのホワイトペーパーを見て、皮肉を語った章だった.
抽象化された用語だけで語られた文章というのは非常にふわっとしててなにを言っているのか何を伝えたいのかわからないというのはよく分かる. 
たぶん抽象と具象はセットで地続きで語らなければならないという教訓なんだろう. 抽象用語が独り歩きして、その具象を知らない人通しで抽象用語を用いて会話するとふわっとした話になってくる.
例えば、うどんとそばの話を抽象化して麺類に、麺類を抽象化して食べ物に、食べ物を抽象化して栄養素に、栄養素を抽象化して分子化合物にみたいな感じで壮大になっていく. 途中から会話に参加した人にとって、分子化合物の話をこの人達はなぜ行っているんだろう? ってなる. 実際に手元にはうどんとそばしかないのに。途中で具象は捨てられ、地に足がついてない抽象論のみが語られて、伝えるべきことが何一つ伝わらないみたいな状態. 

よく教科書なんかでこの具象=>抽象のつながりが捨てられ、いきなり抽象のみ出現するっていうパターンをみる. 膨大な具象の上に抽象は形作られるのに、その途中過程と連続性が全く見えないから何も伝わらないし、理解できないのだと思う.
人によって、この具象=>抽象にいたるに必要な具象の数のしきい値というのは違う気がする. 堅実に物事を抽象化したいならば、具象を大量にインプットするというのが正攻法なんだろう. AlphaGOがまずプロが打った棋譜っぽい盤面を大量に生成して具象を用意したのも似てる気がする. 

物事を正しく抽象化して理解するには、まずは大量の具象のインプットからというのを忘れないようにしたいなと思った。


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