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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト)

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――そして、幕間。

「全く、今回ばかりは肝が冷えたぜ。マジで街中血の海にするつもりかよ?」 「展開次第ではそ…

matthew
1年前
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Howl

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Archemist in the City of Machina Chapter-3 "Under the Rabies Night" Image song

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):26

 そして、数日後。  朱纏の事務所の応接間に通された楼亜は、向かい合って座る朱纏から深々…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):25

 数分後、錬金術師が大路を支えながら『クレッセント』の正面玄関から出てくると、ちょうど充…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):24

 宙を舞った犬頭がガシャリと床に落ち、砕け散る。『クレッセント』店内、暴走状態と化したマ…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):23

「……適材適所だな。下手にキミが行ってたら、返り討ちより酷い目に遭ってたか」  充琉がま…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):22

 日が、暮れかかっている。屋上から見下ろす『クレッセント』の店舗周辺にはまだ人影はない。そろそろ開店の準備のために楼亜がやって来る頃だろう――『やる』のはその前だ。  既に店内のマキナには全て仕掛けを済ませておいた。あの楼亜が他人を疑うことを知らないお人好しだったからこそ、造作もなくその下準備を完了させることが出来た。彼の性格を利用する形になってしまったのはさすがに申し訳ないと感じざるを得ない。  いや。思い返せばそれも今さらだろうか。これまでの犯行もこれからの出来事も全て、

錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):21

「いずれにしても、楼亜にこれ以上の迷惑をかける前にあの女はそのうち殺すつもりだったんだろ…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):20

 仕事場に戻った錬金術師は背中に担いだ『フラスコ』を急いで下ろすと、そちらに繋いだ配線を…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):19

「手口からして、一連の『狼男事件』と同じでしょう。容疑者の候補からは外していましたが、ま…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):18

 与太が立てた推理はこうだった。 「その『犬笛』ってヤツの有効範囲がどのぐらいなのかは知…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):17

 錬金術師の見立ては当たっていた。朱纏から教えられた技師の仕事場のコンピュータには『狂犬…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):16

 一方、『エマ』の控室――事件の詳細よりも弓魅にとって重要だったのは、あくまでも錬金術師…

matthew
1年前
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錬金術師と狂犬症候群(レイビース・ナイト):15

 朱纏の対応は早かった。錬金術師からの連絡を受けると、すぐさま件の技師に接触を図るよう部下に伝え、そしてその音沙汰がないことをすぐに特定した。錬金術師の悪い予感が当たってしまったということだ。  1時間も経たないうちに、錬金術師は緋芽と共に事務所に呼ばれてその報告を受けた。予感が的中したことにため息をつく錬金術師の隣で、緋芽は気まずそうに誰もいない空間に視線を送っている。理由は当然、充琉の存在からだった。 「……緋芽。何でそういう大事なことを真っ先に僕に報告しないんだよ」