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日向坂46の全国ツアー、「Happy Smile Tour 2022」が11月13日、東京都の代々木第一体育館で千穐楽を迎えた。ライブの詳細な感想は以前綴ったので、今回は今年の全国ツアーを通しての感想を綴ろうと思う。



変化

昨年のツアーでは、様々な理由でセットリスト等が少し変わっていたが、それはメンバーからスタッフに提案するという形のものだった。(希望と絶望より)具体的には朗読コーナーの短縮、終盤の曲順変更などであったが、今年も微妙に演出等が変更されている部分があった。Overture後のダンストラックだ。フードをとるタイミング曲前から曲中に変わっていた。その理由は定かではないが、パフォーマンスの魅力をよりよく伝えるためであることは間違いない。ツアーを通して表現をよりよいものにしようとしてくれていることが、はっきりとした形で伝わるのは嬉しい。


これ以外にも気づいていない部分、忘れている部分で些細な変化があったかもしれない。この答え合わせは恐らくできないだろうが、同じライブの中でも公演ごとに修正を重ねているという事実は忘れないようにしたい。


進化

同ツアーの中で、最新の3期生曲「ゴーフルと君」が全公演で披露された。同曲は7月に行われたW-KEYAKIFESで初披露されたが、初披露以降披露を重ねるごとに会場のボルテージの上がり具合が高まっていたように感じる。また、4人で相談したのであろう、前奏が盛り上がるタイミングでの煽りも入れてくれた。贔屓目なしに見ても、本ツアーの中で一番盛り上がった曲だろう。

特に東京公演では、4期生曲を含む初披露曲3曲を披露した後の披露であった。3曲はライブに強い、盛り上げる曲ではなかったが、その雰囲気を壊し会場のボルテージを一気に最高潮まで持っていった4人が誇らしい。この役割は、3期生が披露する「ゴーフルと君」にしかできなかっただろう。ライブ後にも、ゴーフルの盛り上がりについて話してくれる人が多く、本当に嬉しかった。彼女たちのこれからのさらなる成長が、本当に楽しみだ。


煽りといえば東京ドームでの「この夏をジャムにしよう」も記憶に新しいが、両方とも3期生が、自分たちで考えているという事実が頼もしく、また愛しい。近い将来、3期生が日向坂の中心になる日が来る。少なくとも私は、そう信じている。アイドルにとって、日向坂にとって、ライブでのファンとの一体感、盛り上がりというのは間違いなく重要な要素の一つだ。自分たちの曲で、しかも4人という少人数で会場を盛り上げることは、誰にでもできることではない。

いつか、4期生、また未来の5期生に、「3期生さんのような会場の盛り上げ方をしたい」と言われるようになってほしいものだ。今の3期生には、頼もしい先輩がたくさんいる。先輩の技術を盗みつつ、自分たちにしかない魅力を磨いてほしい。彼女たちならできると、私は信じている。


深化

研修生期間を経て加入した3人には、「加入する前に発売された日向坂46名義の曲」が存在する。2期生渡邉の卒業もあり、今年7月に行われたW-KEYAKIFES以降は特定のメンバーが特定の曲を踊るようになった。(それ以前も別の形で楽曲に参加する形はあったが)その参加曲について多くは話さないが、初めてそれを見たときはとても感動した。


そして今回、アンコールで披露した曲については3期生全員がパフォーマンスに参加した。特筆すべきは4,7公演目のアンコールで披露された「ソンナコトナイヨ」だろう。私の記憶が正しければ、3人が同曲に参加したのは初めてだ。特に私が会場で見ることのできた7公演目では、目の前の花道に森本、髙橋が楽しそうにパフォーマンスをしており、様々な感情が押し寄せ涙を我慢しながら2人のパフォーマンスを目に焼き付けた。日向坂は間違いなく過渡期に入っており、3期生が担う役割は変わってくるだろう。その中で参加する楽曲が増えるというのは意味のあることだろう。これからも同曲で3期生のパフォーマンスが見られる喜びを噛み締めながら、いつか3期生が「いない」ということに違和感をおひさまが覚えるようになってほしい、と感じた。


新しい風

最終地となる東京公演のハイライトとして、新たに加入した12人の4期生は欠かせないだろう。


ダンストラックから登場するという演出は、2期生が登場したけやき坂の武道館公演を意識しているのだろうか、と感じた。“22人”の日向坂が2年間以上続いてきた中で、さらに大きなグループになるようにとの願いをこめられ加入した4期生には、2期生と近いものを感じる。


肝心のパフォーマンスであるが、若々しい、フレッシュという表現が似合うだろう。もちろん完成度という観点では粗削りな部分も感じられたが、がむしゃらに披露する姿は間違いなく多くの人の心を打っただろう。また、3期生の成長をリアルタイムで見、特にここ最近今まで以上に心惹かれるものを感じる分、4期生が2年後、3年後、どれくらい成長したパフォーマンスを見せてくれるのかということの楽しみになった。


成長

ツアー初日に、サプライズで8枚目シングル「月と星が踊るMidnight」のリリースが発表され、同日初披露も行われた。そして同曲はツアー全日本編のクライマックスで披露されることとなったのだが、ツアーを通して、特に愛知公演と東京公演で個人的に抱いた感想が異なる。

言葉を選ばずに言うと、愛知公演初日に同曲を初めて聞いた時は、個人的に響かなかった。しかし、東京公演初日、会場で再びこの曲を聞いたときは、私が大好きな日向坂46の8枚目シングルであった。CRE8BOYさんが考えてくださった、移動が多く全員が目立つようなパフォーマンスはもちろんのこと、カメラに抜かれる一人ひとりの表情、“詞”として心に響くもの、全てが愛知公演で私が感じたものとは違った。これはいわゆる“スルメ効果”もあるだろうが、何より全国ツアーとしての公演、また歌番組等を通して彼女たちが身につけたものだろう。披露するたび強くなる、そんな魂を感じたパフォーマンスだった。


新たな日向坂

東京ドーム公演以降、日向坂は間違いなく過渡期を迎えている。その点で、今回のツアーの演出は間違いなく日向坂の新たな一面を見せられたものだろうし、代名詞ともいえる「誰よりも高く跳べ!」が半分の公演で披露されなかったということも特筆すべきことだろう。しかし、今までの日向坂を捨てたわけではもちろんない。ツアーを通して可能性がさらに広がった日向坂をこれからも応援していきたい。


4期生も加入し、3期生が日向坂の中で果たす役割も間違いなく変わってくる。否、増えるという表現をすべきだろうか。既に山下がブログ内で髙橋のことを「女神」と読んでいたが、「末っ子」ではなくなり「先輩」である時間ができる。今までは“末っ子”という1つの魅力があったがそれは今までのようにはいかなくなる。(とはいっても、現状4期生の方が大人びている部分があることは否めないが)

その中で、新たな魅力、また今持っている魅力を進化、深化させていくということが大切なことの1つだと思うし、どんどん“強く”なっている3期生なら我々の想像などはるかに超えるレベルでより魅力的な人になってくれるのだろう。本当に、素敵なアイドルとの出会いに感謝し、これからも彼女たちの活躍を見届けていきたい。

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