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ドラマレビュー「キングダム」~韓国ゾンビモノがどんどん進化して面白くなっていくのはなぜなのだろうか❓~

Netflixで、「ウ“ィンチェンツォ」「シーシュポス」の2本のドラマをかわりばんこに見て、それらの配信の合間に、また、ゾンビかと思いながら見始めたら、面白くて止められなくなってしまいました。それが、これNetflixオリジナルドラマ「キングダム」です。

「キングダム」は、すでにシーズン2まで配信済みなので、やっぱりこれから先に見ちゃえと、他のドラマは後回しにして、一気見してしまいました。1シーズンが6話ですから、シーズン2まで見ても、12話で、どうってことないです。

1 時代劇✖サスペンス✖スリラーの面白さ

「キングダム」は、ストーリーと構成がしっかりしているので、見ていてどんどん引き込まれてしまいます。ドラマという長丁場でも飽きさせないのは、ゾンビの謎を解き明かすサスペンス要素が面白いからなのです。
ゾンビもの時代劇では、ヒョンビン主演の映画「王宮の夜鬼」(2018)がありますが、それと比べると、「キングダム」(2019)のほうが、サスペンス要素が強いうえに、人間の描き方も、単に善悪だけでなく重厚だし、なによりゾンビの特徴も退治の仕方も工夫されて、面白いストーリーになっています。なにしろ、脚本家が、あの「シグナル」のキム・ウニですから。本当に韓国の女性脚本家の層の厚さには驚かされます。

なにかのエンタメコラムで、ヒョンビンチョ・ジフンとゾンビもの時代劇で同じように世子役であったが、作品の評価では負けたみたいに書いているのを見ましたが、あらためて作品を見て、それは仕方ないと思いました。
だって、「王宮の夜鬼」の公開の後に、「キングダム」は作られているのですから、作品はより進化して面白くなっているのも当然なのです。それを、俳優を比べて云々いうのはおかしいと思います。(でも、最近こういう韓国エンタメにたいして詳しくもないのに、記事書いてるコラムニスト多くないですか。わたしの個人的見解ですが。)

韓国では、映画でもドラマでも、こう同じようにゾンビばかり企画されているのに、飽きられるどころか、より面白くなっているところが、韓国映像コンテンツの制作陣の凄いところだなと思いました。
結局のところ、彼らは打たれ強いんだと思います。だから、これでもか、これでもかと企画しては、試行錯誤の末、最後には良い作品に仕上げていってしまうのではないでしょうか。

2 韓流スター✖ゾンビエキストラ役者の肉弾戦

ゾンビモノの面白さは、豪快なアクションです。次々に増えてくるゾンビとの戦いは、血みどろの肉弾戦でありますが、それを実写版でみせてくるわけです。
日本では、死者がよみがえるゾンビってあまり映像化しませんが、「鬼」ならお家芸です。でも、やはり、その「鬼」もアニメで描くわけです。だから、大きく速い動作もいくらでも、本物の鬼のように表現できます。

しかし、韓国ゾンビの凄いところは、ゾンビ役者の動きがいわゆるエキストラを超えていて、まるで本物のゾンビのように見えるところではないでしょうか。彼らは、名前は知られていないけど、プロの役者なんだと思います。そんな役者が多数いるところが韓国の強みなのだと思います。

よく韓流スターとして、名前が知られるのはほんの一握りの俳優だけ、多くは、役者ではとても生計を立てられないが、それでも目指す人は多いといいます。そんな彼らが、スターとガチでぶつかるアクションシーンは、韓国ゾンビものの魅力にもなっているのです。

3 ヒロインがいい やっぱりぺ・ドゥナだもの

ゾンビと闘うのは、韓流スターをさらにカッコよく見せるためなのだと、これもどこかのコラムニストがいっていました。守られたい女性から見ると守って闘う男性像に惹かれるのだと。でも、この解釈もやっぱり、ちょっと古いのではないでしょうか。(コラムニストにケチつけたいわたし?)

進化する韓国ゾンビものでは、ヒロインは守られる存在として描かれてはいないのです。ヒロインはあくまでヒロインのやり方でゾンビと闘うのです。
「キングダム」のヒロインは、あのぺ・ドゥナですから、そこはもう期待通り、ゾンビの謎に果敢に挑んでいきます。
闘うヒロインには、アクションだけでなく、さらに「知性」が加わってくるのです。それもこのドラマの見どころの一つになっています。

4 シーズン3が待ち遠しい

そして、シーズン2の最後では、シーズン3の予告めいたシーンがあるのですが、なんとそこには、あのチョン・ジヒョンがいるではありませんか。
わたしのマガジン「不惑の韓流女優シリーズ」のトリは、ソン・イェジンにしようか、チョン・ジヒョンにしようかと迷うところではありますが、彼女がシーズン3に出演してくるとなると、これは見ないわけにはいきません。

結論として、「キングダム」は、進化を続ける韓国ゾンビモノの面白さを再確認できるドラマとなっていると思います。
これからも、どんなゾンビが作られていくのか楽しみでなりません。


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