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Netflixドラマ「ミスター・サンシャイン」の登場人物の衣装について~明治時代の着物姿~

現在視聴中のドラマ「ミスター・サンシャイン」は、時代背景は、1900年ぐらいで、明治33年頃、明治時代の半ばと考えると、登場人物の衣装(とりわけ、和服)が気になるのは、わたしだけなのだろうか。

登場人物の設定からして、アイデンティティと民族意識が一致しないというグローバルなドラマなので、そこでの和服の扱われ方にも興味がわくのだ。

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ィ・ビョンホン演じる主人公のチェ・ユジンは、奴婢として生まれるが、両親が仕えていた貴族から惨殺され、自らも追われる身となり、1871年に勃発した辛未洋擾の混乱の中で軍艦に一人乗船し、アメリカに辿り着く。その後、米軍海兵隊の大佐となり、アメリカ大統領の命により自身を捨てた祖国の朝鮮に帰還する。と、そこから、運命の物語が始まるのだが・・・

というわけで、ィ・ビョンホンは、ずっと洋装で、それはそうなのだが、ちょっと、この山高帽は、どうなの、似合ってない気がするんだけどって、個人的には思うけれど。当時のアジア人(日本人ももちろん)の洋装は、ちょっと違和感が残るくらいの方が歴史ドラマとしてはいいのかもしれない。

この違和感が新しい自我(アイデンティティ)に繋がるのじゃないだろうか。だから、主人公はずっと洋装なのだろう。

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しかし、やっぱり、和服となると、つい見る目が厳しくなるのか、ユ・ヨンソク演じるク・ドンメ/石田翔の袴姿で二本差には、???だった。
そもそも、設定からして、ク・ドンメは、浪人組織「黒竜会」漢城支部長。朝鮮時代の最下位階級である白丁の息子として生まれるが、やはり村人から両親を殺され、その後日本に渡り、石田翔という名で浪人として生きていたが、朝鮮に戻ってきて・・・。となっているが、ドンメの方が、ユジンより、少なくとも、7歳から10歳は年下のような気がするし、それで、明治時代に、浪人というのは、いわゆる「大陸浪人」を指しているのだろうか?

大陸浪人は、和服姿だったの?日本人勢力だとわかりやすくするためなのか?しかし、衣裳は、「るろうに剣心」のコスプレなのかしらと突っ込みたくなる。明治時代も半ばといえば、日本国内では、もうとっくに、廃刀令が徹底しているんじゃないの。それとも、いわゆる外地では、「大陸浪人」は二本差しだったのか?うーん、よくわからない。

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 キム・ ミンジョン演じるのは、工藤陽花(ひな)/イ・ヤンファ
この人の設定も、朝鮮人として生まれ育つが、父親の計らいで日本人の老資産家に嫁ぎ、未亡人となり、今やホテル・グローリーの社長。だから、韓服も洋装も和服も、着こなすという設定だ。しかもどれも高級服ばかりを。
 しかし、彼女の着物姿には正直、驚かされた。いい意味で。

 わたしは、つい海外ドラマの、女性の和服の着付けを、チェックしてしまうのだが、このドラマでは、明治中期の、今とはちょっと違う着付けの雰囲気が上手く出ているのだ。衣裳担当は誰がやっているのだろうか気になる。

 タイトルバックの写真は、明治中期より後のもののようではあるが、襟の抜き方とか、襟山から、帯山までの寸法とかが、今より、ルーズな感じで、工藤陽花ふう着付けと似ているような気がする。明治時代の女性の着姿って、こんなだったろうなという感じが出ているのだ。

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明治時代を扱ったドラマは、日本のドラマでもあるが、着物の着付けで見ると、当時の着方まで、再現しているのは少ない。なぜか、今風の着付けになってしまう。それだけに、海外ドラマで、それが見れるとは思わなかった。

結論として、「ミスター・サンシャイン」の衣装部門では、男性の和服は、イマイチだが、女性の和服は十分見ごたえあり、だと思った。
あくまで、わたしの個人的な感想です。



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