気になっていたゲーム「unpacking」を遊んだ話


1. Steamサマーセールにて

表題にも書いた通り、「unpacking」というゲームがセール対象となっていたので、遊んでみました。
以前から気にはなっていたものの、少し食指が伸びず、プレイしないままになっていましたが求めやすくなったこともあり、今回遊んでみました。

ネタバレ要素を含む可能性があるため、閲覧には注意してください。


2. 「unpacking」とは

ゲーム内容はとても明快。
プレイ中には容姿などは全く出てこない「主人公」が引っ越しや1人暮らしなどなど…
まとめた箱の荷ほどきをして、レイアウトづくりをするゲームです。
あらかじめ荷物の種類や個数、それらを配置できる場所はおおかた決まっているので、それらをどのようなレイアウトで配置していくか、模様替えの楽しさを味わえるパズルのようなゲームとなっています。


3. 「荷物」とは「人間」の鏡か

このゲームは2.で述べたように「荷ほどきして、荷物を配置」するゲームなのですが、それを「主人公」の環境に合わせて10回弱行います。
単純に「荷ほどき」をするゲームと捉えてしまうと、同じような配置場所が続いたりする部屋もあり(キッチンなど)、作業感が強いのでつまらなくなってしまうでしょう。

ゲーム中で注目したいのは、「主人公」の成長に合わせて変化する「荷物の中身」なのです。

最初の荷ほどきでは1997年であることだけが分かっています。
しかし、その荷物の内容から(具体的な年齢まではその時点では分からずとも)明らかに「主人公」が子どもである、と分かります。
中にはサッカーボールなどもあり、活発な子どもと想像できます。

次のシーンでは2004年と、7年経った荷ほどきを体験します。
このシーンになると、下着から「主人公」が女性であると分かります。
また、画材や資料集を大量に持っていることから「絵を描くこと」にも興味があるのだと分かります。

このように、「主人公」は全く見えない状態にも関わらず、「荷物」から推定されることが所々に散りばめられているのです。

友達との共同生活をはじめたり、恋人との同棲をはじめたり、時には実家に舞い戻ったり…
「主人公」の人生が語られることは、ほぼありません。
全ては「荷物」からの推察なのですが、そのエモさにプレイ中何度か涙してしまいました。

成長とともに捨ててしまう荷物…
ずっと捨てずに大切に持ち続けてきた荷物…
捨てたいけど捨てられずに残して持ってきてしまった荷物…
新しい生活のために増える荷物…

荷ほどき(引っ越し)という作業は、単純だけれども「人生の取捨選択」を伴った行為なのだ、と認識させられました。


4. さいごに

まずは一通り遊んで、発見できたところだけをかみ砕いてみましたが、
おそらく、噛めば噛むほど味が出るタイプのゲームだと思います。
面白いゲームでした、ぜひ遊んでみてください。

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