誇り高い幹部自衛官のための羅針盤4

4 古今の教えを身につけよう

 物事の価値判断特に生きる指標となるものの価値判断においては、学校を出ると誰も教えてくれない。そうした人生の歩みの中で、何かにぶつかった時や迷った時、古今の教えが光を与えてくれる。最近は、このような古今の教えが人生の指針として見直されてきている。古今の教えを生きるための指標とするためには、普段からの勉強が大切で、日常から、素直にその教えに導かれるようにしておくことが重要であろう。我々が、日々、親しむべき古今の教えは、まずは人倫の道を説いて極めて高度で普遍性に富む「四書五経」、中でも「論語」、そして戦いに臨むものが原点回帰できる「孫子」であり、更には周(あえて言うなら孔子は、中国人(漢民族)でなく、周人)とは異民族の唐代に花開き、また徳川三百年を支えた孔子の教えの実践編である「貞観政要」、現代にあっては「安岡正篤の著作」あたりは、常にそばに置いておき、継続して読み、そして実践すべきものであろう。「論語は、中国で生まれ育った中国思想そのものではないか。それを盲信し、ありがたがって受け売りするのは、精神的に中国に屈服することにほかならない」という見方は誤りである。
 儒教は、日本において独特の発達を遂げ、儒学として日本の思想となり、収容文化となっている。リーダーたらんとする人は「貞観政要」、「安岡正篤の著作」に学ぼう。 

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