【エッセイ】シュトーレンみたいな人が好き
「シュトーレンみたいな人が好き」
これは、私の個性的で愉快な友人Aが放った言葉である。
洋酒に漬けたドライフルーツやナッツがぎっしり詰まったパン菓子、シュトーレン。
最近は、すっかりクリスマスのお菓子として根付き、このシーズンにはケーキ屋やパン屋で見かけるようになった。
生地に練り込まれたさまざまなドライフルーツやナッツ、マジパンが個性的な味を織りなし、洋酒やスパイスの香りが刺激的なものも多い。
私自身、毎年複数の店で購入しては食べ比べを楽しむくらいには、シュトーレンのファンである。
そんなシュトーレンを、友人Aは理想の男性像として引き合いに出したわけだ。
その言葉を聞いて、私はAらしいなと笑ったものである。
ちなみに彼女はそのとき、私の彼氏を「食パンみたいな人」と形容した。
随分と的を射た表現に、私はまた笑って、「いいじゃん食パン。何にでも合うから、食べ飽きない」と返したわけなのだが、その食パンは現在私の夫として、毎日を共に過ごしている。
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