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善きエルフな人

7番染色体の一部欠失で起きるウィリアムズ症候群という先天的な障害がある。
厚ぼったい下唇や前向きの耳などエルフに例えられる特徴的な顔と発達の遅れや空間認知の異常、心疾患を伴う。
ただこの障害で最も特徴的なのは

「相手がどんな人でも優しく接することができる極めて友好的な性格」な事。

私はウィリアムズ症候群の当事者と関わったことが2回あるが「頭が少し弱いけど超絶優しい人」が第一印象だった。

最初に会った当事者は小中高同じだった1歳上の先輩。
特殊学級に通うレベルの知的障害があるが母性本能の強い性格で同じ学級に通う人たちにも温かく接する人だった。
中学生の途中で妹が生まれ、その事がよほど嬉しくてお手伝いを積極的にしていると彼女は先生に話していた。

進路で親とのすれ違いがあり「高校進学は無理だから家事手伝いをして欲しい」vs「高校行きたい」のトラブルがあったが通信制高校に行くという結論に丸く収まった。

当然私にも優しかったが不登校いじめられっ子上がりで人間不信な私はその優しさが逆に怖くて距離を置いていた。先輩ごめんなさい。
悪い人に騙されたりせず今も家族と仲良く暮らしていればいいのだが…

もう一人は作業所の藤巻くん(仮名)
私がブラック作業所をやめる少し前に入所して来た。
小さい頃は心臓が悪く東京の病院で大手術をしたと語っていた。
知的障害に気づいて療育手帳を貰ったのは大人になってかららしいので境界知能寄りかもしれない。
藤巻くんは仕事熱心で誰の言う事もしっかり聞きよく働く。
口は悪いがいつもニコニコしている朗らかな人だ。
そんな藤巻くんの事だからあの場所でもうまくやってたらいいな…

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