Steamでセールやってるので個人的オススメのインディーゲームを紹介したい

Steamからウィッシュリスト内商品の値下げ通知が来たので何事かと思ったら、中華圏のお祭り旧正月セールをやってるみたいです。(1/27~2/3)
ゲーマーの中でもインディーゲーマーの分母は少なく感じるので、あわよくばこの機会にインディー沼にハマる犠牲者を増やしたいと思ったのと、NEEDY GIRL OVERDOSEの記事※を書いて思いの他楽しかったので、この記事を書きます。
(実はセールしてないものがほとんどです。単純に紹介動機が欲しかっただけです てへぺろ)

<※追記 該当記事は画像の無断使用及び、規約違反のため削除いたしました。申し訳ありませんでした。>

メタフィクション系

個人的大好物なので最初に紹介。

Inscryption

最初はドミニオンと遊戯王をミックスしたようなただのカードゲームにしか見えませんが、実はこのゲームは「カードゲームをするプレイヤー」のシミュレーションゲームです。カードゲームをする以外の選択肢を自分で見つけ、考えて行動することが必要になります。更に言うと、この「『カードゲームをするプレイヤー』を見ているプレイヤー」の存在が重要になります。
何を言ってもネタバレになってしまう凄まじいゲームですが、メタフィクションや推理が好きな人は絶対ハマると思います。ノートとカメラを片手に進めるべし。
NeiR:Automataの終盤の展開が好きな人にもオススメ。
展開の一つ一つが「今の時代だからできること」「PCゲームだからこそできること」を突き詰めた内容で、これからのゲームの可能性を深く感じられる一作でした。
こういうプレイヤー自身を揺さぶってくるゲームもっと増えろ。

ガバ要素もありますが、純粋にデッキ構築型カードゲームとしても面白い。
あと遊戯王見たことある人は絶対笑うシーンが有る。いいのかアレ。

There Is No Game : Wrong Dimension

これはゲームではありません(断言)
ゲームという概念に対するメタフィクション作品。
初期設定画面の時点から遊ばせる気がなくてイカれてる。(褒め)
このゲーム(ゲームではありません)はプレイヤーにゲームをプレイさせないためにあの手この手で妨害を仕掛けてきます。それをプレイヤーがひらめいた理不尽と屁理屈で突破していく。
RPGの絶対死ぬボスイベントでボスを倒す方法を考えるのが好きな人向けのゲーム。あとプログラムのバグを見つけるのが好きな人。(私はひねくれているので両方大好きです。)
ストーリーは完全にコメディタッチで、ゲラゲラ笑いながら進めることができますが、市場に氾濫するF2Pゲーム(ルートボックス、ガチャゲー)への皮肉も含まれており、今のゲーム業界への問題提起も含まれています。

作中散りばめられたオマージュの数々から作者のゲーム愛を感じる。
Paper's Pleaseのパロディがでてきたときには不意打ちでやられた。
本当にゲームが大好きな人が作ったゲームなんだなと思います。

ちなみに、この作品はUnityで作られていますが、Unityでゲームを作ったことのある人には「ふふっ」っとなる要素も含まれています。GG。


アドベンチャー・サウンドノベル

Return of the Obra Dinn

先程少し名前を出した「Paper's Please」の作者による作品。
大航海時代の保険調査員となって遭難船「オブラ・ディン号」で発生した事件の内容と、乗組員がどのような最期を辿ったか調査していくゲーム。
この保険調査員は過去の記憶を断片的にたどることができる超能力を持っていますが、それで解決とはいきません。
プレイヤーは保険調査員ですので、何故、どこで、いつ死亡したのか、また、保険による補償対象かどうか(殺人か事故か)を明らかにしていく必要があります。
本当にわずかな証拠(初見では絶対気づかないようなもの)から、推測や消去法などで真実に迫っていきます。推理があたったときには脳汁が出まくります。
そして、その事実をつなぎ合わせると凄まじいストーリーであることが判明します。「アレ」がでてきたときにはそういう世界観だったのかよ!と思わず笑ってしまいます。
あと、とある乗組員が異能生存体なのも笑えるポイント。こいつ何でまだ生きてるんだよ!ってなります。

一度結末を知ってしまうと楽しめなくなるタイプのゲームなので、事前情報なしでのプレイをおすすめします。


VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action

ジルさんほんとすき(語彙力低下)
クリスマスシーズンにやるのがオススメです。(約11ヶ月後)

サイバーパンクな犯罪多発都市「グリッチシティ」にある場末のバー「ヴァルハラ」のバーテンダー「ジル」となって、お客さんにカクテルを提供するバーテンダーシミュレーションゲームです。アクション要素はない。
グリッチシティの治安は最悪で、テロや銃声は日常茶飯事です。
治安維持組織も民営化されており、少数の企業が全ての実権を握っていることから、反体制勢力の勢いも強いです。

ですが、ジルはただのバーテンダーです。治安維持組織にも反体制勢力にも関係ありません。モグリで裏の仕事をやっているとかも一切ありません。バーテンダーです。
ただし、「ヴァルハラ」には治安維持組織、反体制勢力、スパイ等が客として訪れます。立場は関係なく、ただの客として訪れます。
ジルは、思想信条関係なく、プロフェッショナルとして、「最高の一日」にするためにすべての客に「一日を変え、一生を変えるカクテル」を振る舞います。
注文通りにカクテルを作ることもあれば、心情を察して別のカクテルを出すこともできます。この選択によって、客それぞれの心情が変化し、物語が変化します。社会に大きな変化をもたらすような大事件も発生します。でも、ジルが新聞に載ることはありません。ジルはグリッチシティの主人公ではありません。報道は検閲されているので事件の詳細を知ることもできません。
しかし、客の会話や、報道の内容、掲示板の書き込みを読み、頭の中で繋げていくことで事件の全貌、実行犯は誰なのか、いつから仕組まれていた計画なのか、などの情報をプレイヤーは推測することができます。
あえて内容を明らかにせず、うっすらと提示するのがこのゲームの特色ですが、好き嫌いが分かれる点でもあるようです。記事にするくらいなので、私は大好きです。

このゲームのキャラクターはそれぞれに背景があり、闇を抱えています。
ジルはプロとしての心構えを持って仕事に臨みますが、弱い人間です。怒り、不安、悲しみ、色々なものが混ざり合って、「一人の人間を見ている」という感覚を励起させます。
仕事をしていく中、客とのコミュニケーションを通じて、客も、最終的にジル自身も成長していきます。ラストシーンはジルと一緒に泣きながらプレイしました。

また、この作品にはLGBTやセクシャルマイノリティ、果ては人格を持ったロボット等、様々な背景を持った人間(じゃないのもいるが)が出てきますが、この作品では「寛容と理解」が徹底されています。
あからさまな差別も、行き過ぎた配慮もなく、ただそこに「対等な一人の人間」がいるだけです。

その他

他にも

リソース管理型都市経営サバイバルゲーム「Frostpunk」

リーダーは個人ではなく全体を指導する必要があるということを突きつけてくるシビアなゲーム。このゲームでは資源が限られており、全体の生存が個々人の幸せより優先される。
だからこそ、人々を幸せにした上で生存させることに成功すると、とんでもなく脳汁が吹き出る。

スーパーハカーなりきりゲーム「Hacknet」

IP抜かれてハッキング食らったあとカーネル修復する作業、リアルで好き
文鎮化したAndroidをUSBデバッグコマンド叩いて治した経験のある人はきっとハマる。


深センの電子機器メーカーの社員になって組み込み開発するシミュレーター「SHENZHEN I/O」

ゲームの中で仕事をするゲーム。組み込み関係の仕事してる人にとっては実質残業。クロック同期やアセンブラのバグ等、嫌にリアル。秋月とか仙石とかで見たことのあるような異常にリアルなマイコンのデータシートを読みながら、仕様の穴を突いて部品点数を減らしたり、コードを減らしたり、消費電力を減らしたりしてKAIZENを競う。トッププレイヤーの回路はもはや別次元。世の中には野生のジム・ケラーがたくさんいるということを思い知らされる。

など、インディーならではの名作が沢山あり、紹介したいところですが、
私の気力が尽きたので今回はこれまでにしておきます。
また面白そうなものがあればご紹介したいなと思います。
あと、もし「これが面白かったよ!」というゲームがあれば教えていただけるととても嬉しいです。

ではまた。

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