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11-6 前駆陣痛でみた白い光のイメージ

1 眠れない夜ー2日目の前駆陣痛

7日夜、二晩目の前駆陣痛。

前日よりも深くて重い、前駆陣痛の痛み。
いつもと同じ夜なのに、暗闇は一層暗くそして怖く、
ベッドの上でお産の緊張感と厳しさを感じました。

しかしこの前駆陣痛。
痛みだけではなく、実はとても不思議な陣痛になりました。

前駆陣痛での腹痛は、本陣痛とは全然違います。
そもそも痛みの種類が違う。
前駆陣痛は生理痛に似ています。生理痛をもっと根底から大きくした感覚です。
ピリピリとしてあ痛みではなく、ずーんずーんという痛み。
ゆったりと押し寄せるようで、大海原で小さなボートにゆられるような、
壮大な印象すらもちました。

その痛みがさらに深まる時、あるイメージが頭に入ってきました。

2 静寂の空間に落ちる

前駆陣痛の痛みで起きること2、3回。
感覚も1時間以下になっていました。

「痛いけれど、頭はうとうととしている。だったら今は眠った方がいい」

これから体力勝負になることも考え、
もう一度眠るために、目を瞑って深呼吸を続けました。


お腹はずーんずーんと痛みます。
けれどもその痛みの堪え方が独特なのです。
ふだん痛みを耐えようとする時はぎゅっと体中に力が入り、体を固くしますが、
前駆陣痛の時は、その緊張はありません。
力はどこにも入らず、逆に体の力がじんわり抜けていきます。
「痛みを耐える」よりも、
「痛みを逃す」という表現がぴったりだと思います。

痛みと脱力。そして深くて重い、ゆったりとした前駆陣痛。
痛みを逃しながら呼吸を続け、
力の抜けた体でその痛みを受け入れて
眠りに落ちかけていきました。


その時、私は不思議な感覚を経験しました。
痛みを逃しながら、私の体がまるで深い深い海の底に落ちていくような感じです。
とても静かにゆっくりと、自分の体が海底に吸い込まれていくようでした。
一方で感覚だけはどんどん研ぎ澄まされていくようです。

ちょうどスポーツ選手が経験する、ゾーンという状態に似ているかもしれません。
騒がしいはずの周囲が急に静かになって自分だけの世界に入り、
集中力がどんどん高まる。そんな感覚です。

この不思議な痛みは、子宮からの深い痛みに導かれながら、
これから迎える大きな「事」に向けて、
静かで深い場所に、高い集中力を持った意識だけが
入り込んでいくようでした。

3 白い光の中に立つ

よく漫画で描かれる、下へ下へとぐるぐると落ちていく人。
まさにそのイラスト通り、意識がずんずん下に落ちていきます。
でもそれが心地よい。
さっきまで、夜の暗さを怖がっていたのに、
その暗闇や、暗闇に落ちることに身を委ねることに
安心していました。

やがて相当深いところまで落ちて、静けさが十分に満ちた時、
その暗かった空間は真っ白な世界に移り変わり、
白い光に包まれていました。


一変して、一面真っ白でやさしい光の中に一人で立っている私。
静寂と光に包まれ、とても気持ちのよい場所でした。
足元をみると、一本の白い道が足元にあります。
その道は前に伸びていて、私はこれからそこを歩むようです。
しかしその道が見えるのは足元だけで、
少し前に目を移すと、白い道は白い光と溶け込んでしまって、
道は見えません。

でもこれから私は、この見えない道を歩かなければいけないようです。

4 光のイメージからのメッセージ

「道から足を踏み外してしまうのではないか」
恐る恐る足を出してみます。
しかしなんのことはない、地面はちゃんと私の足の下にありました。
また一歩、また一歩と足を前に進めます。
ぐらつくことがない道が、たしかにあります。
どうやら道を踏み外すことはないようです。

私がうまく道の上を歩いているのか。
もしかしたら、私が踏み出したところに道が生まれるのか。
どちらなのかわかりませんが、確実に前に進めました。

抽象的だけれど、妙にはっきりした光景。
そしてメッセージ的なイメージ。
まるでこれから起こる出来事に対し、
「光に守られているから恐れることはない」
「進んだ先には道がある」
「見えなくても前に進んでOK」
と言われているようでした。


それを感じたところで、私は眠りに落ちたようです。
この感覚は今でも鮮明に思い出すことができます。
痛みよりもともかく幻想的で、神秘体験に近いものなのかもしれません。

5 素敵な陣痛ー神秘的な前駆陣痛ー

「陣痛は痛い」

自分が体験するまでは、陣痛は痛いもんだと思っていました。
けれどもいざ経験してみると、
「痛い」という言葉で表現するのが勿体無いのです。
なぜなら痛みよりも、神秘的な感覚が強いから。
「pain」よりも、「change」とか「great」と表現したい。

本格的な陣痛はまだこれからなのに、
なにかとても壮大で、幻想的で、
これから限りなく大きなものに触れる時間がやってくる、
私の体が奇跡を起こす。

いつもと同じベッドで寝て、
いつもと同じボロくて小さな家にいるのに、
ともかく神秘的な気持ちになっていきました。

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