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顧客が熱狂する価値を探る「価値探索」をはじめてみて

この記事は i-plug AdventCalendar2019【21日目】の記事です。

こんにちは、i-plug(アイプラグ )の山田です。i-plugは8期目のスタートアップですが、新規事業への取り組みも進めています。そんな中でも重要だと考える「価値探索」の考え方について触れてみたいと思います。

価値探索への動機

◼️ 初めての価値探索

この秋から、あらためて「新規事業」のプロダクトをデザインする機会が訪れました。これまでHCD(Human Centered Design、人間中心設計)の手法を社内で使っていくなかで、サービスの改善としてインタビューやユーザーテストを部分的に取り入れることはしていましたが、新規にサービスを立ち上げる中で「ユーザ体験」をど真ん中で設計する部分は特に未知の領域でした。


◼️ 実は現在の主力サービスは代表のひらめきで

現在弊社の主力サービスは、実は代表のひらめきでビジネスモデルが完成していて、サービスの開発に取り掛かる時点で、プラットフォームでの提供価値がある程度明確でした。そのビジネスモデルに従って、改善箇所をインタビューやユーザーテストにより改善していくことが多かったのですが、今回は提供価値の前段である「ユーザーの課題」を見つけることから取り掛かる必要がありました。

現在の主力サービスはこちら。

ひらめきの部分は、以下のくだり。

突如「企業からオファー送る成功報酬型の新卒採用サイト」であればいけるのではないか!と思い付きました

なぜ熱狂する価値を見つける必要があるのか?

価値探索では、「熱狂する価値を見つけることが重要」と常々話しています。

◼️「熱狂」は大きな課題を解決した価値の裏返し

「熱狂」は言い過ぎかもしれないですが、ユーザの大きな課題を解決したり、「これは絶対ほしい」「めっちゃクール」「これならお金をはらってもいい」という価値を見つけることが事業を進める上では大事だと思います。

◼️ 事業を進める後工程での影響が大きいから

そしてもう一つ重要なのが、熱狂的なサービスは、そのサービス自体の価値が人を介して伝播していきます。

それは、価値探索で得た「価値」によって顧客の心をグリップできるので、営業・マーケティング活動において「なぜこの商品を使っていただきたいか」が明確になると思います。

それにより、マーケットに広くスピード感をもって伝わっていくことから、営業やマーケティングにおける価値を伝えるためのコストが抑制できます。初期での価値探索の出来がよければ、後工程での効率化を図れることになるということになります。

事業が途中で立ち行かなくなる理由は、新規事業開発時に徹底して「お客様が熱狂する価値」を探し当てようとしていないからでは、と想像しています。あたりまえのことなのですけど、新規事業の立ち上げにおいては、このフェーズに投資するというのは重要な意思決定であったりします。熱狂する価値を見つけずに、プロダクトを作り始めてしまい、もし利用されなかったら。。。と思うとゾッとしますね。スタートアップなら死んでしまいます。

ですので、価値探索の時点で、ユーザ目線でしっかりと体験価値を確認していくことが大事な作業になると思います。

スタートアップのための顧客開発モデルのプロセスとは?

スタートアップの経営手法として、アメリカの起業家”Steve Blank”氏が提唱した「顧客開発モデル」というものがあります。

◼️ 「顧客開発モデルのプロセス」とは?

そもそも「顧客開発」とは、

仮説と検証を繰り返すことで顧客を理解し、適切なセグメントに向けた製品を迅速に開発する手法

となります。

「顧客開発モデルのプロセス」の初期の「顧客発見」と「顧客検証」おいては、以下がポイントとなります(以下、リーンスタートアップの「顧客開発モデルのプロセス」を参照)

「顧客発見」:PSF(Problem/Solution Fit)を探る
  顧客が「絶対に解決したい課題」と「絶対に欲しい解決策」を見つける
「顧客検証」:PMF(Product/Market Fit)を探る
  「最適な解決方法(プロダクト)を受け入れてくれる最適な市場(マーケット)を見つけること」

◼️ 大事なのは、「顧客開拓」と分けて考える

初期の「顧客発見」「顧客検証」におけるユーザ体験のデザインと、スケールさせるための「顧客開拓」とは分けて考えて、混同しないことも重要なことの一つだと思います。

Airbnb の創業者 Brian Chesky はこう言っています。

僕は、スタートアップの作るプロダクトには、2つのステージがあると思うんだ。1つ目は、完璧な体験を作り出すこと。それができたら、それをスケールさせること。それだけさ。

スケールするために、マーケティングや営業戦略を立案する前に、いま一度「顧客開発」に踏みとどまり、顧客が熱狂する課題と解決策を見つけ、ユーザ体験をデザインする必要があります。

また、仮説検証の観点は、以下も参考になると思います。

顧客発見のプロセス

顧客発見のプロセスは、HCD の手法を織り交ぜながら進めています。

顧客発見では、顧客の課題に踏み込んで、「顧客に話を聞く」(顧客の御用聞き)のではなく、「顧客を理解」することが重要になります。

そのために、オフィスを飛び出して、インタビューによる課題仮説の検証を進めました。インタビュー設計では、以下を特に重視しています。

・課題仮説出し:顧客発見における課題仮説を出す。その答えが得られるよう、質問でのアウトカム(得られる成果)を明確化。
・さらに、インサイト(気づき)を得られるような問いを投げかけるためのサブの質問を準備。

現在、ここで得られた成果をベースに解決策の立案を進めています。

これからとビジネスとの接続

今後、解決策をベースにプロトタイプ検証を進め、「顧客が絶対に解決したい課題と解決策か?」を検証していきます(ここがキモ!)。そして、実際には、リーンキャンパスなどを使いながら、ビジネスとの接続を確認していくこととなります。スタートアップとして生き残れるか、チャレンジは続きます。

それでは、ステキな価値探索ライフを!!

新規事業を進めているチームについては、ムラジさんのこちらの記事でどうぞ!

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