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鉄子の育て方 1話 愛のシステム

やっと!首都圏進出です。昨年東海地方で放送した連ドラ「鉄子の育て方」。毎週日曜 深夜24:00 TOKYO MX2で運行中!

「鉄道が好きな監督を捜してまして…」と打診されたとき、小さな電車が好きで全国の市電を制覇してた俺に振るなんて見所あるなフフ…と余裕をかましてたのも束の間、プロデューサーの鉄道愛、強力して下さる神鉄道マニアの方々の余りにもディープな鉄道LOVEに圧倒されました。

しかし…何といいますか「なにか素晴らしいものを見つめる人の顔」っていいんですよね。ポカンと口を開けて、心を真っ白にして目を真っ黒にしてただ見つめる。人間てそんな丸太みたいなデク人形みたいなもんだなあ…って思っちゃう。そこが美しいんだなあ…。
映画を観たり、撮ったりするシステムにも似てる気がします。「光のほうへキャメラを向けよ」と言ったのはゴダールだった(笑)。
マニアの皆さんに会ったり、あまりにも鉄道愛が深い脚本と戦ううちに、「ああ、このシステムだけを撮ればいいのか」と思いました。つまりは愛です。

小林涼子ちゃん演じるヒロインあずさは女子アナ志望。でもTV局を58社も落ちて、鉄道専門TV局に流れ着きます。そこで出会うのは沼のように深〜い鉄道オタクの面々。最初は思いっきり鉄オタたちをバカにしてるんだけど、少しずつ彼らの情熱が気になってきて…。「女子アナ→セレブ人生」としか思ってなかったあずさは「何かを愛するということ」を知っていきます。

「愛することで空っぽな自分が埋まって行く」それをシリーズ12本を貫くテーマに据えました。
Pも役者もマニアの皆さんもスタッフみんなも、その愛のシステムに飛び込もうと一丸になれた現場だった気がします。あまりにがんばり過ぎて最後はちょっとオカしくなってた気もします。
最終話。今は定期運行を外れた青森〜東京を結ぶ寝台特急あけぼの。その最後の列車が通り過ぎる瞬間をあずさがレポート!という場面を撮るのですが、「絶対本物のサヨナラ運行のあけぼのじゃなきゃヤダ!」という気持ちになりました。誰も反対しなかったけど…今から考えるとよくやったな。列車通過はワンチャンス。次の日からあけぼのは走らないから…。
実は、本番の最中、メインカメラが故障したりもして。でも愛で乗り切った…。どうか最終話まで観て確認して下さい!

自画自賛、失礼いたしました。時間たったから悪いこと憶えてないんです(笑)。鉄道愛だけでなく、美女も、ギャグも、巨悪との対決も、そして恋愛と青春も。ぎゅうっと濃縮したシリーズになってます。よろしくお願いいたします!