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世界の標準ルールの有給休暇、ちゃんともらってますか?

「有休」「有給」「年休」とも呼ばれる、お給料の出る休日、年次有給休暇。

これは世界で決められたルールだということをご存知ですか?

1.年次有給休暇は1936年うまれ

実は、「年次有給休暇」とは、国際労働機関が1936年に世界にむけて発信したルールです。

国際労働機関とは、国際労働基準を制定することで世界の労働者の労働条件と生活水準を改善しようと、1919年ヴェルサイユ条約に基づき国際連盟の機関としてつくられた歴史ある組織です。

その国際労働機関が、1936年にさだめたのが有給休暇条約(第52号)です。

この前にも、ヨーロッパなどで独自に似たような制度を導入していた企業もあったようですが、この条約により世界のルールのひとつとなりました。

この条約には、以下のような、今のルールの元となっていることがさだめられています。

  • 1年続けて働いたあとは、すくなくとも6日は年次有給休暇をもらう権利があること(本条約の適用を受くる一切の者は、一年の継続勤務の後は少くとも六労働日の年次有給休暇を受くる権利を有す)

  • 勤務期間が長くなればそれに応じて日数を増やすこと(年次有給休暇の期間は、国内の法令又は規則の定むる条件に従ひ、勤務期間に応じ増加すべきものとす)

こういった国際労働機関の条約は、国際労働機関の加盟国で、それを批准した国は守らなければならないことになっています。

2.日本では

批准とは、条約に対して国家が最終的確認・同意することですが、日本は、実はこの条約に批准してはいません。

ですが、1947年に労働基準法が定められたとき、そこに制度として盛り込まれました。
国際労働機関がさだめた上のルールを、日本の労働基準法ではこんなふうにうわまわっています。

  • 雇入れの日から6か月間継続勤務し、 その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日を付与する

  • その後は、 継続勤務年数1年ごとに一定日数を加算した日数を付与する

この条件は、正社員だから、アルバイトだから、という社員の区分かかわりなく、労働者にたいして平等なルールです。

アルバイトだから有給休暇はない、ということはありません。

国際的に労働者の権利としてみとめられたルールである年次有給休暇。

週1日しか勤務しない人でも、半年たったら1労働日の有給休暇をあたえること、と法律で決められています。

ちゃんと決まり通りに有給休暇がもらえているかどうかを確認しましょう。

有給休暇がもらえているかどうかは、だいたいの会社では、給与明細に書いてあると思います。

書いてなければ会社の人事担当のかたに確認してみましょう。

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