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憲法記念日は、毎年日本国憲法を読み直す日にしよう。note770日目

5月3日は憲法記念日

5月3日は憲法記念日。
昭和21年11月3日に公布され、半年後の昭和22年5月3日に施行された日本国憲法の、その施行を記念し、祝日とされました。
ーー「各「国民の祝日」について」(内閣府)

X(旧Twitter)では、「#憲法記念日に向けて紹介したい私の推し条文」というタグでたくさんの投稿が見られます。

「憲法第97条」にスポットライトがあたる日でもあります。

いまのNHK朝ドラ「虎に翼」の脚本家、吉田さんは、朝日新聞の憲法記念日特集で、日本国憲法について「空気のようなもの」と語っています。

「普段は当たり前で、その存在を忘れてしまいますが、それが脅かされると息苦しくなり、生きていけない」。

日本国憲法を意識しなくてもやっていけているのは大変ありがたいことですが、意識しないでいることと、意識しないこととは別物。

いざ空気が薄くなって苦しくなったとき、きちんと意識できるよう、ふだんから憲法と距離を置かないでおくことが大事なのではないでしょうか。

そんなことを思わせる吉田さんの朝日新聞記事は、橋本さんがプレゼントしてくれているので、明日8:41までは無料で読めます。ありがたい。感謝。

そこで、日本国憲法を仲良くやっていくために、今日は全文をあらためて読み直してみました。

日本国憲法全文を読み直してみた

日本国憲法はじめ、日本の法令は、e-Gov(電子政府)のサイトで、だれでも全文を読むことができます。

日本国憲法のページはこちらです。

今回読んであらためて思ったのは、非常に高い理想を掲げているんだなということ。

条文の前文には、こうあります。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。

人民の、人民(の代表者)による、人民のための政治。
リンカーンのゲティスバーグ演説を思わせるこの理念を、「人類普遍の原理」というのは、かなり踏み込んでいるのではないかと思います。

今でさえ、「その原理の通りになっている」と言えるかというと、かなり怪しいのでは。
ですが、そうなる方向が好ましいことは、意見が一致する人が多いのではないでしょうか?

日本国憲法が施行されてから今年で77年目たちますが、古いどころか、まだまだこれからの部分が多いように思います。

日本国憲法の章立ては以下の通り。

第一章 天皇
第二章 戦争の放棄
第三章 国民の権利及び義務
第四章 国会
第五章 内閣
第六章 司法
第七章 財政
第八章 地方自治
第九章 改正
第十章 最高法規
第十一章 補則

この章立ての通り、憲法は、国民よりも国側の行ないに割いている条文が多くなっています。

第九十九条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」との記載もあります。

ですが、第三章には国民の権利とともに義務についても記されており、小中学校で習った通り、私たちにも、国民の三大義務(「納税の義務」「勤労の義務」「教育の義務」)が課せられています。

ですが、私たちはその三大義務を、学校を出てからあらためて認識した機会がどのくらいあるでしょうか?
率直に言うと、私は、あまりありません。

現行憲法がある以上、そこで規定されていることは踏まえておく必要があります。

日常生活を送っていると、どうしてもそういった法的なもの、理念的なものからは遠ざかりがちです。

去る者は日々に疎し。
自分にとって憲法が「疎い」存在にならないよう、私は今年から、憲法記念日は自分と憲法との距離を縮め直す日にしたいと思います。

日本国憲法にたいする私感

よく、日本国憲法はアメリカに押し付けられた憲法だから、と日本国憲法の価値を認めない人がいます。
また、逆に、こんな素晴らしい日本国憲法は日本の誇りだ、と、改憲を全面否定する人も。

そのどちらのスタンスも、私はとりたくないと思います。

経緯はともあれ、内容があるべき内容であれば、それは価値があるものです。
また、素晴らしいものだとしても、無批判で受け入れていいものではなく、変更が禁じられるべきでもありません。

私は個人としては、日本国憲法の描く世界は総体的に理想に近く、これからも追い求めていくべき価値があるものだと思っていますが、それでも、これだけ時代が変わってきていると、変わらないとうまく行かなくなっていく部分も出てきていると思います。

奇しくも今朝の朝ドラ「虎に翼」で、主人公の寅子はこう言っていました。

法律は「例えるならば綺麗なお水が湧き出ている場所」。

その源泉もやはり経年劣化したり、環境が変わったりすることはあるでしょう。
綺麗さを保つためには、一定の変化、法改正も必要なのではないでしょうか。

そんなことを考えた、本日の憲法記念日でした。
ちなみに私の推し条文は、こちらです。


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