見出し画像

世論調査にみる家庭・仕事・学校の男女差 0358/1000

2023年3月14日、内閣府が「男女共同参画社会に関する世論調査」を公表しました。

「男女共同参画社会に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とする」ためのもので、調査対象は、全国18歳以上の日本国籍を有する者5,000 人、有効回収数2,847 人と約半数以上が回答している調査です。

調査の項目は以下のとおりです。

1.男女共同参画社会に関する意識
(家庭・職場・学校・政治・法律や制度・社会通念や慣習しきたり・自治体PTA)
2.家庭生活等に関する意識
3.夫婦の名字・姓に関する意識
4.女性に対する暴力等に関する意識
5.男女共同参画社会に関する行政への要望

それぞれの回答について、男女による回答の違いのほか、年代別、居住地域(都市部かどうか)などの属性別に回答結果が出ているので、自分と同じような立場のひとがどういう傾向にあるのか、もわかる内容となっています。

「男女共同参画社会に関する意識」の、家庭・職場・学校は、ほぼ一般の人の毎日を占める環境ですが、調査対象となったひとは、男女差についてどう感じているのでしょうか?

1.家庭の男女地位

家庭で、男性の方が優遇されていると思う割合は、以下のようになっています。
全体59.8%
男性49.7%
女性68.4%
男性でも、約半数が「男性が優遇されている」とわかっているという結果でした。

2.職場の男女地位

職場で、男性の方が優遇されていると思う割合は、以下のようになっています。
全体64.1%
男性57.8%
女性69.5%
男性でも過半数が「男性が優遇されている」とわかっているという結果です。
一方、女性の回答は、家庭と職場でほぼ同じ割合なので、「家庭より職場では男性が優遇されている」と感じているのは男性のほうが多い、とも言えそうです。

3.学校教育の場での男女地位

学校で、男性の方が優遇されていると思う割合は、以下のようになっています。
全体24.5%
男性21.6%
女性29.4%
「平等」が7割近くで、女性でも60%以上という、家庭・職場とはまったく違った結果となっています。

年齢別の結果をみると、70歳以上のひとでも65%が「平等」と答えており、「平等」の割合は、世代が下がるにつれてどんどん増えているのがわかります。

若い世代ほど男女差を感じにくくなっている、というのは、ほかの家庭・職場でもみられる傾向です。

家庭において、男性が優遇されていると思う割合は、29歳未満だと、半数を切っています。

年代別:家庭における男女の地位の平等感

職場では、まだまだ男性優遇が高いですが、年代が下がるごとに、着実に減ってはきています。
ただし、「非常に優遇されている」という一番左の回答は、むしろ増えている、という逆転現象もあります。

年代別:職場における男女の地位の平等感

学校教育の平等さが、次世代に良い影響をあたえている、という流れだと良いのですが、「男性が非常に優遇されている」と思う割合をみると、まだまだなにかの壁が厚いことを感じさせます。

ご自身の感覚と照らし合わせて、いかがでしょうか?

私は昔から共働きのこともあり、家庭ではさほど感じでいませんが、職場では、一般職はさほど差がないものの、管理職では男性優遇を非常に感じます。

男性優遇の理由は、会社側が「男性であれば長時間労働等の無理が効く」と思っていて、男性社員もそれをわかって応えている、という関係性にあるのではと思っているので、優遇が羨ましいかといえば、全く羨ましくありません。

ですが、男性管理職がそういうスタンスなので、女性も管理職になったら同じことを無言で求められている、ように感じます。

男性優遇というと一見いいようですが、男性サイドも優遇される「代わり」の辛いことも多いのではないかと思います。

平等に、しんどくない程度で働きたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?