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英語が話せない大学生が外国人と周る現地発着バスツアーに参加しちゃった話【前編】

初めての海外旅行のことを覚えていますか?

幼いころに家族で行ったので記憶にないという人もいるかもしれませんね。

わたしの初海外旅行は大学2年の冬、2000年の2月です。

遅咲きのデビューでした。

その初めての海外旅行でわたしはなんと、ロンドン発着の英語バスツアーに参加してしまったのです。

英語が聞けない・話せないのにもかかわらず……。

奇しくもこれを書いている今も2月。

初の海外旅行から24年後です。

24年前の珍道中について、わたしの記憶に残っているうちに書き記そうと思います。

お時間のあるときに気楽に読んでいただけるとうれしいです!


無謀な初海外旅行

当時わたしは教育学部の英語専攻の学生でありながら全く英語が聞けず、話せず、でした。

「このままじゃいけないよね」

「英語教員目指すのに海外旅行の経験ないって痛いよね」

同じ学部の同級生であるノリちゃんとはそんな悩みを語り合っていました。

ほかの同級生2人が1ヵ月ほどのアメリカツアーに参加し、たくましく成長して帰ってきたのを見て、自分たちも何かしなきゃという焦りがあったからです。

「ノリちゃん、とりあえずわたしたちも海外旅行に行こうよ!」

そう提案したのはわたしだったと記憶しています。

わたしたちの通う大学では第二食堂の二階に大学生協がありました。

大学生協で旅行の手配ができるので、わたしとノリちゃんはとりあえず生協に行ってみることにします。

これがこの無謀な旅の序章とは考えもせず……。

当初はもっとシンプルな海外旅行をイメージしていたのです。

ですが、生協の窓口にあったコンチキツアーのパンフレットを見た瞬間、わたしたちの胸は高鳴りました。

ロンドン発着!ヨーロッパ11カ国、21日間の旅!メンバーは世界中から参加

なんだこの魅力的なツアーは?

でも、11ヵ国、21日間ってことはお値段もそうとう高いんだよね?

そう思って価格を確認すると、当時の日本円で20万〜30万で私たちでも手が出せそうでした。

これしかない

そう思いました。

すこし賢い学生なら、英語が聞けない・話せない状態でこのツアーに参加することの無謀さにすぐに気がつくでしょう。

ですが、残念ながら私たちはそこまで賢くなかった。

それが無謀かどうかなんてことは考えもせず、英語に触れられ、格安でヨーロッパの主要都市を巡れるということにただ舞い上がっていました。

そして世間知らずのハタチの若者の判断力により、この旅は決行されることになります。

コンチキツアーとは?

ここでコンチキツアーについて少し説明しておきます。

コンチキツアーは若者のためのリーズナブルな現地発着のツアーです。

参加資格は18歳〜35歳、移動手段、宿、旅先でのアクティビティが含まれています。

旅好きの若者が世界中から集まるので、旅を通じて世界中に友達を作ることも可能です。

当時もそんなに知名度のあるツアーではなかったので、今もあるのか心配しながら調べてみたらまだ存在していました!

現在でも大学の生協をはじめ、日本の旅行代理店を通じても申し込みが可能なようです。

なんと、わたしたちが当時参加したツアーと同じものが今でもありました!

”Winter Wonderer Europe” / 24 days, 11 countries 

”Winter Wonderer Europe” / 24 days, 11 countries

わたしたちの時はたしかパリ→リヨン→ニース→カンヌでした。

バチカン市国が抜けていたり、フレンチ・リビエラやプラハが追加されていたりと、ところどころルートが変更されていますが、おおよその日程は当時とあまり変わっていない!

懐かしさがこみ上げます!

待ち合わせはロンドン市内のホテル

話を当時に戻しますね。

メンバーとツアーガイド、ドライバーとの顔合わせを兼ねた事前ミーティングがツアー開始前日にロンドン市内のホテルで開催されます。

それに参加するために、私たちは前日には指定されたホテルに到着するように日本を発っていました。

大韓航空でソウル経由、15時間くらいかけて行ったのは覚えていますが、ヒースロー空港からホテルまでどうやってたどり着いたか思い出せません。

たしかTUBE(ロンドン市内の地下鉄)に乗ったと思うのですが……

いかんせん全く覚えていない。

おそらく相当てんぱっていたのでしょう。

わたしより少し英語ができるノリちゃんが頼りだったと思います。

ノリちゃんは命の恩人です。

いまさらながらありがとう……!

メンバーを見て愕然

事前ミーティングはホテルのロビーで行われました。

続々と集まってくるメンバーを見てわたしは愕然とします。

ツアーガイドとドライバーは英語ネイティブ、鼻にピアスしているロックなねーちゃん、やたらいちゃつくメキシコ人カップル、態度と体のでかいオージー。

英語が聞けない・話せない以前に、外国人とまともに接したこともなかったわたしは凍り付きました。

こ、これは……

わたしたち、完全に浮いてる……

わたしはこの旅でやっていけるのだろうか……

ワクワクするはずの前日ミーティングで逆に不安がつのり、ゆううつなまま初日を迎えたのでした。

英語での指示が全くわからない

初日、ロンドンからバスごとドーバー海峡を渡ってパリに向かいました。

バスの中では、ツアーガイドの説明や指示は全て英語でした。
(当たり前です)

ローマで逆立ちさせられるツアーガイドとドライバー

初日のテンションの高さも相まってか、メンバー達はツアーガイドのジョークに爆笑し、すごい盛り上がりをみせます。

わたしとノリちゃんはその雰囲気に全くついていけず、というか何を言っているかわからず、完全に「貝」になりました。

心優しく話しかけてくれるメンバーもいましたが、

I am from Japan 
University student 

そんな基本情報しか言えなくて会話が盛り上がらず、少し話してまた貝に戻る。

バスに乗っている間はそんな感じでひたすらひっそり過ごすしかありませんでした。

来る日も来る日も、ツアーガイドは日程を英語で説明しました。
(当たり前です)

どこに向かっている、何時くらいにどこでトイレ休憩をする、何時に出発するからそれまでにもどってこい、ここは〇〇が有名だからぜひ行ってみろ。

日本人添乗員さんが説明するような内容が全て英語になり、何ひとつまともに理解できませんでした。

ノリちゃんに今何て言っていたかわかる?と聞くと、彼女はなんとなくこう言ってた気がする〜、とほんわかと教えてくれました。

ノリちゃんのマイペースな感じにどれだけ救われたかわかりません。

ノリちゃん、本当にありがとう……!

さらに救いだったのが、わたしたち以外にもう1組、日本人の女子大生二人組が参加していたことでした。

都内の某お嬢様学校在学のA子とT子です。

どうやら彼女たちの英語力もノリちゃんと同じくらいのようでした。
  
この状況下においてわたしたち4人は結束するしかなく、すぐに仲良くなります。

ホテルにて。左からノリちゃん、A子、メイ、T子

   
以降、ツアーガイドからの業務連絡は4人が協力して聞き取るようになりました。

4人で協力したからこそ、異国で取り残されて凍え死ぬことなく最後までツアーに参加できたと思います。 

スイスの雪山にて
スイスで本場のチーズフォンデュを前に

A子とT子にはあれ以来会ってないし、今となっては連絡も途絶えてしまいましたが、この場を借りて改めてお礼をいいたいです。

二人とも元気にしているかな?

当時は本当にありがとう!

   (後編に続く)


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