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花火と月

仕事を終えてから
花火を見に行った。

隣町まで車で10分ほど

夕食食べてたら
見逃すからと

少しパンをかじって
花火会場へ。


車を少し離れた場所に置き
テクテクと歩く。

ここの花火は、はじめてで
どこで見たらいいのかな?

って思っていたところ

車を誘導しているお兄さんが
「こんばんはー」と
声をかけてくれたので

どの辺で見たらいいかを聞いた。

とても優しく丁寧に教えてくれて
なんだか嬉しくなった。

人とのふれあいとは
こういうものだと思った。


会話だけで
ココロがほっこりする。


いい夜はだなぁ、と思いながら
歩いていたら

わたしの名前が聞こえる
 
 
マスクを急いで外しながら

「ぼく!航平!」

わぁぁぁー
元教え子の航平が
照れ笑いしながら話してる。

 
元気?大学生なんやよね。
声かけてくれて嬉しかったー!
 
ありがとうね!
お友達に置いていかれるから
早く戻って、戻って!

 
「うん、大丈夫。また、ゆっくり。」
 
と去っていった。
 
背も、髪も伸びて
たくましくなっていた。
 

暗がりなのに
わたしを見つけて
声をかけてくれたことが
 
ほんとに
ほんとに
嬉しかった! 
 
 
それから
短いけれど
 
美しい花火を見た。
 
 
いい夜だな
 
いい花火だったな。
 
 
と思いながら
車のほうに歩いていると
 
 
さっきの車を誘導していた
お兄さんが
 
「花火、見れましたか?」
 と声をかけてくれた。
 
 
はい、お陰で
とっても綺麗に見えました。
ありがとう!
 
 
と言うと
 
 
「よかったですー、おやすみなさーい」
 
とお返事をくれた。
 
 
歩きながら
 
気持ちのふれあいって
こうなんだよね
 

とっても、気持ちがよくて
清々しいものなのよ
 

お兄さん優しいかったな。
 
航平、嬉しかったな。
 
って思っていたら
泣けてきた。
 
 
不安なことがあった日だったけど
 
花火の夜に出会った人たちに

 
いい夜にしてもらった。
 
 
いい夜だ
 
 
とっても
とっても
 
いい夜だ。


 
ありがとう。 
 

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