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藪から棒に文学論 おかしみ論5

「よくわかったような、わからないような」
「つまり、よくわからなかったんだね」
「まあね。チョコがもらえたと思ったら、もらえてなかった、それに気づいて勘違いしてた自分がちょっと滑稽に思った。それがおかしみってったって、ねえ」
西脇順三郎はこんなことを言ってるよ」

人間の存在の現実それ自身はつまらない。この根本的な偉大なつまらなさを感ずることが詩的動機である。詩とはこのつまらない現実を一種独特の興味(不思議な快感)をもって意識さす一つの方法である。俗にこれを芸術という。

「つまらなさを感ずる、それが芸術なのかい」
「そうさ。僕の言葉でいえば、いったん持ち上げて落とす。これさ」
「う~ん‥」

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