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20190612 ハチ北②

雨の予報だったが、朝起きると晴れている。
泊めていただいた宿の方にバンを出してもらって、山の中を歩く。

運転中、不意に車を止めて木を指差す。この木にはサルナシというキウイの原種が成るそうだ。小さくて、半分に割ってスプーンで食べるとめっちゃうまいと言う。想像しただけで口の中によだれが滲む。
キウイはオスとメスを植えないと実がならないらしい。知らなかった。不便でかわいい。

前回ハチ北を訪れた際は夜だったので気づかなかったが、ハチ北高原、緑が濃い。

車で走りながら、この田んぼは誰々のところの、あの人は誰々のおじいちゃん、といちいち説明してくれる。

植物や生き物のの名前クイズ、子供にもどったような気分だ。
おかげさまで、ひとりしずかとふたりしずか、紋白蝶に似ているキアシドクガの名前を覚えた。

キアシドクガは本当に足が黄色い。レゴのような黄色だった。でも毒はない。
白いハネで懸命にぱたぱた舞っていると黄色いアシがちらと見えてかわいい。ハネはうっすらと透けていて、モンシロチョウよりきれいだと思った。
キアシドクガは自分の育った木の周りを飛び回り、そしてその木を枯らすのだとか。

不意に、窪みのように涼しい場所に出て、そこからしばらく進むと昇竜の滝がある。
ここは真夏でも涼しいらしい。天然のクーラーなのだと。そういえば、ハチ北は水が冷たいと聞いた。
ため池は蛍スポットで、ハチ北にはたくさんの蛍がいる。
源氏蛍、平家蛍、姫蛍、光らないものも含めるとかなりの種類がいるのだそうだ。

苔って滑りそう。そわそわしながら見ていた。

この草、氷河時期の置き土産と言われているらしい。ロマンだな。
ここ大沼湿原は、春先は水の中にある。冬の間雪に埋もれていて、春になると雪が溶けて水に沈む。夏前になると、鬱蒼と茂った草がようやく顔を見せるのだそう。すごい。ロマンしかない。見たことのない色の虫がたくさんいた。

今回はじめて夏のスキー場という場所に訪れたのだけど、やっぱりぜんぜんちがうんだな、生命をかんじる。なんだか色っぽいかんじがする。
冬にハチ北スキー場に来たことのある人にもぜひ違う季節の顔を見てみてほしいなと思った。

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