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(21)湧水を汲んで野草を摘みながら、日本中を車中泊旅した話


自分に合う森を見つけるための車中泊旅


インドから帰ってきてからは、いよいよ生業として自分の拠点を持とうと思い、自分に合う森・土地が知りたくて日本中を車中泊旅した。

まゆは自然の中で生き生きする。
芝生や自然の中でピクニックするのが好きだし、野草も摘みたいし、森でぼーっとするのも好きだし、川で泳ぐのも好きだから、それを泊まりにきたひとと共に分かち合える宿がよかった。だから森や自然がすぐ近くにある拠点を持ちたかった。

でも自然がすぐ近くにあるのはだいたい地方で、地方にはだいたいそれぞれの色や味や文化やエネルギーがある。

そこを知らずに
そこに触れずに
突然物件を借りるのはリスクがでかい。
借りてから、『あ、この土地自分に合わないな』ってなったら面倒だから、すべての土地を巡って、自分の肌で感じて、決めたいなと思った。

自分がピンとくる土地と出会い
ピンときた土地で宿をやる物件を見つけたかった。

北海道も行ったし、東北も行ったし、群馬から九州も行ったし、四国も行った。本当に日本中を軽バンで旅をした

山を走るとなったらやっぱりエンジンの性能が良いSUBARU、ということでサンバーバン
おふとんしいて車中泊仕様に
ギターも持って車中泊旅した
いつでも車の後ろにいけばごろんができるのがしあわせだった。横になってごろころするのが大好きなのでわたし。


湧き水、野草、川での暮らし


車中泊旅では、日本各地の湧き水を汲みながら、野草を摘みながら、たまにその土地の温泉につかりながら、進んでった。

日々の飲み水を確保するために、日本の湧き水スポットから湧き水スポットへと。
それは自然と川沿いを走り、山の中を走るルートとなり、日本中の自然豊かな中を車で駆け巡ってとてもたのしかった。

基本的には湧き水が湧いているようなきれいな水源には野草があるし、その近くにはだいたい川があり、川でお風呂、お皿洗い、洗濯を済ませていた。もちろん基本は水洗いで必要な時だけ重曹や米ぬかなど川に流れても問題ないものを使った。

湧水汲んで、飲み水と料理をするお水と(川が近くにない時に)お皿を洗うお水に使ってた。
川で頭を洗ってる
川で洗った服を干してる。びちょびちょな服が太陽の光によって乾いていく様を見るのがまゆの喜びポイント
野草を摘み中のまゆ
おいしいハコベを摘んだよ
ほんと、山にあるそこらへんの野草を摘んでた。
これはのびる。球根は醤油麹漬けにして葉っぱは味噌汁の具に。
これはつくしとなずなとたんぽぽ葉
葉たちはごま油と醤油でサラダに。
つくしは炒めておかずに。
湧水と鍋でお米を炊いてた。
自家製お味噌でお味噌汁も。
鍋は保温機能がないので、あったかいうちにおにぎりにして、お腹が空いたときに食べる
つくしとご飯はばちばちに合うのです
山にいるときは外で作って外で食べる



自然と共生するシンプルな暮らし 

上の写真たちを見て分かったと思うが、生活の全てが自然の中で完結した。

湧水を汲めば水道がいらない。
川でお皿を洗えば流しもいらない。
川で身体と頭を洗えばシャワーもいらない。
川で服を洗えば洗濯機もいらない。
山で野草を摘めばスーパーもいらない。

お米はまゆの実家の新潟から
お味噌は自分達でつくったもの
調味料も必要最低限の良いものを

わたしたちは、知らず知らず
「それがないと、生きていけない」と思っている。

生きるには水道がないと
生きるには洗濯機がないと
生きるには冷蔵庫がないと
生きるには電気ガス水道すべてを契約しないと

と思ってる。

もちろん自分が自然の中ではなく
都市で生きる場合
住宅街で生きる場合
それが当然の事実にはなる。

でも、自分の選択次第では
それらがなくったって生きていける道もある

それを実際の実感や経験として知っていることは都会で生きる上でとても大きな価値となる。

人間と自然はこんなにも共生できる。

だけれど自分の仕事のため、自分の自己実現のため、自分の望みのため、自然から少し離れたところで、家賃を払い、契約を結び光熱費を払い、誰かが育ててくれた野菜を買い、日々を生きている。

そんな感覚でいまわたしは生きている。

でも本来は、自然の中で
ひとは、生きることができるのだ。

だから稼いだお金が生活費に消えてくことに違和感があって当然だし、生きるのに必ずお金がかかる暮らしに疲れたらすべてを放り投げたっていいし、仕事をやめたっていいし、電気ガス水道がある家を出て行ったっていい。

違う生き方、別の抜け道だってあることを知っていながら、でも得たい体験や経験があって、いまわたしは東京で生きている。

そう思えると、自然の中で生きていく際に必要となる全ての手間を電力会社や水道会社が担ってくれているのだと知れて、有り難く思えてくる。そのお礼である光熱費を「ありがとう」の気持ちで払えるようになる。都会の暮らしもよいものです。

まゆの喜びポイント


・どこか一箇所にとどまらずに常に移動した生活ができる。移動する中で行ったことのないところ、見たことのない景色がたくさん見れるところ

・自然豊かな場所に車を停めたら、その瞬間から自然豊かなおひるね場所をゲットできる

・緑溢れる中でたくさんごろごろできる

・常時、森林浴

Instagramのハッシュタグに
home is where you park it というのがある。

自分が車を停めたところが自分のおうちだよって意味。

  
 これが大好きでよく見ていた。

生活ができる車に乗って移動して、
地球のどこでだって、自分の暮らしを紡ぐことができる

そんな最高なことあるかいな、って思うし、
そう思いながら旅をしていた。

まゆにとって暮らしを紡ぐってのは
自然の恵み(水、野草、太陽等)をいただいて感謝して、生活(飲む、つくる、食べる、服を乾かす等)をすること、ねむること、おひるねすること、ギター弾いてうたをうたうこと、目の前の大切な人と会話を交わすということ。

この車中泊旅は、2016年に乗った地球一周の船で出会い、4年間パートナーとして共に生きていたひとと一緒にめぐった。

この生活を共にできたこと、
この旅を共にできたこと、
ほんとうに尊い経験となっている。

ギター練習
自然の中ですぐにごろりん
緑の空気をいつだってお腹いっぱいに吸える生活
太陽の光でお布団干して


日本中を巡った結果

そうやって、日本の県から県へと、湧水から湧水へと、森から森へと、車で移動してく中で、ピンときた森は岐阜だった。

岐阜の森・川はマイルドだった。エネルギーが。
そしてとてもきれいな川がたくさんで、湧水もおいしかった。
自分の身体が喜ぶ感覚があった。

岐阜のあとも九州まで旅をしていたけれど、
全部の県振り返っても、岐阜がよかった。

旅の途中で、『早く岐阜に帰りたい』という感情が出てきたほど。Instagramの投稿でも自分で突っ込んでるけど、故郷でもないのに、身体が岐阜を求めてた。



だから、日本中の車中泊旅を終えて次は
生きる全荷物を車に積んで
岐阜中で空き家さがしの車中泊旅に出た。

 
たまたま出会った人の家で仮住まいさせてもらったり、車中泊をしたりしながら、岐阜のきれいな川で生活のすべてを済ませながら、ネットで見つけた岐阜中の空き家をひたすら内見する日々。


こだわりが強くて妥協できなくて、
家探しがなかなか上手くいかなくて
気が滅入るときもあった。
理想のおうち、見つかるのかな?って心配もたくさん出てきた。

でも、焦らないこと、信じること、時には「待つ」ということを、自分に言い聞かせて、物件探しの旅を続けていた。


そうしたら、無事に出会えたのです。
そしておうちを借りた数日後に早速、宿をオープンさせました。
日本の美しい村百選に選ばれている岐阜県の東白川村。
家の目の前は川、車ですぐのところに誰の目にも触れない森、家には畑、そこらへんには野草、日当たりもばっちり。


おうちと出会えた経緯や宿の様子は次回の記事で。


読んでくれて、ありがとう。

とってもよろこびます♡