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法律事務職の経験が子育てのマインドにつながった話


①法律事務所での仕事

夫の転勤で引っ越しをすることに
なるまでの約4年間、

法律事務所で事務職として
働いていました。

大手ではなかったものの、
顧問をしている会社の数が
100社近くあり、

いろいろな会社の社長さんや
人事担当の方が打ち合わせに訪れていました。

毎日3~4社の顧問会社の訪問にくわえ、
新規相談のお客様の予約が入ることもあり

応接室の空調管理や整とん、
お客様のご案内、 お客様へ茶菓のおもてなし、
食器の片づけをし

自分のデスクでは、
弁護士の先生から依頼された
裁判所への提出書類づくり、
FAX送受信や証拠品の撮影、
コピー、書類のファイリングなどを
行っていました。

先生方はたくさんの案件を抱えて
いて、 
裁判所へ送る書類が毎日発生するため

お客様対応の合間をぬって
書類送付の準備をおこない
その日の郵便にのせられるようにします。

翌日に持ち越すことはできず、日々
時間との闘いでした。

緊急性が高い仕事が入った時には、
その仕事を最優先におこない、
時間に間に合うよう必死に頑張ります。

②それまでの仕事との違い



法律事務所に転職する前と
前々職ではマネジメント職
だったこともあり、

その時は年間の計画を考え
一週間先、一カ月先を見越して、
その日にやるべきことを判断し
仕事を進めていました。

業務の振り分けや、
シフト決めもおこない、
いろいろな場面で 最終決定を
わたし自身がすることも多く

会議で自分の考えや意見を伝えたり
一から新しい企画を作ることも
ありました。

法律事務所に転職して、
そのような働き方とは全く
逆のスタイルになりました。

というのも、

法律事務所では
弁護士の先生から依頼された仕事に
全身全霊をそそぎ、黒子に徹することが
事務職の任務となっていたのです。
先を見通して計画的に仕事をする、
というよりは、日々、その日に頼まれた仕事を
その日のうちに完了させる、というものが
ほとんどでした。

(※法律事務所の規模や方針によって、
事務職の仕事の範囲は異なります)

法律事務所なので、
深刻なトラブルや心配事を抱えた
お客様からの相談が毎日たくさん届きます。

そばで聞いているだけでも、
心が痛んでしまう内容の相談も
時にはありましたが、

先生たちは冷静に対応をされ、
間に入り、双方が納得できるよう、
必死に交渉にあたっていました。

交渉に必要な書面の作成、証拠の収集を
夜遅くまでされている先生方たち。

先生たちが快適に仕事ができるよう

頼まれた仕事に対し
丁寧で正確に、そしてスピーディーに
おこなうよう心がけました。

先生方はゆっくり食事をとることが
できない日が 多く、
時間と戦いながら
案件の解決に奔走されていました。

裁判や打ち合わせの時間が長引き
お昼休憩に出かけられない先生方のために
お弁当を買いに行くこともありました。

顧問の社長さんなどに頼られ、
的確なアドバイスをしている先生方は
尊敬できる方ばかりで、

「先生ファースト」を徹底し、
先生方が働きやすいように裏で
サポートする法律事務職の仕事にやりがいを
感じていました。

そして、この4年間、
だれか (=弁護士の先生)のために 
尽くした経験があって良かったと
気づいたのが、 子供が産まれて
育児をするようになった時でした。


③だれかのために尽くすということ

子供が産まれると、まさに生活全体が  
「子供ファースト」になりました。

夜中に何度も授乳のため起き、
泣き声が聞こえたら飛んで行き
熱が出たら心配してすぐ病院へ連れて行く。

歩き始めてからは、
転んだ時にけがをしないよう、
テーブルの角を保護し

フローリングは固くて、
足音が階下に響いてしまうので、
フロアマットを敷き詰めるなど、

部屋に子供のための安全装置が増えていく。

おしゃれなインテリア、
理想の部屋とはかけ離れ

洋服も持ち物も、子供と一緒に過ごすことを
考えて変化しなくてはいけなくなりました。

できなくなったことの多さを感じて 
残念に思うことや

子供が生まれる前の自由な時間を
懐かしく思うことも
たまにはありました。

今でももちろん、あります。

ですが、
子供ファーストに徹することに
法律事務所で働いていたときに
感じたものに似た、
ある種のやりがいを感じてもいます。

わたしの人生で、子供ファーストに
過ごすのは おそらく10年ちょっと。

そのうち子供は自立し
じきに親の手助けを必要としなくなります。

親離れをしていくときを想像すると、
今の、子供に手がかかる時間という貴重な
ときを楽しく、大切に 過ごしたいと思うのです。

法律事務所で働いていた時、
ステップアップのため事務所を移籍する先生が
事務所を去るときの挨拶で

「弁護士は事務職の人がいないと
仕事ができません。

いつも笑顔で仕事を引き受けてくれて、
働きやすくしてくれて感謝しています 」

と言ってくださったことがあります。

その先生が笑顔を褒めてくださったように

いつか、子供が成長したときに、

「ママ、いつも笑顔で育ててくれたね!」

と思い返してくれたら 嬉しいです。

今は息子との時間を最優先にし
子供ファーストを楽しむことにしています。

法律事務職として
だれかの為に最善を尽くすことの
やりがいを知ってから子供を
授かって良かったです。

神様が

「だれかの為に尽くすことの
喜びが分かったあなたに
そろそろ子供を授けよう」 
と決めて

そのタイミングで
わたしの所に赤ちゃんを
運んでくれたのではないかとさえ、
思ってしまうのです。

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