ご縁が生まれる土鍋ごはんの会とは?

土鍋ごはん会とは

2011年から定期的に開催し続けている、みんなで土鍋でごはんを炊いて食卓を共にする時間を味わうワークショップです。

2011年~東京で
写真は、2016年〜の仙台での土鍋ごはん会の初回会場のKaffetomteさん


これまで延べ500人以上の方に参加いただいたでしょうか。

大切につくられたお米を参加者みんなで土鍋で丁寧に炊きあげて、五感を全部使ってしみじみ味わいます。

炊いているうちから漂う、あま〜い匂い
蓋を開けた瞬間の、ふっくらツヤツヤぴんぴんのお米
口に入れて広がる、ほっかほかな美味しさ

この瞬間がたまらない!

美味しいごはんが真ん中にあると、初めましての人たちもたちまち笑顔に、ほっこり心もほぐれて、いつのまにか、お話がはずみ、ゆるくあたたかなつながりが生まれます。

2017~19年 仙台のゲストハウスHostel KIKOでは毎月開催
ゲストハウスに宿泊された海外のゲストと地域の方々みんなで食卓を囲んで国際交流も

土鍋の魅力に気づき、謎の使命感に燃え上がる

この会をスタートさせたのは、2011年に、丸の内朝大学で、三重県の地域プロデューサークラスの受講をきっかけに萬古焼の土鍋に出会ったのがきっかけです。

なお、今流通している土鍋の8割が主に三重県四日市で作られている萬古焼と言われています。三重県は他にも伊賀焼の土鍋がありますが、私が使用しているのは、萬古焼で三鈴陶器さんのごはん鍋という土鍋です。

まあるい形のごはん鍋

萬古焼は、強度が高いのが特徴で、特にこのごはん鍋は、通常の炊飯はもちろん、空焚きや電子レンジ等も利用もOKなので、炒め物や煮物といったおかずの調理に使ったり、焼き芋を作ったり、炊いたご飯を土鍋のまま冷蔵庫で保管して電子レンジで温めて食べる……と言ったこともできる、万能調理器具です。

土鍋は、冬のお鍋くらいのイメージしかなかった私。
その使い勝手の良さを知って、
「こんなに素敵で素晴らしいものを何で今まで使わなかったんだろう」と思うと同時に、「こんな素晴らしいものが誤解されて使われないのは勿体なさすぎる!!もっと土鍋の良さをみんなに知って使って欲しい!!これは、気づいてしまった私が伝えていかなくては!!!」
という謎の使命感に駆られて、同じ想いを持っていた相棒のKuma3と、土鍋ごはん会をスタートさせたのでした。

最初は、土鍋ごはん×〇〇(地域、食材、生産者)といった形のイベントを不定期で開催。丸の内朝大学から始めただけに、出勤前の朝7:30~8:30でイベントを開催するとか。我ながらかなりパワフルだった……

認知が変わり、食生活が変わり、選ぶものが変わり、人生が変わった(多分)

実際に、土鍋でごはんを初めて炊いた時、それまで土鍋は扱いが面倒で難しく、土鍋で炊いたごはんは、居酒屋で食べるもの、という私の認知が見事にひっくり返されました!

火にかけている時間はたったの15分程度。浸水時間を含めても、炊飯器より早い!
しかも、かなり適当!で炊ける!(水加減も内側のラインにざっくり合わすだけ)全然失敗しない。

それなのに……

めちゃくちゃ美味しい!!!!!

ワクワクしながら蒸らす時間をまち、蓋を開けた瞬間に飛び込んでくる、真っ白ツヤツヤ、ピンピンと粒立ちしたお米たちの綺麗なこと!

普段は適当に、「ながら」でごはんをすませていた私が、この日ばかりは、丁寧にお茶碗によそい、机の上を綺麗にして並べ、手を合わせて拝むような気持ちで「いただきます」をしたことを覚えています。

口に入れた瞬間から、甘い!
噛めば噛むほど甘い。
お米ってこんなに味がするんだ……!
じんわりとじんわりと、体においしさが染み渡ります。
「ああ、幸せだ……」
どこからともなく、そんな充足感にもにた幸福感が湧いてきました。
自分自身が、とても満たされていて幸せでした。
それは久々に味わった感覚でした。

消費から選択へ

それから、
どうせ美味しいごはんを食べるなら美味しいお味噌汁も欲しいな。(最初は即席味噌汁から)
料理してみようかな。(ほぼ毎日飲みに行っていたので、料理してませんでした。)
調味料って言っても、いろんな種類があるんだ。どうせなら美味しくて体にいものがいいな。
せっかくだから、好きな器で食べたいな。テーブルも綺麗な方がいいな。

そんなふうに、少しずつ少しずつ、自分の選ぶもの、ライフスタイルが変っていきました。その過程で、自分がなにを大事にしたいのか、自分は何に喜びを感じるのか、といった自分の内側に向き合うようになっていったのです。

そして、社会人になってから、ずっと感じていた、自分自身を「浪費している感覚」「消費している感覚」が、「自分を大切にしている感覚」「自分を大事にすること」に意識をむけられるようになったのです。

これは、自分にとっては本当に大きな変化でした。
最初はただ、その便利さに興味を持って、土鍋でごはんを炊き始めただけだったのですが。

この自分自身の経験から、忙しい人、頑張っている人、私の周りで言うと仕事を頑張っている男女にこそ、土鍋でごはんを炊いて欲しいな、と思うようになりました。

土鍋ごはん会を続けた結果見えてきたこと

そうして、不定期にイベント的に開催してきた土鍋ごはん会でしたが、ある時、イベント楽しかったよね!で終わるのでなく、参加された方が、土鍋ごはんを生活に取り入れるきっかけになって欲しい、という気持ちが湧き上がり、自分自身で土鍋でごはんを炊ける経験、と、おいしさをゆったりと味わう場を提供していきたい、と、少人数限定で月一回の定期開催を始めました。

それぞれが、じっくり土鍋と向き合い、五感で感じる時間……ゆったりまったりな落ち着いた時間……のつもりで始めたのですが……

蓋を開けてみてびっくり!

土鍋ごはんが炊け始めるとともに、「いい匂い〜!!」「わ〜吹いてきた!」など、参加者同士のおしゃべりが始まり、蓋を一斉に開けると「わ〜!!!!!」と大歓声。
そこから、炊き上がったごはんを分け合ったり、ごはんのお供を取り分けしあったり……和気あいあいとした空気に。
話が盛り上がりすぎて、終了時間がすぎても、片付けの時間も、ずーっと参加者さん同士が話していたり。
そこから生まれたつながりで、後日飲みにいく人たちが出てきたり。

美味しいごはんを通して、たくさんの会話と笑い、つながりが生まれていったのです。

土鍋で一緒にごはんを炊くという共通体験と、五感を使ってその空間を味わい、おいしいごはんを食べることで、心と体が緩み、肩書や役割を気にすることなく、誰もが素の自分でその場にれる時間がもたらす、あたたかなゆるいつながりだと感じました。

よわいつながりをつくる場

様々な理由があって、2019年から中断していた土鍋ごはん会
今、あらためて、この人と人が素で繋がれる場として、開催していきたい。
という想いから、2024年4月から再スタートさせました。

興味のある方、ぜひ一度足を運んでいただけると幸いです。


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