「ママの小さい頃」
「ママと小さい頃」というタイトルのエッセイ集。
母方のおじいちゃんが付けていた日記を文字にして製本したものだ。
そういえば何年か前に祖父に貰ったなと、大掃除をしていて思い出す。
「ママ」というのはわたしの母親のことで、「小さい頃」なので、"ママ"が3歳の頃から始まる。
わたしの母親を"ママ"と呼ぶのは紛れもなくわたしなので、つまりそれはわたしに宛てられたエッセイ集ということになる。
※
筆者→祖父
鮎→祖母
由紀→母
ふみ子→叔母
◯昭和51年8月29日
◯昭和55年1月8日
◯昭和58年1月2日
◯昭和58年5月5日
◯昭和60年3月10日
◯平成4年5月3日
わたしがおじいちゃんがタバコを吸っているのを1回も見たことがない。本当にこの日を境に辞めたのだろうか。
随分と日が空いてわたしの母親は就職し、叔母は結婚し、そしていとこが生まれている。
◯平成11年5月31日
そして、
◯平成13年3月21日
「まだ、名前がついていないあなたへ」
わたしは秋田にいる祖父に電話をかける。
「おお、真由ちゃんか〜、声が似てるから由紀ちゃんかと思ったよ〜」
と毎回お馴染みのセリフを言う祖父の声、
電話越しにその白髪混じりの頭、歳の割に若くてはっきりとした顔と、
そんな祖父を呆れたように笑って見つめる祖母を想像する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?