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【子どものことをよく見る】子どもにラベリングする前に。(1)

4月17日(水)

今日は朝から雨。しとしと音の中で目が覚めて傘をさして散歩をしました☔

先週、デンマーク視察の為のキックオフ会議をしたのですが
一緒に企てている仲間は、東京で”教育”に携わる2人です。

だから、お2人と話しているだけでも本当に勉強になる…
というキックオフだったのですが、そこで印象的だった、「こどもの世界の見え方」について書いていこうと思います。

教育現場の先生方全員に知ってもらいたいことです。

仲間の一人である藤城祐子さん(以下祐子さん)は、小学校の先生を退職後、学習塾という形で子どもたちの支援を行っています。

2019年にデンマークに行った際も、子どもたちの身体の使い方について、本当によく口にされていました。彼女は公認心理師でもあり、「ディスレクシア(読字不全)」を専門として子どもたちの支援に関わっているのですが、そこで出てきたのが、「斜視」の話題です。

※ディスレクシアとは、LD・SLD(限局性学習症)のタイプのひとつで、字を読むことに困難がある状態を示します。読字障害、識字障害、読み書き障害、難読症などと呼ばれることもあります。症状には個人差がありますが、文章を正確に読むことが難しい、すらすら読むことが難しい、読むことができても内容を理解することが難しい、などの困難を抱えることがあります。

ディスレクシア(読字不全)とは?症状の特徴や生活での困りごとは?

斜視があると、ものが二つに見えたり、ずれた側の目でみる像がぼやけて見えるという症状が出て、子どもが無意識のうちにその目を使わなくなって視力の発達が妨げられてしまう場合もあるそうです。

つまり、ディスレクシアと言う前に、そもそも「ちゃんと見えていない」というケースがあります。
そこに着目し、もう50人以上の子どもたちに適切な検査を進め、子どもたちの症状に合った眼鏡を作ることによって、子どもたちの生きづらさの軽減に繋がったケースが沢山あったそうです。

これまで、変な場所でつまずいてしまう、指示が分からない、友達に手が出てしまう等、そんな子どもたちが、「正しく見える」ことによって落ち着きを取り戻し、またディスレクシアとされていた子どもたちが、本を読むのが大好きになった、そんな例もあったそうです。

そのことについて書かれた記事があります。祐子さんとドイツマイスター眼鏡院の中西さんとが対談した記事。

対談の中で祐子さんはこんな風に話しています。

中西さんの店で検査を受けられたお子さんのお母様がたは、皆さんとてもショックを受けるんです。わが子がちゃんと見えていなかったのに、今まで気づいてあげられなかったと。でも、お母さんが悪いわけではないのです。
学校の教員はもちろん、眼科でも眼鏡屋さんでも気づかれなかったわけですからしかたないですよね。ただ、私たち大人は、その見えない状態で何年も苦労していたその子の大変さをわかってあげなければいけないと思いましたね。

正しく見えたら、「できる」「わかる」が増えた (前編)


連日紹介している、ケーキの切れない非行少年たちの中でも、斜視についてではありませんが、実は同じようなことが書いてあります。

第1章「反省以前の子どもたち」という章の中で、ちょっとしたことでキレて、暴れ回る少年について触れられていますが、ある認知検査を実施したところ、彼に見えている「歪んだ世界」が分かってきました。

複雑図形を見ながら模写をする、という検査において、見ながら書き写したのにも関わらず、少年が書いた図形はかなり歪んでいたのです。

※レイ複雑図形検査(神経心理検査)

つまり、非行に走る子どもたちの中には、祐子さんの言うように、
その見えない状態で何年も苦労し、誰よりも本人が困っているのにも関わらず、周囲にはそれが理解されず、
“不真面目だ、やる気がない”
と厳しい指導をされ続けていたかもしれないのです。

こんな状態では、心が折れてしまうのも想像に難くありません。だって、他のみんなが見えるように、見えていないのだから。

本来は支援されないといけない子どもたちが、
その大変さに気付かれず、自分でもどうすることもできないままストレスをため、最悪の場合、非行という形で爆発させてしまいます。

非行は、突然降ってきません。

“子どもが少年院に行くということは、教育の敗北”だと、

「ケーキの切れない非行少年たち」には書いてあります。

祐子さんのお話が読んだ本とリンクして、
脳ミソフル回転してシュートしてます🤯

明日、もう少し続きを書きます。おやすみなさい。

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