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和ハーブのいろは 6の2


食 人の身体は植物からできている
薬 健やかさを支える植物たち
色 匂い立つ生命の彩をいただく
浴 日本の宝の習慣”香温浴”
繊 紡ぎ綾なす草木の縁
粧 魅力を引き立て隠す術
礼 神を導き仏を癒し邪を払う
環 場を”整える”植物たちのちから
材 暮らしの基本は草木が造る
毒 毒と薬は”紙一重”は先人の知恵

『和ハーブ図鑑』古谷暢基・平川美鶴(著)/一般社団法人和ハーブ協会 (編集・発行). 2017/8/26. p.4-13. 「序章 和ハーブと日本人の暮らし」 より


初めまして
和ハーブの勉強を始め、noteデビューしました
和ハーブ にほんのたからもの』(古谷暢基・平川美鶴(著)/一般社団法人和ハーブ協会 (編集). コスモの本. 2017/6/30. p.217)を軸に、整理した語彙、概念、内容を、自分用の補完情報も付加しつつ、メモ帳代わりに記録しております
どうぞ、宜しくお願い致します

📒主要テキスト
和ハーブ にほんのたからもの』古谷暢基・平川美鶴(著)/一般社団法人和ハーブ協会 (編集). コスモの本. 2017/6/30. p.217
📒サブテキスト
和ハーブ図鑑』古谷暢基・平川美鶴(著)/一般社団法人和ハーブ協会 (編集・発行). 2017/8/26.  p.297
📒おすすめ関連図書
8つの和ハーブ物語〜忘れられた日本の宝物〜』平川美鶴・石上七鞘(著)/古谷暢基(総合監修).  産学社. 2015.4.25. p.153

和ハーブとは
古来、日本人の生活と健康を支えてきた
日本のハーブ(有用植物)たちのこと

和ハーブ にほんのたからもの
カバーそで/冒頭より

🌿

すなわち、植物に触れること=日本の原点に触れること、そして和ハーブの「和」は「日本」というだけでなく、「和み、調和、人の和(輪)」の意味をも併せ持ちます。「和ハーブ」とはそうした身近な有用植物の活用にスポットを当て、現在と未来に結びつけて融合する、時代が生んだ新カルチャーです。

和ハーブ図鑑』 おわりに p.293
~和ハーブから日本を知り、未来を分かち合う~
2017年 盛夏 平川 美鶴氏の文章より

🌿


≪本記事の構成≫

和ハーブのいろは 6 (多すぎてまた分割です💦)

前半 身近な場所で見つけた"和ハーブ"の実例
┗6.1オオバベニガシワ編(カシワ類整理)

後半 主要テキストについてのmy note
┗6.2 (第2章 和ハーブと食文化 p.44-)


‥のみの予定でしたが、偶々先日、緑道沿いの農園で、サルナシという和のキウイ(‥よりは大き目なのですが、予感でほんのりサルナシ‥)を彷彿とさせる実を発見して、驚き嬉しくなりましたので、初めに少しご紹介させて頂きます🥝🐝


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7月中旬 旧野川の緑道沿いの畑 柵越しに眺めて


サルナシそのものとは、大きさも生育環境も異なるので、恐らく、シマサルナシにも似た、アップル系のキウイの仲間なのでしょうか‥、交配されたものかもわかりません。ひと通り調べたのですが

(キウイって最近、こんなに色とりどりの)

(そしてこんなにジューシーそうでおっきなものまで)

(種類沢山、栽培されて、生っているのですね)


直接農家さんにお尋ねしないと確かにはわからない状況ですので💦、ここでは、”和のキウイ”として”和ハーブ”のテキストに載っていた植物・サルナシについて、サブテキストp.166-167を参照しながら、記載したいと思います


🥝


サルナシ(猿梨)~山のキウイは動物も人間も大好物

学名:Actinidia arguta
別名:コクワ、シラクチヅル
分類:カキノキ科 カキノキ属
分布:北海道、本州、四国、九州 
樹高:低木~高木

🐒


臨場感溢れるサルナシ(山地に生い茂る‥更に沖縄のサルナシも取材)の写真いっぱいの記事↓


|哺乳類の大好物『和のキウイ』


日本に存在する”野生のキウイ”、サルナシ

野生動物、特に熊や猿等が好きな果実で、名前の由来は「あまりに美味しくて猿があっという間に食べてなくなる」ことからだという

猿が木の洞や岩の窪みに隠していた山の果実が発酵してお酒になった「サル酒」は、古来、山仕事を行う人間等にとって楽しみとなる飲み物だったそうだが、その「サル酒」の代表は、サルナシの酒だったともいわれる

果実の見た目は現在のニュージーランド産のキウイ(中国産🥝がNZへ旅立っていわば移住、その後世界に広まったもの)と少し異なり、小さな直径2-3cmほどの実で、黄緑色。表面に毛はなく皮ごと食せるもので、その他、味や香りはキウイに似ていて、酸味と甘味が調和するが、キウイより濃厚でコクがある

ビタミンCやミネラルを豊富に含み、山岳地域の人々の貴重な栄養源でもあった。果実以外に、若芽も天ぷらやお浸しにして食べられ、白い花からは香り高い花酒が作れる

現在、果実酒やジャム、ジュースに加工、商品化されてもいるが、残念ながら認知度はまだ低い様子



("縄文キウイ”の商品名に、ハッ↓)


参考🖊

(↓こちらのサイト、とても分かりやすいご説明でしたので、長くなりますが以下に引用・表示させて頂きます)

さるなしはマタタビ科の植物で、山野に自生するツル性低木。5月下旬頃に五弁の白くて可愛らしい花をつける。9月~10月になると果実はモスグリーンでサクランボほどの大きさの実をつけ、熟した果実は柔らかく、キウイフルーツのような甘酸っぱさと香りが漂い、生食できるようになる。
「さるなし」の語源はサルが好んでこの実を食べ「猿が食べる梨」ということからきており、地方によっては別名として
  シラクチヅル(白口蔓)
  コガ・・・・・・岩手県
  こくわ・・・・・山形県・北海道
  ひらくち・・・・岡山県・福島県・長野県
とも呼ばれているようだ
また
「日本のキウイフルーツ」・・・味がキウイに似ていることから
「日本のマンゴー」・・・・・・芳醇な味から
「幻の珍果」・・・・・・・・・クマの好物で採取が困難、市場に出ないことから
「日本の野生果実の王様」・・・味と栄養分から
とも評されている。

味はキウイのものにとても近いわけだがそれは当然で、ニュージーランドの学者が中国の「さるなし」を持ち帰って品種改良して出来たのが実は現在の「キウイ」なのである。「キウイ」の祖先こそ「さるなし」である。


名称
和名のマタタビの由来については、古くは『本草和名』(918年)に「和多々比」(わたたひ)、『延喜式』(927年)に「和太太備」(わたたび)の名で見える[2]。
貝原益軒『日本釈名』(1699年)では、果実に長いものと平らなものができることから、「マタツミ」の義であろうという[3]。
アイヌ語の「マタタムブ」からきたというのが、現在最も有力な説のようである。『牧野新日本植物図鑑』(北隆館 1985。331ページ)によるとアイヌ語で、「マタ」は「冬」、「タムブ」は「亀の甲」の意味で、虫えいを意味するとされる。一方で、『植物和名の研究』(深津正、八坂書房)や『分類アイヌ語辞典』(知里真志保、平凡社)によると「タムブ」は苞(つと、手土産)の意味であるとする[4]。
一説に、「疲れた旅人がマタタビの実を食べたところ、再び旅を続けることが出来るようになった」ことから「復(また)旅」と名づけられたというが、マタタビがとりわけ旅人に好まれたという周知の事実があるでもなく、また「副詞+名詞」といった命名法は一般に例がない。むしろ「またたび」という字面から「復旅」を連想するのは容易であることから、典型的な民間語源あるいは単なる流言飛語の域を出るものではない。
中国植物名(漢名)は、木天蓼(もくてんりょう)と称される[5]。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』マタタビより




|丈夫な蔓は吊り橋の素材に

日本全国に分布するが、関東以西では標高600m以上の山あいに生息する。蔓性の木本植物で、他の木に巻き付いて繁殖するので、伸びた蔓がガードレールの上から飛び出していたりする

蔓は有用性に富み、丈夫で腐りにくいので、吊り橋の材料としても利用されてきた。中でも有名なのが、徳島県の祖谷渓(いやけい/いやだに)にかかる、「祖谷の蔓橋(かずらばし)」


また、蔓は水を吸い上げる力が強く、中に大量の樹液を含むので、山中で飲み水が不足した際に、切った蔓から滴る水分を口に含み、水分補給する用の植物としても役に立ってきた



🐝


この列島で、どれほどの長き悠久の年月を、人の傍で、私たちのご先祖さま方と共に、生きて来てくれた植物なのだろう


🍙道草🎒

サルナシの説明から完全に脱線するのですが、上記サルナシの蔓から水分補給できるエピソード(筆者にとっては、別世界の”エピソード”です涙)や、かずら橋の光景を目にしていたら、昨年読んだ石牟礼道子さん(1927/3/11(昭和2年) - 2018/2/10(平成30年))の作品の一節が思い浮んで参りました(季節は春先、舞台は熊本県南部の海辺の町・水俣なのですが‥🙊)

 「やまももの木に登るときゃ、山の神さんに、いただき申しやすちゅうて、ことわって登ろうぞ」
 父の声がずうっと耳についてくる。
 やまももの梢の色の、透きとおるように天蓋をなしている中を染まりながらしばらくゆき、そこを抜けてふくらみのある風の中にはいると、もう潮っぽい風の吹く岩の上である。わたしは岩の上に膝をつき、つわ蕗の葉をちいさなじょうごの形につくって、磯のきわの湧水をすくって飲む。清水は口に含むとき、がつっとした岩の膚(はだえ)をしていて、のどを通るとき、まろやかな男水(おとこみず)の味がする。
 「みっちん、やまももの実をば貰うときゃ、必ず山の神さんにことわって貰おうぞ」
 父の声がまたいう。

椿の海の記 (河出文庫)第一章 岬 p.10より
 朝の磯の静けさを椿の花々が吸っている。ここらの磯のきわの岩清水には、女水(おなごみず)と男水があり、ホキナジロの岩床の上に湧く水は、男水である。原生種の蜜柑が、岬のむこうの崖の岩壁の上にいっぱい生えている。その野生の蜜柑の樹のずうっと下の、岩の割れ目の水は女水で、かすかな青味を帯びて沈みこみ、それは甘くやわらかい味がした。

 山の神さまの祠を越えて、深い歯朶類の打ちかぶさってくる杣道(そまみち)をかきわけながら、磯に登り下りするものたちは、必ずこのようなふたつの岩清水を飲んで帰るのであった。丸くつくって柄をつけた竹の籠の中の唐藷(いも)や、高菜漬の葉に包んだ握り飯を食べねばならなかったし、山坂越えて登り下りするだけでものどがかわいたし、潮が干き切って「干しこかしてしまう」磯にいると、身体じゅうに潮気がしみて、さらに水が欲しくなる。天気のいい日の磯のきわの湧水のほとりには、水吞みに使ったあとのつわ蕗の葉が、いつも点々と散らばっていた。

 「井川ば粗末にするな。神さんのおんなはっとばい、ここにも」

同上 第一章 岬 p.10-11より




(2021/9/12(日) 10:30 -16:30 これからの予定のものでしたので、お知らせまでに↓)

https://www.facebook.com/wanomichisalon/
https://www.instagram.com/p/CRvigQMrUR8/?https://www.instagram.com/wanomichi.salon/?hl=ja


(↓終了分ですが、こちらもご参考までに)


それではやっとこさ💦、主要テキストのmy noteへ


第2章 和ハーブと食文化 p.44-


2.1 植物食材のそれぞれの役割(本テキストp.35-)

2.1 植物食材のそれぞれの役割(本テキストp.35-)☜今回ココ

 2.1.1 縄文遺跡に残る日本の食文化の原点
 2.1.2 糖質食材は自然界にはほとんど存在しない
 2.1.3 野菜・山菜・野菜の違いと”お菓子のルーツ”果物
 2.1.4 和のスパイス~日本人は元来「刺激物」が好き

2.2 地域別の環境に裏付けられる植物食文化(次回以降)
 2.2.1 気候風土と植生がもたらす地域食文化
 2.2.2 山形に残る植物保存食文化
 2.2.3 「クサナギ飯」の不思議な共通点
 2.2.4 植物遣いの達人、アイヌ
 2.2.5 アイヌのお茶
 2.2.6 大和人を救った和のローズのビタミンC
 2.2.7 チャンプルー文化を象徴する「琉球ハーブ」
 2.2.8 島人たちを支えてきた「沖縄原産”命薬”ハーブ」 
 2.2.9 海のハーブは「抗酸化成分とミネラルの宝庫」
 2.2.10 崩れる沖縄長寿伝説と、望まれる健康食材

コラム 初めての入浴剤は和ハーブ

和ハーブ にほんのたからもの』目次より
(階層/項目番号は筆者の採番)



|縄文遺跡に残る日本の食文化の原点

縄文時代とは
氷河期が終わった約1万5000年前から約2300年前まで、約1万年以上続いたとされる時期

→稲作などの栽培食文化はまだ浸透せず、周辺の自然素材を活用


■縄文時代の食卓

〇糖質/デンプン源となる主菜
〇植物性タンパク質/脂質/ビタミン/ミネラルなどを補給する副菜
〇ハーブ/スパイスとしての薬味や香辛料
〇体調を整えるための茶剤や煎剤(薬草)
〇おやつ/お酒などになる嗜好品
〇保管・殺菌用の包装材/食器

→栄養学や化学が存在しない中、人は、心身に必要なものを植物素材から本能的に選択していた


■遺跡から見つかる植物(ほぼ全国共通で)

〇糖質/デンプン源=天然高分子化合物/多糖類
┗堅果:クリ(栗)/クルミ(胡桃)/トチノミ(栃ノ実)/ドングリ類、ユリ科の球根部 など

→糖質/デンプン源の確保は縄文期においても重要



〇ハーブ・スパイス類
┗シソ(紫蘇)/エゴマ(荏胡麻)/サンショウ(山椒)/ノビル(野蒜) など

→辛味や香り成分による食欲・消化の促進、自律神経調整、殺菌などの機能性も利用していた


〇果実類
┗ヤマブドウ(山葡萄)/サルナシ(猿梨)/ニワトコ(接骨木) など

→保管用と思われる壺の底から発見される。そのまま食したor発酵させて醸造酒を作った可能性が指摘されている

その壺は楽器の一種?という説も‥太鼓のように置いて叩く、マラカスのように振り、中にある果実類を揺らし音を出す

(すみません、ニワトコよく知らなくて、とにかく確認中の痕跡です)



|糖質食材は自然界にはほとんど存在しない

■人体には糖質(∋デンプン源)の摂取が死活問題

人の生命活動の基本
・全身に60兆個以上あるだろう細胞の代謝活動
・主なエネルギー源は糖
・糖質食材は消化吸収を経てグリコーゲン(ブドウ糖)になり、全身の細胞に運ばれ細胞のエネルギーに。命を保つ


糖質の捉え方について
memo🖊

現在、内海聡医師の糖質のお話(①)と、崎谷征博医師の糖のエネルギー代謝のお話(②)を、自身の中で統合しようとしております。が、まだ解釈中💦で、同じ大きな山⛰に対して、別の角度、ルートから各自本質を突いてらっしゃることだけは朧気乍ら予感だけ頂いております‥

今回縄文時代の糖質食材環境とそれに対する私たちホモ・サピエンス対応状況を、地道に見ていくなかで、予感の先のスケッチまでなのですが、以下のように察せられております

🖊恐らく人間の生命維持作戦として、まず何をもってしてでも、②の糖のエネルギー代謝を保ち続けることが必須で、その上で、健康な身体を作るためには、”ミトコンドリアが糖を完全燃焼させること”を優先的に意識する必要がある。その際、”食材中の有害物質などによって、糖の完全燃焼が阻害”されるので、その、”糖の完全燃焼が阻害”されるのを、私たち現代人が可能な限り回避するためには、①の視点によって食生活のバランスを保つのが、肝要な養生法となってくる

一概に最初から、十把一絡げに糖質が余分だとか砂糖は悪玉だなどと認識すると、

★糖のエネルギー代謝を保持した上で、
★”ミトコンドリアが糖を完全燃焼させること”

このルートが見えなくなり、人によっては本末転倒な結果を呼ぶことにもなる🖊


①”糖質ジャンキーとエンピティカロリー”の切り口のお話


②ハチミツの効能を題材にした、糖のエネルギー代謝のお話

Summary
私たちの体は、ミトコンドリアが糖を完全燃焼させることで、最も効率的なエネルギー代謝を行います。食材中の有害物質などによって、糖の完全燃焼が阻害されているとき、そのブロックを外してくれるのが、ハチミツの主成分、フルクトース(果糖)の働きです。【解説】崎谷博征(総合医・医学博士)
ハチミツの主成分は、フルクトース(果糖)とグルコース(ブドウ糖)で、二つがいいバランスで含まれています。ハチミツの特に優れた点は、この二つの組み合わせが、糖のエネルギー代謝を大幅に高めてくれる点です。

私たちの体はエネルギーで動いています。「食べる」「消化する」「排泄する」「呼吸する」「体を動かす」「内臓の活動」「体温維持」など、すべてにエネルギーが必要です。

細胞内のミトコンドリア(細胞小器官)は、私たちが摂取した食物からエネルギーを取り出し、体内で利用することのできるエネルギー物質(ATP)に変換します。その原料となるのが三大栄養素である糖、脂質、たんぱく質です。

このなかで、最も効率的にクリーンにエネルギーを生み出せるのが糖です。ミトコンドリアが糖を完全燃焼させることが、最も健康的なエネルギー代謝になるのです。


ところが、現代人の場合、偏った食生活や食材中の有害物質(添加物や農薬など)によって、糖が完全燃焼されにくくなっています。糖の完全燃焼が阻害されると、私たちの体は病気になりやすくなります。

(略:各種病例)

食材中の有害物質などによって、糖の完全燃焼が阻害されているとき、このブロックを外してくれるのが、フルクトースの働きです。

フルクトースを豊富に含むハチミツを摂取すれば、ブロックが解除され、糖のエネルギー代謝が大きく高められます。その結果、糖代謝の不足から生じる、前述したさまざまな症状・病気に対していい影響を及ぼすことができるのです。

【ハチミツの効果】糖の燃焼を促進するしくみで病気を防ぐ 古代ギリシア時代からの万能薬/2020.10.2ヘルスケア取材班@かぽれ



戻って、ひとまず基本構造について確認


< 糖質の役割>

大阪教育大HP 
Laboratory of Food Sciences より

https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~ioku/foodsite/

>糖質 >■糖質(栄養素)へ
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~ioku/foodsite/eiyouso/tousitu-w.htm

糖質は消化吸収されやすく、体内で速やかに代謝されて細胞のエネルギーとして利用される。特に神経細胞と赤血球はグルコースを主要なエネルギー源としている。

(記号追記/段落替えは筆者による↓)

<糖質の代謝>

日本人は一日の摂取エネルギー2,000kcalの60%を糖質から摂取している。摂取する糖質の大部分は多糖類で、これに少量の二糖類と単糖類が加わる。多糖類はデンプンやグリコーゲンがあり、二糖類にはショ糖、乳糖およびマルトースがある。これらは消化酵素の働きにより、最終的に単糖類に変えられ小腸から吸収される。

・糖質の代謝は口から始まる(停滞時間が短いので消化はわずか)
・糖質の消化は主に小腸で行われる。小腸より吸収され、肝臓に取り込まれた糖質は一部は血糖(血液中のグルコース)として利用される。
・血糖の供給は主に食物中の糖質の小腸からの吸収と肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの分解などである。

 ┗グリコーゲン:動物の糖の貯蔵形態で、筋肉や肝臓に多い。グルコースの重合体。

<糖質の利用>

・肝臓に取り込まれた糖質は、酸化分解されてエネルギー源になるほかグリコーゲンに合成されたり、脂肪酸や非必須アミノ酸の合成に利用される。
・筋組織は血糖を取り込んでエネルギー源として利用する。
・筋肉中のグリコーゲンは筋肉のエネルギー源としてのみ利用される。脳のエネルギーはほとんど全てがグルコースの分解による。

<エネルギーとしての重要性>

・血糖の重要な働きは、グルコースをほぼ唯一のエネルギー源としている脳や赤血球に対してエネルギーを安定供給することである。

・また糖質を摂ることにより、タンパク質の節約効果がある。十分の糖質を摂取することにより、タンパク質がエネルギーとして消費されるのを最小限に抑えることができる。このことによって、タンパク質の摂取が本来の体タンパク質の合成に使われる。

<糖質摂取の問題点>

糖質の摂取量が多くなり、摂取エネルギーが必要量より多くなると、一部は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されるが、この量には限度があり、過剰に摂取した糖質は脂肪として脂肪組織に蓄積されるので、糖質の過剰摂取は肥満の原因となる。

糖質が効率よくエネルギーに変換されるにはビタミンB1が必要である。したがって糖質の摂取量が多いほどビタミンB1の消費量が増大する。


つまり糖質の代謝ルート:

糖質→小腸→肝臓
・グルコース(ブドウ糖)は肝臓を通過しつつ、即血糖として全身へ
・その他の糖は肝臓での代謝を経て、一部が血糖として全身へ

糖質食材の中でも、限られた単糖類・グルコース(ブドウ糖)のみが血糖値を直接(=肝臓での代謝を経ずに)上昇させる

が、そもそも糖質(∋デンプン源)食材は日本列島の自然界には元来、殆ど存在せず、野生のイモ類・ヤマノイモと、果物が生るのみだった

・野生のイモ類は、ヤマノイモ(ヤマイモ科ヤマノイモ属)つまり自然薯の一種のみ


・果糖は、体内吸収後肝臓に運ばれ脂質に変換されるため、直接血糖値を上げない


参考/基本的な語彙について📝

〇炭水化物
 糖質
  糖類 について

炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)
/ carbohydrate / glucide /

たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつ。炭素と水素の化合物で、消化されてエネルギー源となる。

炭水化物は炭素と水素の化合物で、たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。食物として体内に取り入れられエネルギー源となる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維があり、糖質は単糖類、少糖類、多糖類に分類されます。

単糖類はそれ以上分解されない糖類で、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースがあります。少糖類は単糖が2つ以上結びついたもので、多糖類ほどは分子量が大きくないものです。オリゴ糖とも呼ばれますが、定義はややあいまいで、実際には二糖類を含める場合と、3つ以上の糖が結びついたものを指す場合もあります。二糖類にはショ糖(ブドウ糖+果糖)、麦芽糖(ブドウ糖+ブドウ糖)、乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)などがあります。多糖類は消化性多糖類と難消化性多糖類に分かれます。消化性多糖類にはでんぷん、グリコーゲンなどがあり、難消化性糖類は食物繊維の仲間となります。

不足すると、エネルギー不足による疲労感や集中力の減少が見られ、また、ブドウ糖が必要な脳・神経で供給不足が起こると、意識障害を起こすこともあります。また過剰な場合、エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
e-ヘルスネット > 健康用語辞典 > 栄養・食生活 > 炭水化物 / 糖質


〇糖類とは?

分子式 Cm(H2O)n (m≧3)を満たす物質のことを糖類と呼ぶ

高校化学 5分でわかる!糖類とは
Try IT ホーム>理科>高校理科>高校化学>高分子化合物>天然高分子化合物>糖類
より 
糖類:多糖類が最小単位まで分解されたのを単糖類、最小単位の単糖類が2つくっついたのが二糖類で、糖類は単糖類と二糖類を合わせたものの総称です。
糖類=単糖類と二糖類。

『糖の種類によって吸収時間は違う』東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸院 院長 山田 篤. 平成30年3月1日号
鍼専門の治療院 東洋医学研究所🄬 HPトップ>コラム
 より


≪全体観≫ ~消化時間もメモ~

炭水化物:吸収まで5~6時間

 ├──糖質 (=糖類+その他)
    :吸収まで10分~1時間
   ├ 多糖類(デンプン質/オリゴ糖‥米・麦等穀物はこれ)
           ├糖アルコール(キシリトールなど)
   ├グリコーゲン(動物性食品)
   ├その他
    ≪糖類≫
    ├ 少糖類
     二糖類:吸収まで10分~1時間
      オリゴ糖など、あいまい
      スクラロース(ショ糖=ブドウ糖+果糖:砂糖など)
         ラクトース(=ブドウ糖+ガラクトース)(乳糖など)
      トレハロース(サツマイモなど)
      マルトース=麦芽糖(=ブドウ糖+ブドウ糖)(水飴など)

    ├ 単糖類:吸収まで数分
      グルコース(ブドウ糖)★血糖値⤴no.1
      フルクトース(果糖)
      ガラクトース

 ├──食物繊維
  ├ 不溶性
  ├ 水溶性

★血糖値をすぐに上げるのは単糖類の中のグルコース(ブドウ糖)

(スマホだとテキスト見にくいので画像でも表示)

糖質全体像


■糖質(∋デンプン源)食材としてドングリ類を食用に

南方の常緑照葉樹林帯から北法の落葉樹林帯まで、種類豊富に生息するブナ科樹木、及びトチノキ科トチノキのドングリ、あるいはユリ科の球根部等を灰汁抜きor濾す等して摂取した


やがてイネやムギ、ソバやヒエ等の穀物、その他イモ類が糖質(含む、デンプン源)食材として主食の座に


2018/9 新潟県越後妻有 大地の芸術祭にて

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黄金色の稲穂実る景色と

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蕎麦の花畑



しかし、寒冷地や山村等、稲作が適さない地域では、ドングリ等の野生種糖質食材が重宝されてきた


例)
イネの育ちにくい”日本三大秘境”宮崎県椎葉村では、毒草のキツネノカミソリの根を灰汁抜きし、デンプン源に



画像6

(同上、大地の芸術祭にて。恐らく標高200~600mの松之山エリア、これ以上のもっと険しい‥棚田さえも作れない場所でも、人は生きていくために、必死に糖質食材を探し抜いて、命紡いで来られていたのですね‥そんな先人の方たちの細胞を、私たちは今、内包して生きているんだ)



WWⅡ前後等に深刻な食糧不足に陥った沖縄諸島では、処理法を知らないまま伝承を頼りに猛毒であるソテツ(ソテツ科ソテツ属)をデンプン源として食べ、多数の方が亡くなった(”ソテツ地獄”→多角的な捉え方が必要そう)


また逆に沖縄本島北部のやんばる地域では、大量に生息し木本化するシダ植物ヒカゲヘゴ(ヘゴ科ヘゴ属)の新芽がデンプン源となり、戦後の食糧不足から多くの方が救われたという


|野菜・山菜・野菜の違いと”お菓子のルーツ”果物

■副菜について

副菜とは、ビタミンやミネラル、タンパク質や脂質などの供給源となる植物素材のこと

〇大きく2ジャンルある
・山菜、野草:野生植物
・野菜:栽培植物

山菜 森林や山の深い所等で採れる季節もの

┗木本類
  タラノキ(ウコギ科タラノキ属)


  コシアブラ(ウコギ科ウコギ属)


┗草本類
  ウド(ウコギ科タラノキ属)


  フキ(キク科フキ属)


 シダ植物
  ワラビ(コバノイシカグマ科ワラビ属)
  クサソテツ/コゴミ(イワデンダ科クサソテツ属)



野草 平地や里山等に生え、比較的長い期間において採取可能な草本植物

┗草本類
  ヨモギ(キク科ヨモギ属)
  タンポポ(キク科タンポポ属)
  ユキノシタ(ユキノシタ科ユキノシタ属)


〇”野菜”の語について

野菜 野生で採れる植物食材(主に草本類)の総称
蔬菜 栽培作物→蔬菜の語義が野菜に吸収され、蔬菜の語が一般に使われなくなった

和ハーブ協会では、江戸時代以前から広く食べられてた野菜を「和菜」と名付け、区別することに

■果物について

〇果物とは?カテゴリは?

果実(大カテゴリ)

 ┗穀物に入るもの

 ┗穀物に入らないもの:果物

→果糖やブドウ糖等の単糖類を多く含み甘味があり、おやつやデザートになるものの総称。五大栄養素から食物繊維、フィトケミカルまで含む食材で、優れた栄養価を持つ

〇菓子の語源
果子←果物がルーツ

〇「和菜」と同じように、「和果」
江戸時代以前からよく食されていた栽培種/日本野生種の果物のことを「和う果」と名付け、区別することに


 |和のスパイス~日本人は元来「刺激物」が好き

■薬味・香辛料を指す古来の言葉‥あしらい/はじかみ/つま



〇和のハーブ・スパイス類の効能/種類/成分

効能
辛味/香味/酸味等は、薬のような効果を持つ
食中毒予防のための殺菌効果
食欲・消化促進
体熱発生・強壮作用等


種類/成分の例

アルカロイド類:
トウガラシ カプサイシン
サンショウ サンショオール


有機硫黄化合物:
ワサビ イソチオシアネート
ニンニク アリシン

揮発成分:
ヨモギ シネオール
ハッカ メントール

有機酸:
ユズ クエン酸
イタドリ シュウ酸


〇痛み(辛味)について

口腔内の感覚受容体に作用し、痛み(辛味)やしびれを感じさせる

トリカブトのアコニチン(アルカロイド類)等の明らかな猛毒成分も、人の味覚は同じように反応する場合がある
→薬と毒は紙一重

生理機能の落ちがちな大人には必要でも、生理機能の活発な子供には不要で却って毒になる可能性も


〇酸味について

柑橘類の果汁
胃液と同レベルの強酸度
胃の内部で消化酵素が最も活発になるPHを作る
殺菌作用も強く、加齢に伴い弱まる胃腸の消化力や免疫力を補助していく

例)
生のお刺身、脂の多いサンマ等の焼き魚にユズやスダチの和の柑橘を添えるのは、先人たちの知恵が科学的にも合理性が高いことを示す



🌿


≪今回はここまで≫


以上、内容は参考文献『和ハーブ にほんのたからもの』(古谷暢基・平川美鶴(著)/一般社団法人和ハーブ協会 (編集))p.44-51を踏まえnote化したものです

参照情報/参考文献:本文中に記載
使用画像:記載ないものは筆者撮影

≪要検討/調査事項≫

和のハーブ・スパイス類の効能の、
元になる成分or二次代謝産物、詳細について

→主要テキスト の中盤
第3章 和ハーブと健康・医療 についてp.80-128
 参考・和ハーブの二次代謝産物 
を踏まえ、今後まとめて参ります


🐝最後に🦋
🌸和ハーブを学び活用していくことの意義🌿

①先祖代々引き継がれ、また生まれ育ってきた環境における素材の恩恵を受けられる
②文化の根源素材である植物の研究により、先祖からの文化・歴史を知り、継承していく機運になる
③生活圏における自然環境の過去・現在・未来について、認知・把握することができる
④素材のトレイサビリティ(追跡性)やピュアリティ(純粋性)が見えやすいものを手にできる
⑤地域の素材を活かした産業を作り出し、雇用や経済を活性化することができる
⑥素材の遠方輸送における資源の浪費、それによって引き起こされる公害などを防ぐことができる

『和ハーブ にほんのたからもの』p.37より


見づらい内容ですが、敷衍化道草、
”和ハーブ”にかかる筆者の視座スケッチ

画像9


画像10

✑本来、二項対立的思考方法のみでは描き出せない部分もあり、前提で全ての事象には、”あわい”(=間/ベン図でいう重なりの領域)なる存在が含め持たれていると考えている


🐝


にほんのたからもの、を
にほんのわすれもの、のままに
しないで生きてゆける方法は
ありますでしょうか?


画像7


逆行しないで、今までをも、活かしながら、、


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