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カシタンが教えてくれたしあわせ

結婚式は、二度挙げた。

1回目は日本で、2回目は義理の兄家族が赴任していたチェコ、プラハで。

互いの両親を引き連れての、大人数での旅は、一生忘れられない思い出になった。いつかまた、その時のことは
別で綴ってみたいと思っている。

チェコから持ち帰った、一番のお土産といえば、カシタンにまつわるお話だ。

チェコ語でカシタンという、マロニエの実。
ポケットの中に入れておくと、しあわせになれるのだそう。

「カシタンGETで、元気100倍!」と
駆け出していった、4歳の姪っ子が教えてくれた。
道行くおばあちゃんにもらったんだヨと。


プラハの人の心に、どれほどカシタンが根づいているのかは、墓地に行けばわかる。
道すがらカシタンを拾い、ポケットに忍ばせ、故人に祈りを捧げながら、お供えする。
そんな姿を思い浮かべ、なんてさりげなくて、素敵なんだろうと心底思った。
きっと、カシタンは自分のしあわせの為ではなくて、出会った誰かにすっと差し出す為に拾うのではないかな。
そんな風にさりげなく、しあわせのおすそ分けができるのって、すごくいいな。

なかなか見つけられなかったけれど、
私も真似して、できるだけきれいなカシタンを持ち帰った。
いつもお世話になってる人へ、カシタンを差し出すと、ものすごく喜んでくれて、私もうれしくて、ふたりとも笑顔になった。

カシタンが招くしあわせって、
この事だったのかな、と今ふと気がついたのでした。

差し出すことが、しあわせ。

#日記 #エッセイ #旅行 #プラハ #チェコ #しあわせ


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