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今年も古流協会展に出品してきました

戦後、いけばなは「若い女性のたしなみ(花嫁修業)」という位置づけとなり、いけばな人口が増えました。一方、人々のあこがれとなったのがファッションからレストラン、ギャラリーまである総合デパート。この二つの流れが合わさり、デパートでいけばなの展覧会を開催する、ということが始まります。

私の所属する流派「古流」も銀座の松屋で大規模な花展を毎年開催しています。古流は会社でいうとホールディングスのようなもので、その傘の下に複数の会派があり、その会ごとに家元がいます。松屋では古流の12会派が勢揃いしての出展。

10年ちょっと前から出し始めて、2010年ぐらいからは「中品席」という大きめの場所に連続して出しています。かなりの人数が一斉に、かつ19時から22時までという決められた時間でいけるため、生け込みの時間は戦場のような。いや、バーゲン会場のような...

どんな作品を出すか、というのは、毎年考えるものの、結局いつものスタイル「出たとこ勝負」。事前プランなし。バーゲン会場的わさわさの中、心だけは静かに保って、とにかく集中していける。いけ終わってから「あ、こんな作品になったんだ」と全体像が浮かび上がってくるような感覚です。

今回は、いつも以上に無心だったせいか、肩の力が抜けた自然な流れの作品になりました。見に来てくださった方々にも好評でした。

この古流協会展、4日間で1万人以上の来場者だったそうです。すごい集客力。ただ、出品する人も来る人も、圧倒的多数が当時のうら若き乙女たち。これだけのもの、エネルギーのバトンが、世代間の受け渡しのところで、相当数落ちてしまっているのが現実です。自分の信じる形で、若い世代や男性も、花をいけるということの楽しさや奥深さを感じられる機会を創っていこうという想いを改めて確認した展覧会でもありました。

こちらが今回の作品


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