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週末お遍路さん(10):リスタートのタイミングはいろいろ忘れがち

9月からはじめた週末お遍路さん。私達は冬休みを取る予定なので、3回目となる今回が2023年最後。そして今回で徳島の札所も完了の予定。
3回で徳島をコンプリートできることにちょっと意外な感じもしつつ(もう少しかかると思ってた)、冬に近づいて肌寒くなった朝、家を出て歩いていると、先輩から「京急線が止まっている」との連絡が。

「モノレールに切り替えます!」
「最新情報だと羽田空港までは動いてるけど遅れ発生」
「私は京急でチャレンジします!」

などなど、Oちゃん含め3人で朝からLINEで情報交換。電車の遅れにより羽田空港もてんやわんやでしたが、無事に全員合流し、慣れ親しんだ徳島阿波おどり空港に到着。

機内から手を振るのは見える、と知ってから毎回手を振るようになりました。

今回からは途中で少し公共交通機関の力を借りる行程のため、バスの出発時間までには絶対到着しなきゃいけない!というプレッシャーがあり、最速でお昼ご飯を食べたら、JR徳島線で南小松島駅へ。

南小松島駅も素朴でよき!

まずは小さな南小松島駅の待合所をお借りして、お遍路さんに変身!ちょっと時間が空いたので変身に戸惑いながら準備をしていると、観光案内所のおかあさんから「がんばってね」と、手作りグッズのお接待をいただきました。ウェット&ポケットティッシュにビニール袋、楊枝とばんそうこう、そしてなぜかロバさん?のぬいぐるみまで。

全員分、柄違いでセットしてくれてた!かわいい!

さすが、お遍路さんが欲するものを分かってますな!(特にビニール袋とばんそうこうとウェッティ)

今回最初のお寺、18番札所・恩山寺への行き方と一緒に、駅前のお水は美味しい天然水だから汲んで行くといいよ、と教えてくれました。そしてお水を汲みに行ったら、藤棚のお手入れ中のお父さんに「東京とはまたずいぶん遠くから来たね~。がんばっていってらっしゃい」と快く送り出していただき、久しぶりにみなさんのあたたかさに触れて歩きはじめる私達。

歩きはじめて最初のミッションは、私達が絶対の信頼を置いている「お遍路シール」と合流すること!

途中、南小松島駅のおかあさんがおすすめしてくれた義経像を探しながら歩いていると、予想外のところでOちゃんがタッキー(義経)を発見!なんと小高い山の中腹で、馬にまたがる義経じゃないですか!

小高い丘の上に義経!カッコいい!

なにこれ、カッコいい!!
タッキー、かっこいいよ!!!
近くまで行ける余裕がないのが本当に残念だった!

恩山寺さん、街中だと思ってたら山道パートあった。

恩山寺さんでは、日本でここにしかない「摺袈裟(すりげさ)」というお守りをいただくことができます。悪いことを良いことに変えてくれる、病気も治してくれるお守りだそう。そしてこれ、死ぬまで持ってていいらしい。お返し不要。で、自分が死んだら棺桶に入れてもらうと、極楽浄土に行ける。

我ながら「どんだけ極楽浄土を求めてんだよ!」って気になりますが、できることはしておくに越したことはないので、摺袈裟もしっかり頂きました。お仏壇などに置いておくと故人の供養もできるらしいので、ご先祖さま用も買えばよかったかなぁ……。次に18番さんにお邪魔することがあったら、仏壇用もいただこう。

今回も我らの最推し、お大師さんの足跡を追いかけますよ!

そんなこんなで「今回も無事に終われますように」とお参りし、次に目指すのは19番札所・立江寺さん。3kmちょっとと近いよね~なんて話していたのですが、竹林を抜けたり、たわわに実るミカン畑を通り過ぎたり、とってもいい道でした。
もののけ姫感、満載!
そしてミカン大好きな私、狂喜!

超素敵な竹林!こういう道を歩けるからお遍路さんって楽しい。

もちろん木になっているミカンをもいで食べられるわけじゃないけど、びっしり実が付いているミカンを見てるだけで幸せ。

立江寺さんのお参り後、お寺の正面に小さな商店があり、ミカンを販売していたので迷わず購入。今日はこの後バスを乗り継いで「道の駅ひなのさと かつうら」まで移動し、お宿の方に迎えに来て頂くだけなので、ミカン1袋くらい余裕で持てる!

そして初日のお宿は「ふれあいの里さかもと」さん。廃校をリノベーションしためずらしいお宿なので、「体育館とかあるのかな?スラダンごっこできたら超アツい!」と、行く前から3人でウキウキしていたお宿です。しかも、20番札所・鶴林寺さんの山道入口にほど近い道の駅まで送迎してくれると、至れり尽くせり!

道の駅ひなのさとはお遍路さん休憩所の屋根にもミカン!

道の駅に到着してお宿にお電話しようとウロウロしていたら、ちょうど正面に別のお遍路さんがいらっしゃった。携帯片手にお電話中。

「あ、はい。3人ですか。あ、えぇ、いますね。……いや、目の前にいます」

あ、これはもしかして本日のお宿仲間か……?

お電話終了直後、「さかもとさんですよね。いま迎えに来てくれるそうです」と、やっぱりお宿仲間と判明したので、お迎えが来るまで4人で待機。

「どちらからですか?」
「あ、東京です」
「あ、そうじゃなくて……」
「……??あ!お寺ですか!今日は18番さんからです!」

この日の夜、Oちゃんの「どちらからですか?と聞かれた時、地元の人に聞かれた場合は東京、お遍路さんに聞かれた場合はお寺が正解だと思う」という分析に、確かに!と膝を打ちました。

主語を省略しても会話が成り立つ日本語って難しい。


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