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週末お遍路さん(11):遍路ころがし挑戦前に驚きのお接待

お遍路さんもころがるくらい険しい山道「遍路ころがし」TOP3ですが、なぜか徳島県に集中しています。ばらけさせてくれればいいのに、なぜ発心の徳島に集まるのか……。
3大遍路ころがしは、

「1に焼山2にお鶴、3に太龍」

と言われていて、12番札所・焼山寺への山道(約12km/私達は最後に雨で無念の撤退)、20番札所・鶴林寺まで(バス停から約3km)、鶴林寺から21番札所・太龍寺(20番さんから約6km)までの道。明日の第2位+3位の鶴林寺と太龍寺に行くため、夜は「ふれあいの里さかもと」さんで戦いに備えます。

決戦前夜のお夕飯。手作りのさしみこんにゃくと里芋が激ウマでした。

ちなみにさかもとさんのお兄さん、またしても私達が働いていた会社のMさんに雰囲気が似ていたので、焼山寺で出会った先達のUさんに続き、我ら3人間での愛称は「Mさん」。

廃校をリノベーションしたお宿・ふれあいの里さかもとさんもとってもいいお宿で、私達の部屋は「ゆこう」という名前が付けられた職員室。

私達は職員室にお泊り!

そしてなんとGo To的キャンペーン「徳島旅・体験クーポン」なる期間だったようで、1泊すればひとり5,000円分のクーポンをもらえるらしい。
Mさんがクーポンを発行してくれている間「ひとり5,000円もクーポンもらうってなんか申し訳ないね」なんて話していたら、「こちらは特に損してないから大丈夫ですよ。結局は僕たちの税金なんで使ってください」とのこと。
なので、さかもとさんで販売していたお土産も購入して、自宅に発送していただきました(めちゃくちゃていねいに梱包してくれて、逆にお手間おかけしました……)。

恐竜推しの勝浦できょうりゅうサイダー購入。

3人で泳げそうな大きなお風呂に入って。お腹いっぱいご飯をいただき、そして校舎裏でタバコを吸うという合宿ごっこを楽しみながら、明日の山越えに備えて早めの就寝。

ちなみに「学生証」という名のポイントカードもいただきました。今回はお遍路さんばっかりだったけど、バーベキューができたりいろいろイベントも開催しているそうなので、個人旅行でも楽しめそうなお宿です。

おかゆさんだけでは足りず、しっかりご飯もいただきました。

翌朝は朝ご飯のあと、Mさんに道の駅まで送っていただき、さぁ山越えに備えて頑張ろう!と気合を入れた矢先、後ろから「すみませーん」と声を掛けられた。

はいはい、お遍路さんに何かご用でしょうか?
荷造りしてたベンチに忘れ物でもしたかな?と振り返ると……

「これ、お昼代にでもして」と、渡された千円札。

いやいやいやいやいやいや!!!
飴ちゃんとか水じゃなくて現金とか!!!

「いや!さすがにお金は申し訳ないので!!」
「大丈夫です大丈夫です!!!」

全力で恐縮する私達でしたが、「いいの!お接待なんだからちゃんともらって!断っちゃだめよ!これからもあると思うけど、ちゃんと全部いただくのよ」と、おかあさん。

全力でお礼を伝え、20番さんの山道に向かう道中、3人でこの千円札の行先会議を緊急開催。

たった3kmがキツイのですわ。

「さすがに使うのはあれだよね」
「とりあえず大蔵省(共同財布)で預かっておきますね」
「どこかのお寺に収める?」
「自分の代わりに巡礼してくれる人へのお接待だもんね」
「どこかな?88番?おかあさんも88番は行きづらいよね」
「いや、香川だから実はそこまで遠くはないのでは……?」
「そしたら太龍寺?西の高野って言われてるお寺みたいだし」
「本堂?大師堂??どっちに入れるべき?」
「いや難しいなそれ!」

今までの週末お遍路さんでもいろいろ頂き、現金のお接待もあるよ、という情報は存じ上げていましたが、本当に現金を頂くとは思ってもおらず、改めて「四国の人はすごい!」と痛感しました。

速攻で母親にLINEしちゃったよ。

ちなみに私達がお接待をいただいた「道の駅ひなのさと かつうら」さんには、恐竜のオブジェがあります。
お迎えに来てくれた観光協会のお兄さん(お宿の方じゃないことにも驚いた!)に「なんで恐竜なんですか?」と聞いたら、勝浦町では、約1億3000万年前の恐竜の化石が発掘されたから、と理由を教えてくれました。部分的にはいろいろ発掘されているらしいけど、福井みたいに全身はまだ見つかっていないそう。

世界最古に近いカメさんの甲羅の化石も発掘されてたようで、「全身が発掘されたらもっと話題になるんですけどねぇ。徳島県内では結構ニュースになったんですけど、なかなか東京とか全国区にならなくて」とのことでした。

早く全身骨格が見つかって、福井みたいに観光の目玉になるといいな。

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