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週末お遍路さん(13):クラファンってこういう時のためにあるのではないかと思う

山の上にある20番札所・鶴林寺さんをしっかり堪能したあとは、境内から21番札所・太龍寺さんに向かう遍路道へ。

まずは下るんですよ。
1時間半かけて、めっちゃ辛い思いをして上り切ったこの標高470mを、いったんゼロクリアさせなきゃいけないんですよ!

次に行く太龍寺の標高は620m。
鶴林寺から太龍寺までは6.5km。
その6.5kmの中に、470m下って620m上ってが含まれてる。

ということは、めっっっっちゃ急激に下るわけですよ。まず。

写真って伝わりづらいけど、笑えるくらい下る階段。こういうの3つくらいある。

上りにはめっぽう弱い私ですが、下りと平地は割と大丈夫。その代わり、上りにはめっぽう強い先輩は、コンタクトの相性もあって下りは慎重。Oちゃんは上りも下りも平均的にこなすことができるという、三者三様の特徴を発見しつつ、「この角度やばいね」「ここゲリラ的に段差キツイです~」「ここ足下気をつけて〜」と声を掛け合いながらひたすら下る。

当然、山道ゾーンの下りもある。

「あんなに上ったのに!」
「どうせまた上るのになんでこんなに下らなきゃいけないの?言っちゃいけないとは分かってるけど!“どうせ”って言っちゃうけど!」
「なんかさぁ、お寺をつなぐ橋みたいなの作ってくれないかね」
「ここに橋作ったら、世界中のお遍路さんに称賛されるよね」
「クラウドファンディングとか立ち上げればいいんすかね」
「それだ!!!!」

なんか笑えてくるくらい下るから、途中から私達も俗世丸出しの会話をしつつ、とにかく下る。
普段自分でクラファンしようなんて考えもしないけど、この時ばかりは「今以上の使い時はない!」と確信しました。

そんな俗世にまみれたラクさを夢見ながらも、「次の山を上る前におにぎり食べましょうね」と、朝作っていただいたおにぎりを楽しみにがんばる私達。

あっという間(でもないけど、あの上りの辛さに比べたらあっという間くらいの感覚だった)に下界に戻り、お遍路小屋でお昼休憩。
すっぱい梅干しおにぎりとわかめおにぎりを瞬時に食べ終わり、デザートは昨日買ったミカン。水分たっぷりのミカンが染みわたる!

今日もおにぎりが美味しい!たくあんがウマい!

ちなみにお遍路小屋に貼ってあった格言、大事なところが消えてしまっていました。

おっしゃる通りすぎる格言。

帰ってネットで調べてみたら、最後の一文は「そして何かをのこせ」。

早く歩くか ゆっくり歩くか 何日で廻るか
何回廻るか そんな事よりしっかり歩け 
そして何かをのこせ

ホントだよねぇ。グチばっかり言ってないでしっかり歩かねば!
この先もまた辛い上りがあったらグチっちゃうと思うけど……。

お昼を食べてパワーチャージも完了。次はふたつの山の間を流れる那賀川を渡って、太龍寺さんへの上りに挑むのみ。

この景色は歩かなきゃ見れない!はず!

しかしこの那賀川にかかる水井橋からの眺め、本当に絶景でした!
深いビリジアンの森の間に、絵具で作ったみたいな青緑の川。
こんな色の川、はじめて見たなー。まだ徳島だけど、仁淀川への期待値もがぜんアップ!3人で感嘆の声を上げながら水井橋を渡ったのですが、実はこの時、めちゃくちゃな強風でした。マジで携帯飛ばされるんじゃないかってくらいの強風。

「山の間だからかな~」なんて話していましたが、この後、普通にこの日の徳島は強風だったということが判明。

台風並みの強風で、びっくりしちゃったよ。


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